こんにちは。あんこ好きライター、かがたにです。
4回目にしてふと思ったのですが、京都って「名所の傍に名あんこ在り」じゃないですか?
どうにも、あんこを訪ね歩けば名所に行き着く気がしてなりません。
これは何か因果関係があるのでしょうか。
今後も注目して行きたいと思います。
今回ご紹介するのは、桂離宮畔「御菓子司 中村軒」さんの「柏餅(税込230円)」。
粒あん・こしあん・白味噌あんとありますが、私が1番好きなのは白味噌あん!
中村軒さんといえば、「麦代餅(むぎてもち)」や、4月下旬から夏にかけてのかき氷が人気ですよね。
おくどさん(京ことばで「かまど」のこと)であんこを炊いていることでも有名です。
私も十数年前に雑誌の取材で、実際に炊いているところを見せていただいたことがありますが、薪がくべられた大きなかまどの現役感を今でも覚えています。
お店は阪急の桂駅から京都駅行きのバスで3つ目、「桂離宮前」で降りたすぐ目の前です。
喫茶は午前9時半からの営業ですが、持ち帰りであれば午前7時半から営業されているので、桂川の河川敷で「朝あんこ」をするのも良いかもしれません(朝カレーみたいに言わない!)。
私は朝が早いのは苦手なので、おとなしく喫茶のオープンを待ちます。
入ってすぐの毛氈が敷かれた椅子で食べるのも気軽でいいのですが、奥には美しい坪庭がありますし、お座敷には3月はお雛様の段飾り、4月下旬から5月上旬は大将人形の段飾りが目を楽しませてくれます。
白味噌あんが1番好きと言いながら、こしあんも頼んでいますが、気にしないでください。
私は2つのあんこを同時に愛せる女なのです。
手前のピンク色に見えるのが、白味噌あん。奥の白いのがこしあんです。
ちなみに粒あんは淡い緑色の生地になります。
ピンクはきび殼、緑は抹茶(味はしません)の自然素材で着色しています。
生地の部分は上新粉を使った、いわゆる「しんこ餅」と呼ばれるもの。
モッ・・・チモチの食感です。
よく噛んで食べないと!って感じなのですが、噛めば噛むほどお餅の甘みが感じられるようになります。
ご主人曰く、
「生地に砂糖を使わないのは、あんこの味を引き立たせるためというより、 しんこ餅の生地本来の味を楽しんでいただくため」
とのこと。
白あんは量に応じて、おくどさんで炊いたり、ガスで炊いたりしてはるそうです。
確かに、粒あんやこしあんに比べると白あんの商品って少ないですもんね。
「あと、白あんには味噌や抹茶などの混ぜものをすることが多いので、最後までおくどさんで炊き上げるのは難しいんです」
中村軒さんでは基本となる白あんに岡山県産の備中白小豆と北海道産の大福豆(と書いてオオフクマメと読む)を半々で使用。
柏餅の白味噌あんは、この自家製白あんに白味噌を多めの割合で加えています。
味噌は甘さと塩分が控えめな、宮川町の山利商店さんの特製白味噌を使っているそう。
(山利商店さんといえば、三千家や京都の名だたる料亭御用達の名店です!)
そこで終わらず、もうひと味アクセントが効いているの素晴らしいところ。
一口食べればわかりますが、実は、あんをよーく見ただけでもわかります。
例のごとく、食べかけの断面はとてもお見せできないので、帰宅してから我が家で一番切れ味の鋭い有次の包丁の出番です。
わかります?
あんの中に小さな粒が見えませんか?
そう!
山椒が入っているんです。
程よい山椒の風味が白味噌のまろやかな甘さをいい感じに締めてくれて、爽やかで飽きのこないおいしさのあんだと思います。
麦代餅などに比べると柏餅は百貨店にはあまりお目見えしないので、私にとっては、本店まで足を運ぶ理由の1つとなっている季節のお菓子です。
2017年は5月16日(火)までの取り扱いを予定しているそうです。
ちなみに水曜は通常ですとお休みですが、5月3日(水)は営業されます。
11日が代休となり、10・11日は連休となりますのでご注意ください。
端午の節句である5日は予約しておいた方が安心です。
店舗・施設名 | 御菓子司 中村軒 |
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住所 | 京都市西京区桂浅原町61 |
電話番号 | 075-381-2650 |
営業時間 | 7:30〜18:00(喫茶は9:30〜17:45L.O.) |
交通 | ◆JR京都駅から 市バス33番か京阪京都交通バスで約25分。「桂離宮前」下車すぐ。 ◆阪急桂駅から 東口から、徒歩15分程度。バスは京都駅行きに乗り3つ目「桂離宮前」下車すぐ。 |
ホームページ | http://www.nakamuraken.co.jp/ |
Writerかがたにのりこ
Writerかがたにのりこ
あんこをこよなく愛し、月に2回は自宅で餡炊きをするフリーライター。 元・漉し餡党、現在はあんこ博愛主義者。