約220年以上の歴史をもつ京菓子司『亀屋良長』のブランドの一つ『吉村和菓子店』は、身体に優しい素材にこだわり、栄養も考えられた京菓子を作っています。健康を気遣う方や子どもに安心して食べてもらえると人気の京菓子の中から、メレンゲのような食感の「焼き鳳瑞(ほうずい)」をご紹介します。
1803年に四条醒ヶ井で創業した京菓子司『亀屋良長』。初代店主が名水「醒ヶ井水」を求めて、この場所を選んだそうです。
こんこんと湧き出る「醒ヶ井水」を使って作られる代表銘菓「烏羽玉」などの京菓子は、小豆などの素材の香りが際立ち、洗練された味わいで昔から愛されています。
自由に汲んで持って帰ることができます
2016年にリニューアルした店舗は、ガラス張りの入口や窓から店内の様子がよくわかり、初めての方でも入りやすい雰囲気です。
白と木目調を基調とした店内は開放的で、ゆったりと買い物を楽しめます。
茶房もあるので、リラックスしたい時などに訪れるのもおすすめです。
『亀屋良長』のブランドの一つで、八代目が大病を患ったことがきっかけで生まれました。
八代目『亀屋良長』の女将・吉村由依子さんのブランドです
糖質制限の方、健康を気遣う方、子どもも安心して食べられるよう、甘味料はGI値が低めのココナッツシュガーやパラチノースなどを使用しています。また、ミネラルや食物繊維を豊富に含む、なるべく精製度の低い材料を選んでいるそうです。
店内奥の『吉村和菓子店』のコーナーでは、そうして作られたお菓子が並んでいます。
「烏羽玉」を低GI値のココナッツの花の蜜とココナッツミルクで作った「美甘玉(みかもだま)/810円」
その中から私が特に気になったのが、「焼き鳳瑞(あづき茶)/9入桐箱1,469円」です。
看板商品で、生地に小豆の煮汁を使用した通年販売の「あづき茶」と、卵白を使用した季節限定の「華やぎ」、「種まき」、「実り」、「待ち春」があります。
「あづき茶」は、ニューヨーク出身のスタッフの「ひよこ豆の煮汁が泡立つ」という話を参考に、小豆の煮汁を使用して生地を作っています。
同じ豆類ですが、小豆が泡立ったことにとても驚かれたそうです。ただ、小豆の質や温度によって異なり、煮汁を安定して泡立てるのは難しいとのこと。
泡立てた小豆の煮汁に、優しい甘さのココナッツシュガーを加えて乾燥焼きした生地は、サクッと軽く、まるで淡雪のように口の中でふわっと溶けます。
トッピングは抹茶、有機発芽玄米×雑穀、きな粉、いちご×カカオ豆、塩ポン菓子、柚子山椒、小豆、いちごの8種類。
1番印象的だったのが柚子山椒です。山椒の香りが口いっぱいに広がり、柚子のほろ苦さや酸味がたまらず、お酒にも合うなと思いました。
写真左からいちご、小豆、柚子山椒
抹茶は濃厚で、独特の苦みが特徴。2枚入っていて良かったと思うくらい、好きな味です。
上から左下に抹茶、塩ポン菓子、いちご×カカオ豆
小豆の煮汁には、ポリフェノールやカリウムなどのミネラル成分が含まれているので、毎日でも食べたい栄養も摂れるうれしいお菓子です。
どれも上品で甘さ控えめとなっていて、さらに罪悪感なく食べられるので、あっという間に食べてしまいました。
3、4月限定の「華やぎ」は、野菜のビーツで着色したピンクやトッピングの桜が春を思わせ、春が来た喜びを感じられます。
元気に育ちますように、と種まきをした畑がイメージの「種まき」は初夏限定で、玄米、
韃靼そばの実、木の実、南瓜の種、黒ごまが乗っていて、本当に種まきをしているよう。
季節ごとに生地やトッピングが変わるので、次の季節の楽しみも味わえます。
※全て税込み価格
店舗・施設名 | 亀屋良長(店内奥に『吉村和菓子店』が入っています) |
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住所 | 京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19 |
電話番号 | 075-221-2005 |
営業時間 | 9:30~18:00(茶房11:00~17:00) 定休日:年中無休(1月1日〜3日を除く) |
交通 | 市バス「四条堀川」下車すぐ、阪急「大宮駅」から徒歩5分 |
ホームページ | https://kameya-yoshinaga.com/ |
Writer小澤まみ
Writer小澤まみ
読み手よし、書き手よし、世間よしの「三方よし」のライターになりたいと日々精進中。文房具、コーヒー、お花、神社、サッカー好きの1児の母。
書いて縁を結ぶ「京都書縁」で、日々ブログを書いています。
WEB:https://kyotoshoen.com/