和菓子屋『亀末廣』の代表銘菓「京のよすが」は、茶室の如く秋田杉の箱の中に季節感あふれる和菓子がぎっしりと並んでいる、まさに“夢のような一箱”です。
地下鉄「烏丸御池駅」から徒歩2分、車屋町通と姉小路通の交差点にあります。1804年(文化元年)創業当初からの外観を残した、老舗の風格が漂う建物が目印です。
重厚感ある扉を開けると、店内中央には年月を経て飴色に染まった木製のカウンターが据えられています。
献上先として、皇太子妃殿下、ローマ方法、タイ国王などの名前が、さりげなく並んでいることに驚き。
天井の梁、額縁、時計など調度品に惹かれ、いつまでも眺めていたくなりました。
平成28年5月には、京都市民が選ぶ、京都の財産として残したい「京都を彩る建物や庭園」にも選ばれています。
六代目が季節の移ろいを感じられるようにと考案した「京のよすが」は、「四畳半」の愛称で呼ばれています。
秋田杉の箱の中に、杉板で四畳半の茶室のように仕切って詰め合わせたさまざまな和菓子は、どれも美しい。
「四畳半」
求肥(ぎゅうひ)、すり琥珀、松露(しょうろ)をメインに、落雁、干菓子、飴細工、季節の物が使われていて、内容は年に約14回変わるそうです。
5.5寸の「四畳半/3,900円」、紙の箱に入った「片開き/2,600円」、「亀甲/1,300円」の3サイズあり、それぞれ2段になっています(一部を除く)。
写真左から「亀甲」、「片開き」
贈り物に「四畳半」、自分用に「片開き」や「亀甲」を購入する方が多いようです。ということで、私も片手サイズの「亀甲」を。
取材時の5月上旬は、青もみじがかわいい新緑がモチーフとなっていました。
詰め合わせ内容は、中央上から時計回りに
バラ…求肥
藤…求肥を餡子で作った緑色のそぼろで覆っています。
押物(おしもの)落雁
アヤメ…干菓子
若楓…州浜粉(きな粉のようなもの)に砂糖、水飴を混ぜて練ったもの
砂糖菓子
蝶…片栗
青もみじ…すり琥珀
三色だんご…松露
藤はお店で「そぼろ」と呼ばれる半生菓子で、食べると外側はポリポリ、中はもちっとやわらか。餡子ってこんなにポリポリした食感になるのですね。驚きました。
三色だんごで使用されている松露は、小豆のこし餡に水あめを加えて練り、丸めて表面にすり蜜をからめて固めたものです。表面のカリッとした食感が楽しめます。ピンク色が藤色になっていて、粋な計らい!
若楓はずっと食べていたい弾力のあるしっとり感です。
目も舌も喜ばせてくれました。
※数量には限りがあり、店頭に商品が無い場合もあります。
※賞味期限は「四畳半」が1週間、「片開き」と「亀甲」が5日です。
※全て税込み価格
店舗・施設名 | 亀末廣 |
---|---|
住所 | 京都市中京区姉小路通烏丸東入ル |
電話番号 | 075-221-5110 |
営業時間 | 9:00~17:00 定休日:水曜日、日曜日、祝日 |
交通 | 地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩2分 |
Writer小澤まみ
Writer小澤まみ
読み手よし、書き手よし、世間よしの「三方よし」のライターになりたいと日々精進中。文房具、コーヒー、お花、神社、サッカー好きの1児の母。
書いて縁を結ぶ「京都書縁」で、日々ブログを書いています。
WEB:https://kyotoshoen.com/