組紐(くみひも)は奈良時代ごろ日本に伝わり、貴族の装束や調度に取り入れられることで花開いた日本の伝統工芸です。織物とは違って横糸がなく、斜め交差で組むため弾力性があり、帯締めをはじめ「結び」を生かす用途に重宝されてきました。組み方だけでも約40種類あり、絹糸の配色や濃淡、柄などを含めるとその組み合わせは無限大です。
体験では、誰でも簡単にできる組み方で作品づくりを楽しむことができます。「もともとは帯締めの製造販売業がメインだったんです」と館主の安達さん。時代が進み帯締めを扱う人のなかにも工程を知らない人が増え、研修の場を提供したのをきっかけに『安達くみひも館』が設立されました。
3階の資料館にはさまざまな組紐作品が。体験できるものとは別に、販売している小物もあるので親しい人へのお土産にも喜ばれそう。
組紐は本来、衣装や武具など日常のあらゆるものに用いられることで育まれてきた伝統工芸です。「組紐の技術はスニーカーやブラインドのひもなど、実は身近なところに使われています。まずは知ることで、組紐に親しんでもらいたいですね」と安達さん。「今後はメガネホルダーやアンクレットなど体験内容も増やしていく予定です。今すぐというわけにはいきませんが、将来的にはネット販売もしていきたいですね」。
悠久の昔から日本人の生活のなかに息づいてきた組紐は、日々を豊かに彩るアイテムとして活用できるものです。まずは自らの手で一目ずつ組むことで、絹糸の織り成す美しさ、奥深さを体感してみませんか。
糸玉を組むことでできる組紐。その糸玉に巻かれた一束の糸は、細い絹糸を90本より合わせてできたものです。糸玉がぶつかる音が、カチカチと静かに響きます。
体験は80名まで受け入れ可能。修学旅行や社員研修など、団体での利用も多い。
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