京都は昔からお客さまに喜んでいただくために、家の前まで来てくれる行商が盛んでした。「おいしいものを、一人でもたくさんの人に食べてもらいたい!」という気持ちのあらわれ。久保田さんもその日の、できたてのお豆腐を食べてもらうために、毎日お昼11時30分〜12時30分頃まで、四条から五条の通
りを西へ東へ北へ南へと“リヤカースタイル”で販売されています。常連のお客様などで短い時間で売り切れてしまいます。
季節に応じた豆腐を楽しむ京都の人達は、葵祭りを境に、吉野葛でできた口当たりのよい冷やっこ豆腐を食べます。京都の夏は蒸し暑く過ごしにくく、お豆腐は食欲がない時にぴったり。昔の人の工夫は豆腐と食材のなかにも。季節や天気などの変化に応じて作り手が工夫する、そんな匠のいる町京都はすごい。
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