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日本の風土に培われ、伝承されてきた日本の伝統文化。粋伝庵ではさまざまな和のお稽古が「はじめての...」シリーズとして用意されているので、本格的にはじめる前に、気軽に試してみることができます。
「はじめての...」シリーズには、いけばなや陶芸、民謡や尺八などの講座がありますが、その中でも今回体験した茶の湯は人気の講座です。
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お茶をはじめたくても、ためらっていらっしゃる方がよく挙げられる理由を、先生は笑って三つあげてくださいました。
「正座がいたい、お茶がにがい、先生がいけず」。
けれども粋伝庵のお稽古では、そんなことは心配ご無用です。こちらで体験できる茶の湯は、免状をとったり作法を一から覚えたりという、そんな型どおりのものではありません。ひととき、日常のせわしさから離れ、自分の五感をゆっくりストレッチしてあげるところからはじまります。おもてなしの心は、相手の心を思いやること。まずはゆったりした気持ちを育てることが、ここでの茶の湯の第一歩です。
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- お稽古開始...の、はずですが。
- お茶室に入ると、ふわり、焚きしめたお香の香りが鼻に滑り込んできました。頭がすっと軽くなるような匂いで、お茶の世界に瞬間移動したみたい。お釜のお湯も沸いていて、こちらも心地よい音を立てています。床の間に目を移せば、「花」の文字。
「お茶碗が前に来たときだけ"おっちん"(正座)してもろて...」と、先生は無理に正座を要求しません。まずは第一ハードルクリア、といったところです。
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- お茶や京都の伝統文化について、お話をうかがう
- 「来はったお客さんがイメージおこしやすいもんをご用意して、イマジネーションの中で遊んでもらう、というのが日本の美ですね。目の前にあるものとちごて、その向こう側をみてもらう...。その思考の方法は日本独特やと思います」
初対面とは思えないほど先生とのお話が弾み、気付いたら、はんなりやさしい先生の京ことばと、先生の話術にはまりこんでしまっていました。
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- しらずしらずのうちに、感性が磨かれていくみたい!
- 「なんでも知らんかったらすっと通りすぎても、知ってると"いや、もう○○の花が咲いてる、春やなぁ"と、電車に乗ってても歩いてても、感動できたりっていうのがあるでしょ? そんなのが、いろいろ、ねぇ」。先生とのおしゃべりは、五節句のこと、陰陽五行のこと、さらには日本人の美的感覚に至るまで多岐にわたります。そういえば、お茶室に入ったときより、お庭の緑が鮮やかに見えるような気も? お話をうかがいながら、時には先生も含めて、どっと場が沸くことも。なんとも和やかな雰囲気です!
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- お茶菓子のいただき方を教えていただきます
- 先生とおしゃべりして、おいしいお茶とお菓子をいただいて帰る...。もちろんそんなお稽古も大歓迎と、先生。ですが今日は、少しお茶のことも教えていただきます。まずは「お菓子のいただき方」。ここで先生からクイズ。
「器の中のお菓子、どこから取る?」
うなる一同。そのココロは...。
「(自分の分を)取ったあとの景色をイメージするんです。取ったあとの景色がなるべく綺麗やなぁと思うところを、謙遜の気持ちでとるんです」
"おもてなしは思いやり"と、先生が言われていたのが納得できます。
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- イタタ、ちょっとタイム!
- あぐらでもよいと先生にいわれましたが、折角なので正座でトライしていました。
結構がんばりましたが、案の定、しばらくすると足がじわじわ......。うーん、これはだいぶんキテいるかも。女性ならズボンよりゆったりしたスカートの方がシビレは切れにくいのでおすすめです。Gパンは畳を擦るからという理由もありますが、足を締め付けてシビレが切れやすくなるので、お稽古にはおすすめできません。先生曰く「(Gパンは)地獄え」ですって。いっそ、先生みたいに和服でチャレンジするのがよいかもしれません。
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- 茶の湯のお稽古の大事なことを教わる
- 「お茶は何十年やってはっても、絶対完全はあれへんのです。けど完全をめざしてお稽古しはって、そこに生じる不完全も受け入れるっていうのが、日本人の美意識で...」
先生のお話は、まるで禅問答。ですがお話しされつつも、止まることなく流れるようなお点前に、私たちはつい見入ってしまいました。
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- 日本のお茶のスタイル
- 自然のめぐみをちょっとお茶室に拝借してきて、それに感謝して、時間を忘れてお茶を楽しむ...。それがお茶の本家本元、中国にはない、日本人の感性がつくりあげた日本の茶の湯の世界なのだとか。
わずか2時間ほどでしたが、茶の湯という体験を介して、きょうはとても豊かな気持ちになることができました。
「日本人に生まれてよかった...」そう思える貴重な体験でした。日本文化の深みとおもてなしの温もりが、先生のお抹茶を通じてそっと体に伝わってきます。一番のおすすめは先生とのお話!リピーターの多さにも納得です。< ニッキ >
先生のはんなりした京ことばと、お話の巧に引き込まれて、初対面と感じないほどでした。お稽古終了後は頭のなかがとてもスッキリすがすがしい感じ。こんどはお茶の点て方も教わってみたいな。< さとみ >
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- 体験内容詳細
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- 料金
公開講座「はじめての...」シリーズ 各3回10,000円(有効期限1年) - はじめての茶の湯
- はじめての陶芸
- はじめての民謡
- はじめてのいけばな
- はじめての尺八
- 体験所要時間
約90~180分 - 予約
必要(3日以上前に)
- お申し込み方法・お問い合わせ
- お問合せは電話かメールにて。
075-431-5400 web-master@wabisabi.jp
| 10:00~16:00(金曜日は10:00~19:00) |
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| 毎週月曜日、毎月第1・3週火曜日、毎月29~31日 |
| バス 地下鉄 タクシー・車 |
| あり |
| 〒602-8488 京都市上京区西陣真倉町730 |
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