哲学の道の終点・若王子橋のすぐ近くに佇む神社。後白河法王が永暦元年(1160)に熊野権現を勧請したのが始まりで、熊野神社・新熊野(いまくまの)神社とともに京都三熊野のひとつに数えられる。今では、道中安全祈願や進学、縁結びの神様として若い人にも人気を呼んでいる。またサッカー日本代表のユニフォームでおなじみの八咫烏(やたがらす)が梛の葉を加えているマークはこの神社のシンボルだ。辺りは、室町時代に足利尊氏・義政が花を愛でる宴を開いたといわれる桜の名所。また秋には一面鮮やかな朱に染まる紅葉の名所でもある。


市バス「永観堂前」から徒歩約5分または、市バス「東天王町」から徒歩約5分



梛(ナギ)は暖かい地方に自生する高さ15mほどの木。一般には床柱や家具に用いられ、樹皮はなめし皮の染料として使われる。熊野若王子神社のご神木の梛の木は、樹齢400余年ともいわれ京都府で最も古いもので、古来より参拝の折には心を清めてからお参りしたいとの思いから禊(みそぎ)の木として用いられた。周辺が彩られる秋はもちろんのこと、初夏にも清々しい趣きのある木である。

銀閣寺橋から若王子橋まで、疏水べりに約2キロ続く散策道が哲学の道。京都大学の教授で哲学者として知られる西田幾太郎が思索にふけり、また学生たちと議論を交わしながら歩いたことからこの名がある。途中に彼の詠んだ「人は人 吾は吾なり」の碑が建っている。道沿いには土産店やお洒落なカフェなどが建ち並び、近くに安楽寺、法然院などの紅葉の名所もあるので、ゆっくり散策してみては。

 
 
 
哲学の道散策の締めくくりに立ち寄りたいのが熊野若王子神社近くの『叶匠寿庵』。疏水に架かる小さな橋を渡ったところに風雅な建物が建つ。滋賀県は寿長生(すない)の郷で採れた果物などを使った自然派の、見栄えも美しい和菓子がこの店の魅力。店内では、立礼席で抹茶と季節の和菓子(1,000円)が味わえる。初めての人は、聞けば簡単な作法も教えてもらえる。茶室小間で味わうお膳式のお弁当コース1,800円もおすすめ。
●所在地 京都市左京区若王子2-1
●電話 075-751-1077
●営業時間
9:00〜18:00(お弁当11:30〜14:00)
●定休日 水曜日(不定休)
DigiStyle Kyoto
Kyoto's Omamori Omikuji
企画・制作/大平印刷株式会社©2001-2003 TAIHEI Printing Co.,Ltd. All rights reserved.
当サイトのコンテンツの全部または一部の無断転載を禁じます。記事に関するご意見・ご感想は こちら までお寄せください。