この地には、古くから疫病を鎮めるために疫神・スサノオノミコトを祀った社があったといわれる。平安遷都以後、京の都に疫病が大流行し、これを鎮めるために度々御霊会(ごりょうえ)が行われた。一条天皇の正暦5年(994)に行われた紫野御霊会もそのひとつで、この地に祀られていた疫神を二基の御輿で船岡山に運んで安置し、疫病退散を祈っている。これが今宮祭の起源となった。その後、長保3年(1001)にこの地に神殿が造営されたのが今宮神社で、朝廷や幕府の崇敬も厚く栄えた。後に兵火で荒廃した時代もあったが、徳川五代将軍綱吉の生母・桂昌院が社殿の造り替えや寄進、途絶えていたやすらい祭の復興などに尽力。神社は再び活況を取り戻した。今も西陣の氏神として厚く信仰されている。
 


市バス「船岡山」下車徒歩5分


4月第2日曜日に行われるやすらい祭は、今宮神社の摂社・疫神社の祭礼。羯子役の少年二人、赤・黒の長髪の大鬼、花傘などの行列が、笛や鉦・太鼓に合わせて「やすらい花や」と唱えながら踊り回るちょっと不思議なお祭りだ。風流傘・傘鉾とも呼ばれる約2mの花傘は、桜や椿、山吹、柳などを飾った緋の傘。この中に入ると厄を逃れるというので、人々は競って中に入るのが慣わしだ。春の花の飛散する頃に、疫神も飛び交って疫病が広がるため、それを鎮める鎮花祭と御霊会が一緒になったお祭りがこの「やすらい祭」だという。※写真は本殿とやすらい祭りにちなんで健康祈願などのご焼納がいつでも受けられる「やすらい人形(ひとがた)」

●神占石
一棟八社殿の向かい、神占舎にある平たく小さい石が神占石。別名「阿呆賢さん」(あほかしさん)と呼ばれ、石をたたいたり突いたりすると重くて持ち上がらず、なでたり拝んだりすると楽々持ち上がる不思議な石だ。重軽石とも呼ばれ、三回持ち上げ、三度なでてからもう一度持ち上げて願い事をすると、叶えてくれるそうなので試してみて。
 
今宮神社の門前の名物といえばあぶり餅。東門前に昔ながらの構えの2軒が向かい合って建つ。店先で、親指大にちぎったつきたての餅を竹串の先に刺し、炭火であぶって白味噌と砂糖のタレをつける。香ばしい匂いが辺りに立ち篭め、誰もがついつい寄り込んでしまう。その一軒が、平安時代から続く老舗『一和』。初代の一文字和助が今宮神社の神殿に供えたのがあぶり餅の始まりという。それがいつしか神社の参拝のあとは必ずあぶり餅を食べて厄除けを願う慣しとなったようだ。一人前500円は15串あるが、アッという間にペロリ。一度味わったらやみつきになるおいしさだ。
●所在地 京都市北区紫野今宮町69
●電話 075-492-6852
●営業時間
10:00〜17:00
●定休日 水曜休(1日、15日の場合は翌日休
 
今宮神社から東へ100mのところにある漬物の店が『五百盤』。隣接する喫茶では漬物を使った料理が味わえる。人気の漬物雑炊はしば漬やはりはり漬などが中に入ったあっさり味の雑炊1000円。これにユズ大根やべったら漬など5、6種類の漬物の盛り合わせが付いた、いかにも京都らしいメニューだ。ほかに、漬物盛り合わせが付く番茶がゆ800円や漬物ピラフ700円などもここならでは。30種類はある漬物の単品200円〜を選ぶのも楽しそうだ。
●所在地 京都市北区紫野大徳寺町41
●電話 075-493-1283
●営業時間
11:00〜20:00
●定休日 火曜(祝日の場合は〜17:00まで営業)
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