中村 達
(ホスト役:坂本 良隆)
(その3)魅力あるコンテンツを生むには
中村: 今、NECのインターネットの情報サイト「BIGLOBE」の自然系コンテンツを監修していますが、iモードのコンテンツをどうするかという話題がでます。例えば藤原紀香がやってみたいと思うようなコンテンツでなければiモードでは売れないという。彼女がやってみたいと思うコンテンツしか売れないそうです。そうなると選択肢がせばまるので難しい。それに合う提案を持っていくのですが、なかなかマッチしないといいます。日本のコンテンツビジネスは難しい。つまりハード部分ばかりに力をいれていた会社がここ数年、コンテンツビジネスに参入しようとしてもそんなセンスのある人が非常に少ないと思うんです。
坂本: そうですね。耳がいたいですね。
中村: おじさんに限らず、若い人もオッサンなんですね。果たして本当にこれから求められているコンテンツを発信できるのかいつも疑問に思います。
坂本: そう、サラリーマンやってますから、見てる世界は、自分の世界しか知らない。我々の会社も情報システム部から分社化した会社なので、システム専門のメンバーばかりですが、発信するコンテンツでも勝負したいですね。ですから中村さんとお話できる機会をもてるということは非常にありがたいです。
中村: 僕が思うには、宝酒造さんにはベースになるものがあると思いますね。例えば、お酒を飲むスタイルとか・・・人間が最もリラックスできるシーンのビジネスをされているわけですよね。そういうライフスタイルの上にあって新しい情報を発信できるんですからある意味楽ではないでしょうか。車屋がコンテンツを発信するにおいて車を一生懸命売るわけですよね。何百万の車と何百円のお酒を比べるとひとつあたりのリスクは少ないですね。ですからWebマーケティングの手法が全然違うと思います。
坂本: でも酒というカテゴリーにはまってしまうとマーケティングも売り方も限られてくるのも悩みで。
宝酒造は、今まで社内でそのようなノウハウが貯まらなかったのですが、酒生活文化研究所という機関ができてから、酒を研究テーマに文献・コンテンツを発信しています。大学の先生や著名人で、その研究をしている方がたくさんいらっしゃって、文学研究というカテゴリーは奥が深く研究テーマはつきませんね。
中村: 数年前に、インターネットで「SOHO」という話題が脚光をあびました。環境面、通勤時間などの時間効率からいっても方法として良いと。宝酒造さんにしても、スタッフ部門は家で仕事をしてもいいでしょう。交通費もいらんし、回線も太くしておけば作業自体遜色なくできる、その分自由時間が増える。しかし、以前からサラリーマンで会社で仕事をしてきたことを「SOHO」でするのは、メンタリティのケアを考える必要があります。
坂本: それはありますね。仕組みはできる、回線は太くなって可能性もある。日本人の足りないところはそのメンタリティです。やっぱり一緒の席にいないのはつらいという部分があります。仕事の能力の評価が変らない限りは難しい。それからみんなが同じように出世しようと思っているのはおかしい。人生の楽しみ方をきっちり理解しておかないとできないことですね。
中村: 一人でしていると、お茶もコピーも自分でやるわけですよね。組織の中のSOHOであれば、営業活動はしなくていいわけです。仕事が下りてくるわけですら。しかしそうではないSOHOは、全部自分でやらなければならない。自分でプレゼンテーションしながら自分でポテンシャルを高めながら、そして維持するというしんどさが結構あります。
坂本: 魅力あるコンテンツを生み出したり、SOHOで仕事をするにも個人の経験とメンタリティが非常に大切になってきますね。

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