|
ことじ灯籠。
紅葉に彩られたり、雪化粧を施されたり
|
|
|
|
|
|
兼六園
兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並ぶ「日本三名園」のひとつである。江戸時代、加賀藩主である前田藩の庭として、長い月日をかけて作庭された名勝。梅、桜、紅葉、雪などの自然に彩られ、四季折々の表情を見せる。また、冬に見られる「松の雪づり」は、雪の多い金沢ならではの風物詩である。 |
|
|
|
|
|
|
|
霞ヶ池に架けられた虹橋から、ことじ灯籠を眺める。
二股にわかれた足が、琴の糸を支える琴柱(ことじ)を思わせることから名づけられた灯籠は、もみじの木を背にすっくと立っている。
片足を池の水に浸してたたずむ姿は、なんだかとてもけなげである。
しばらく眺めていると、灯籠の華奢な足が、サラブレッドの脚のように思えてきた。もみじといえば鹿(お手元の花札を参照してください)やけど、馬ともみじも絵になるんと違うやろか。
広大な回遊式庭園を一周すると、だいぶ体が温まってくる。
ちょっと暑いな、なんて思いながら歩を進めていると、吹き上がる水しぶきが目に入った。
日本最古の噴水である。
少し離れたところにある霞ヶ池の水が、自然の水圧によって噴出しているという。一体どんな仕掛けになっとるんや。
自然と意匠との融合に舌を巻きつつ、ちゃっかり涼をとった。
帰り際、再び虹橋に足を向けた。
——紅葉の季節にまた来ますわ。
もみじの枝にはっぱをかけたとき、灯籠がクスッと音色を奏でたような気がした。
|