こんにちは。デジスタイル京都スタッフです。
今回は、京北に移住してきた方について、右京八景ライターズの野上ジョーさんの記事をご紹介します。
今となっては懐かしい暮らし方は、不便かもしれないけれど、それを楽しむことができれば新しい魅力が出てくるのでしょうね。
「ここに、この人」
今回は、京北に暮らす人のことを書きます。
雷花(らいか)ちゃんは、家族で京北にやってきて5年。
築150年の民家を手入れして、暮らしておられます。
キッチンは昔ながらのタイル張りを残して、おくどさんでご飯を炊いて、山の恵み、畑の恵み、田んぼの恵みを丁寧に調理して、保存する。
薪でお風呂を沸かす。
自分ち周辺だけではなく、ご高齢のご近所さんちの草刈りもやる。
夏は涼しく、冬は超寒い、私にとっては子どもの頃を思い出させる生活。
東京がふるさとの彼女にとって、火を使う生活、時間と手間をかける生活が、とてもかっこよく素敵なことだったそうなのです。
そんな彼女は、「雷来軒(らいらいけん)」のオーナーさん。
とても自由なスタイルで、「好きな人にうまいもん食わしたい」をモットーに、お仕事されています。
地元産のジビエや野菜を中心に、丁寧に素材と向き合って調理された品々は、「あぁうまい」一口ひとくち、きちんとかみしめて、身体にしみこませてあげたくなるおいしさです。
「おいしいから」「お料理が好きだから」「食べさせてあげたいから」そんな心意気がお料理からにじみ出ています。
素材や、調理方法のおいしさと、雷花ちゃんという人そのものが、ひとつになって「雷来軒」なのです。
私が小さい頃は、雷花ちゃんの今の暮らしにちょっと近い生活スタイルでした。
トイレやお風呂が外にある、家の中はなんとなく、ぬか床の匂いとか、魚を焼いた炭火の残り香とか、生活のにおいが漂っていて、天井からは、いろりのすすが落ちてくる感じ。嫌ではなかったけど、夜にトイレに行くのが怖すぎる毎日でした。
オール電化の生活や、システムキッチン、トイレが中にあって、冬も快適にあたたかい便利な生活にあこがれて育ちました。
「もっていないもの、みたことないものへのあこがれ」という共通点を持ちつつ、真逆の方向に向かって歩んできた私たちが、ひょっこり出会ったのは、雷花ちゃん一家が越してきて間なしのことでした。それから少しずつ少しずつ、ご縁が深まっていった気がします。
「私たちが手放してきたもの」にかっこよさや価値を感じて、普通にここで暮らしている雷花ちゃんとその家族の存在は、とても面白く、興味深い。ずっと見ていたい。
「地球にやさしく」「持続可能な」、そういう流れになっている今、もう楽しんじゃってるよー、と軽やかに日常生活を大事にしている彼女が、大好きです。
彼女と話していると、家も、自然も、ご近所さんも、農家さんも、漁師さんも、まるごと仲間なんだよ、と教えてもらっている気がして、「田舎ってこういうとこ」私が自然と身につけてきた固定観念がほどけていく、そんな気がするのです。
大切な人の紹介でした!
野上ジョー
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