◆日本で味わう母国の酒と食 母国で楽しむ日本の食と酒 ◆
vol.2 中国ではお酒は必ず料理と一緒に楽しむものです

■L.H 27歳。 通信会社勤務。
北京の大学を卒業し、 慶応大学大学院に留学。在日5年。


 日本で食べる中国料理は、日本人の口に合わせているという印象が強いですね。それは横浜の中華街に行ってもいえることで、全体に甘味が強い。普通辛い料理には砂糖は入れないものですが、日本の中国料理は本来辛いはずの料理にも砂糖を使ってしまう。だから中国人にはとても甘辛く感じられるんです。特にそれが顕著なのは麻婆豆腐。私の出身地、山東省大連の郷土料理はあまり辛くありませんが、大学が北京だったので、辛い料理のうまさはそこで覚えました。それに日本ではどの店に入ってもメニューが変わり映えしませんね。中国ではお店によって違うんです。大きな都市なら広東料理の店、四川料理の店といったふうに地方別に分かれているのが普通ですし。

 日本で中華料理店に入ると、たいてい紹興酒を飲みますね。必ず砂糖が一緒に出てきますが、中国では砂糖を入れることはまずありません。紹興酒は日本でいちばん有名な中国酒ですが、実は本国では上海や南京の揚子江周辺だけでしか飲まれていないんですよ。日本に伝わった歴史が古いから有名なんでしょうか。中国では紹興酒よりも白酒。コウリャンや米、小麦、豆、トウモロコシといった穀類からつくられる蒸留酒で、正月や国慶節、結婚式などの特別なときに飲みます。とにかく香りがいいのが特徴で、飲んで味わって、残り香が口の中で2〜3分は長持ちしますね。アルコール度数は50度とか60度以上。60度以下だとそうでもありませんが、火をつけると燃えますよ。それくらい強い酒ですが、飲んでも二日酔いしません。中国全土でつくられていますが、なかでも茅台酒や五粮液などの高級品は南部に工場が集中しています。北部には唐代の詩にも登場するくらい古いものもあるんですよ。

 中国人がふだん飲むのはビールですね。国際的には青島が有名ですが、実は国内市場にはあまり力を入れていません。むしろ地ビールのほうがよく飲まれています。キリンやアサヒ、バドワイザーも人気です。中国では酒を飲むときは料理を食べるとき。”お酒だけ”という習慣がありません。どんな酒にも合うのが中国料理だと思います。

 私が子供の頃、町に「清水割烹」という日本料理店が1軒だけあったんです。今でこそ日本料理店はあちこちで見られますが、当時はとても珍しい存在でした。超高級店だったので、実はその店には一度も入ったことがありません。安い食べ放題の店ではお寿司なんかもありましたけれど、来日するまで日本料理の味はまったく知らないも同然でしたね。だから日本料理に対して特別に印象はなかった。”高い”ってイメージだけですね(笑)。

 今では日本料理は大好きですよ。いちばんの好物は天ぷら。日本料理を食べるときは最初はビールを飲みますが、私はビール党ではないので1杯だけ飲んだら、あとは日本酒を飲みます。冬はやっぱり熱燗、ですね。


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