◆明治〜平成 酒と食 グローバル化の歩み vol.3◆
 本格的なグローバル化に向けて

女性が変える 「酒と食」 の関係
 日常化・多様化に続いて、酒の飲みように決定的に影響を与えたのは、女性の飲酒参加 である。明治期〜高度成長期まで、酒を大っぴらに飲めるのは男性と一部の女性にかぎられていた。近代化の過程で女性の飲酒はタブー視されるようになり、大正期の都市サラリーマンの飲酒、軍隊の飲酒、そして高度成長期の”企業戦士“の飲酒に象徴されるように、これまでの飲酒は、あくまで男性のためのものだった。

 ところが、昭和50年代後半から本格的に女性の社会進出が進み、飲酒は女性層にも徐々に浸透するようになる。それを後押ししたのは居酒屋・カフェバーブームであった。従来の居酒屋のイメージを一新した明るく清潔な空間でチューハイを飲み、洗練された空間でカクテルグラスを傾けることにより、女性の飲酒のタブー感は薄らいでいった。

 平成期に入ると、女性が男性よりも一歩進んだ飲酒スタイルで時代をリードすることになる。彼女たちは、高度成長期までの男性の心の憂さを晴らすため・酔いたいために飲むスタイルでなく、酒そのものや酔いの過程を楽しむスタイルを好んだ。そして彼女たちは、「酒を飲むために肴がある」という従来の酒と食の関係を、「食事を楽しむために酒を楽しむ」ものへと変化させていった。さらに最近ではワインブームが契機となって、酒と食、そしてその周辺の食卓演出をも含めた「トータルな酒と食の楽しみ方」への関心がとみに高まってきている。

 日本人にとっての酒と食は、長い間それぞれ別々の道すじで発展してきた。しかし、ここ20年ほどでようやく酒と食はひとつのくくりで語られるようになった。その意味で、「酒と食」というコンビネーションにおける本格的なグローバル化が進むのは、まさにこれからだといえよう。



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