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眼下に広がる倉吉の街並み。背を向けてたたずむお地蔵さん |
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長谷寺
鎌倉時代に創建されたとされる天台宗の古刹。多くの絵馬が奉納されており、隆々とした白馬を描いた「白馬之図」が名高い。この絵馬には、夜になると額から白馬が抜け出したという伝説が残されている。 |
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長谷寺本堂の壁や梁、いたるところに古い絵馬が掛っている |
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贅沢はいいませんが、大穴希望。できれば万馬券をお願いします |
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中腹にある長谷寺を目指して、打吹山(うつぶきやま)を登る。
スダジイ、モチの木、モミの木、オオモミジ——生い茂る原生林が吐き出す緑色の空気が、爽やかに私を包む。
足元を見ると、3センチあろうかという大きな蟻が、灰色の長い足をせかせかと動かしている。
とうに季節を過ぎているというのに、そ知らぬ顔で咲き誇る紫陽花の花びらの上で、紋白蝶が優雅に羽を休めている。
羽のない私は、短い足をひたすら前に進める。
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長谷寺へと続くお地蔵さんロードは、豊かな自然に囲まれている |
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赤茶色の蛙が、ぴょこんと追い越していった。
橙色の山肌は瑞々しく、この山に生きる命に力を注いでいるのだろうか。
打吹山は、「森林浴の森100選」に選ばれている。
そういえば、汗は滝のように滴っているというのに、呼吸はずいぶん楽である。
長谷寺へと続く参道で、たくさんのお地蔵さんに出会った。
ずらりと並んだお地蔵さんの表情は様々である。
——お、このタレ目のお地蔵さんは、とても他人とは思えん。 なんて親睦を深めているうちに、長谷寺にたどりついた。
本堂には、大きな絵馬が無数に掲げられている。
室町時代から明治時代に奉納されたという絵馬を眺めていると、京都の東山にある「安井金毘羅宮」を思い出した。安井金毘羅宮は絵馬で名高い神社で、境内には「絵馬館」がある。馬好きな私は絵馬を見るのも好きで、何度か足を運んだ。
倉吉の絵馬も京都の絵馬も、年月によって色あせているが、昔の人が託した思いは変わらずそこにある。
——よし。
先達にならって、絵馬に願いを書くことにした。
「馬券がたくさん当たりますように」
切なる、切ない、切実な願いである。 |
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倉吉から帰った直後、馬券の連敗が止まりました(ホンマに) |
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