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大根おろしとかつおぶしがたっぷり
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名水そばと里いも
大野名物である名水そばは、そば通を唸らせ、大野産の里いもは、煮っころがしマニアの目からウロコを落とす食感を誇る。どちらも美味いことはたしかである。 |
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恍惚の表情で名水そばを食べる
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その町のことを知りたければ、その町のそば屋に入るべし。
なんてどこかで聞いたことあるようなセリフをでたらめに口ずさみながら、「福そば」の暖簾をくぐる。
「特製おろしそば」と「里いもの煮っころがし」を注文してお腹を鳴らしていると、ひっきりなしに客が来る。
大野の里いもは普通の里いもとは違うという情報を事前につかんでいた私は、先に運ばれてきた煮っころがしに、胸躍らせながらエイヤッと箸を突き立てた。
——モグモグ。こ、この歯ごたえ……!
こんなにもっちりとした里いもは食べたことがない。 なんともいえない粘りがあって、味がしっかり染み込んでいて、のど越しもなめらかで。
里いもと共に、私はとろけていく。
そうこうしているうちに、そばが運ばれてきた。 周りを見ると、削りたてのかつおぶしがこんもり乗った蕎麦の上に、大根おろしが入ったつゆをぶっかけて食べるのが大野スタイルのようだ。
——ズルル。美味い!
大根の辛味がピリリと舌を刺激して、かつおぶしの風味と手打ちそばのコシが絶妙なハーモニーを奏でる。
ああ、田舎のおっかさんにも食べさせてあげたい。
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