黒塗りの雨覆板におおわれた松江城。実戦に強い様式である
黒塗りの雨覆板におおわれた松江城。
実戦に強い様式である
DATA 松江城

慶長16年(1611年)、出雲の領主であった堀尾吉晴が築城した。京極忠高に城主を変えたのち、寛永15年(1638年)徳川家康の孫にあたる松平直政の手に渡り、以後、出雲は松平氏によって10代234年の間治められた。天守閣は外観5層、内部は6階となっている。
「質実剛健な天守閣で風を感じる」
天守閣を見上げていると、首が痛くなった。
黒塗りの板に覆われたボディに風格が滲む。
こりゃ、お城界の大将格や。
そんな言葉が口をつくほど、大きくて立派な天守閣である。
千鳥が羽根をひろげた姿にたとえられる三角形の屋根——千鳥破風の美しさが、骨っぽい城をしなやかに引き立てている。
望楼にて。目に焼き付けるだけではあき足らずシャッターを切る。カシャ。 金輪を触ると、ざらざらした感触がした。赤茶けた錆に時代を感じる
天守閣の最上階にある望楼から、松江の街並みや宍道湖が見える。 望楼にて。目に焼き付けるだけではあき足らずシャッターを切る。カシャ。
入り口をくぐり、一気に6階の最上階を目指す。 桐の階段を軋ませるうちに、ぶわっと汗が噴き出す。 あちい〜。 手うちわを作って煽ぎながら、ひたすらギシギシと歩を進め、ようやくてっぺんにたどりついた。 涼しい〜。 天守閣の最上階は「望楼式」といって、東西南北の四方が展望できる創りとなっている。 風の通り道になっている望楼の真ん中に立って一息つくと、みるみるうちに汗がひいていった。 遠くに見える宍道湖が、涼やかにきらめいている。
松の一本柱の外側に板を寄せ合わせ、金輪で締めて太い柱を形成した「寄木柱」 金輪を触ると、ざらざらした感触がした。赤茶けた錆に時代を感じる
松の一本柱の外側に板を寄せ合わせ、金輪で締めて太い柱を形成した「寄木柱」 金輪を触ると、ざらざらした感触がした。赤茶けた錆に時代を感じる
城を支える無数の太い柱を撫でながら、階段を降りる。
松平家ゆかりの品が、随所に展示されている。
いかつい兜(かぶと)を被り、金ぴかの鞍を装着した馬に跨る自分の姿を想像すると、心躍った。
ずらりと展示された兜。私はバッファロー系の一品がほしいです 騎馬用の鞍と鐙(あぶみ)・ブルジョワバージョン。最後の城主・松平定安が所有 入り口近くにある「附櫓(つけやぐら)」から、侵入者がいないかどうか確認
ずらりと展示された兜。私はバッファロー系の一品がほしいです 騎馬用の鞍と鐙(あぶみ)・ブルジョワバージョン。最後の城主・松平定安が所有 入り口近くにある「附櫓(つけやぐら)」から、侵入者がいないかどうか確認
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