しかしまた、空間の領域がひとまとまりに感じられるためには、それぞれの縦横のプロポーションも重要だ。そういう観点からするといくら広くても正方形に近いプロポーションのLDは領域として二つに分かれにくい。正方形は二つに分けると、どちらも使いにくい細長い形になるからだ。したがって、「一つの部屋だが二つの領域を持つ」ためには、LDは細長いほうがいい。例えば、『ジョンとメリー』(John
and Mary 1969)ピーター・イェーツ)の主人公。ジョン(ダスティン・ホフマン)の住まいのLDは単純な細長い形の部屋がソファの背によってLとDの二つの領域に明快に分けられている典型的な例である。この考えを発展させると、LDは二つの領域がL字型につながったり、二つの四角が部分的に重なった形で部分を確定していれば、一層望ましいことがお分かりだろう。図面を参照されればお分かりだろうが、細長かったり、L字型につながったり、二つの四角が重なったりする形の部屋は、同じ面積なら対角線が正方形に近い部屋よりはるかに長くなり、そこの視線の射程の大きさが部屋を広く感じさせるメリットもある。