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ライターの森山です。
「目で楽しむ逸品~京都×焼き印グルメ探訪」第2回目は、京都人なら誰もが知る!新京極名物の『ロンドン焼き』をご紹介します。
四条通から新京極商店街に入ってすぐの場所に『ロンドンヤ』はあります。戦後まもなくに創業したロンドンヤは、約70年にわたり、新京極商店街で名物「ロンドン焼き」を販売し続けています。京都に住んでいる方であれば、一度は食べたことがある、馴染みのお菓子です。
レトロなオレンジ色の看板が目印
ロンドンヤと言えば、店頭でカチン♪コチン♪と楽しげな音を鳴らしながら動く特注機械が有名ですよね。どんどん名物の「ロンドン焼き」が出来上がっていく様子は見ていて飽きません。取材中も道ゆく人が、せっせと働く機械の様子をガラス越しに覗き込んでいました。
ロンドン焼きは1個からでも購入可能。贈答用の箱入りは10個入りから販売されています。オリジナルグッズの「ひよこ万能手拭い」に包めば、可愛いらしさアップでおすすめです。
ロンドン焼き 1個70円(税込)
今回取材を受けていただいた『ロンドンヤ』4代目の数本さんに、ロンドンヤの秘密を伺うことができました。これを知っていれば、あなたもツウになれるかも。
お話をうかがった『ロンドンヤ』4代目 数本さん
「京都にあるのにロンドン…?」と不思議に思いませんか。実は“ロンドンヤ”の由来は諸説あるそうで、
・1つ目は、創業当時はロンドンオリンピック(おそらく1944年か1948年実施大会)があり、カタカナが流行していたため「ロンドン」の名前がついた説
・2つ目は、特注機械からどんどんお菓子が出来上がる様子から「ロンドン」の名前がついた説
があるそうですよ。
次々に焼きあがる「ロンドン焼き」
特注機械からどんどん出来上がる「ロンドン焼き」。全部機械が作っているんでしょ、と思っていたら大間違い!
型からはみ出した生地(バリと呼ぶそう)を手で取り除いたり、生地が注入口で詰まらないように調整したり、焼きムラにならないよう型の真ん中に生地が流れ出る調整をしたりと、細かな確認が必要なんだとか。職人さんの手が入らないと、なんと、1日に3〜40回も不具合を起こしてしまうほど特注機械は繊細なんだそうです。まさに職人さんと特注機械の二人三脚で、ロンドン焼きが作られているんですね。
一つ一つ焼き印が押される
ロンドン焼きには幻の「餡なしロンドン焼き」があるのはご存知でしょうか。
この「餡なし」は販売品ではなく、あくまで10個以上購入したお客さんにプレゼントされる「おまけ」。なかには「餡なし」が好きという方もいるんだとか。ただ、「餡なし」は常にあるわけではなく、当日の生産数によって作られるかどうかが決まるそうです。
ゲットできるかは運次第。もらえたらラッキーな幻の「餡なしロンドン焼き」を手に入れるために、通い詰めるのもアリですね。
真ん中に押された「ロンドンヤ」のロゴが、レトロで懐かしい雰囲気。このロゴのフォントはあまり使われていない珍しいものなんだそう。先代が知り合いのデザイナーに頼んで、このお馴染みのロゴが誕生しました。
手のひらサイズで可愛らしい『ロンドン焼き』。中は白餡がたっぷり詰まっています。小ぶりなサイズで、甘さも控えめなので、ついパクパクと食べてしまう味。我が家の5歳の子どもも、手が止まりませんでした(笑)
子どもから大人まで、どんな方にも愛される優しい味わいです。
ベーシックな白餡入りの他に、毎月第1木曜限定で「抹茶味」も販売されています。月に一度の販売日には行列ができて、午後1時には完売してしまうんだそう。
白餡味と抹茶味とを食べ比べするのも良いですね。
ロンドンヤでは、自分好みの焼き印をオーダーして「オリジナルロンドン焼き(※)」を作ることも可能なんです。
入れたい図版をデザインし、お店に電話かメールで依頼すればOK。企業の広報活動やイベントでの配布、結婚式の引き出物などで使われているんだそうです。
実は、このオリジナル焼き印が始まったのは、4代目の数本さんが、自身の結婚式の引き出物にご夫婦の名前を描いた「オリジナルロンドン焼き」を配ったことがきっかけなんだとか。
おめでたいことから始まった「オリジナルロンドン焼き」。なんだか縁起が良さそうですね。
(※)オリジナル焼き印の依頼は1000個〜。詳しくはお店までお尋ねください。
引き出物で配ったオリジナルのロンドン焼き
新京極の地にて70年以上も愛され続ける「ロンドン焼き」。
大人から子どもまで親しみやすい味。
お土産や贈り物にぴったりな逸品です。
店舗・施設名 | ロンドンヤ |
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住所 | 京都市中京区新京極通四条上ル中之町565 |
電話番号 | 075-221-3248 |
営業時間 | 平日:9時30分~20時30分、土・日・祝日:9時30分~20時30分 |
交通 | 阪急河原町駅9番出口すぐ |
ホームページ | https://londonya-kyoto.com/ |
Writer森山 あゆみ
Writer森山 あゆみ
常に新たなグルメを探し歩く日々。周囲から「おすすめのお店や食べ物を教えて!」とよく相談されるほど、食べることが大好きです。最近はカレー屋さんを開拓中。
「言葉で心に灯りをともす」をモットーに、温かなつながりを感じられるような文章づくりを目指しています。
WEB:https://cotomosu.com/