宗祇水
水の町として知られる郡上八幡。この土地が誇る涌き水、それが「宗祇水」である。 |
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宗祇水をひしゃくですくい、少しずつ含む。
清らかな味が、口腔に広がる。
宗祇水は、環境庁が選定する「全国名水百選」の一番手として指定された名水である。
文明3年(1471年)、連歌の宗匠・飯尾宗祇(いいおそうぎ)は、東常縁(とうのつねより)から「古今伝授」を受けるために郡上を訪れた。当時郡上を治めていた常縁は、古今和歌集を極めた歌人でもあった。古今伝授とは、古今和歌集の技法や注釈を師匠が弟子に伝えることをいう。
常縁の奥義の伝授は3年にわたって行われ、その間この泉のほとりで過ごした宗祇は、泉からこんこんと湧き出る水を愛用したという。
勤勉な歌人の名を継ぎ、郡上の自然をすっきりとした味わいに纏わせた宗祇水。
宗祇水には、師匠の教えをまっすぐに吸収しようとする宗祇の心が表れているのかもしれない。
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