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武家屋敷が立ち並ぶ城下町に溶け込む私。
このあと恐ろしい事件が待ち受けていようとは
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武家屋敷
今から約170年前の天保年間に建てられた、折井家の屋敷を公開している。折井氏は160石馬回り(うままわり)役を勤めていた。
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石火矢町を歩く。
漆喰の壁が美しい武家屋敷が立ち並ぶ通りは、武家屋敷町とも呼ばれる。
驚くほど静かで、自然と背筋が伸びる雰囲気が漂っている。
私は、この一角にある武家屋敷館を攻めることにした。
さすが武家屋敷といった感じの立派な門をくぐり、中庭を通って部屋に足を踏み入れたそのときだった。
ギ、ギギギギギィー。
「ぎゃー!」
部屋の端っこにいた落ち武者が、私におじぎをしたんです。怖ひ!
恐る恐る近づいてみると……な〜んだ、人形ではないか。
どうやら、入り口にセンサーが設置されており、人が通ると反応して人形がおじぎをする仕掛けになっているらしい。
顔色が悪いおじぎ爺の顔は、人生の悲哀を表しているようで、妙に味がある。
隣の部屋を覗いてみると、やけにバタ臭い顔の核家族がくつろいでいたので、仲間に入れてもらった。
書院造りの母屋や、庭石や踏み石が当時のまま残されている中庭から、城下町に生きる武士の暮らしを垣間見て、私は武家の娘(箱入り)気分を満喫したのであった。
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