こんにちは、ライターの小澤まみです。
今まで京都の文具や吉祥紋様のポーチをテーマにお届けしてきました。今回からは「伝統が息づく京都で出会った夢のようなひと箱」と題し、「箱を開けると職人の技がぎっしりと詰まっている、1,200年の歴史が息づく京都で生まれた、目も舌も喜ばせてくれる和菓子」をご紹介していきます。
改めて、よろしくお願いいたします。
第1回目は京都御苑のすぐ近く、寺町通り沿いにある落雁専門店『UCHU wagashi(ウチュウ ワガシ)』です。パステルカラーでかわいいデザインの和菓子は、見る人をワクワクさせてくれます。
「和菓子には宇宙のように無限の可能性がある」という意味が込められている『UCHU wagashi』は、京都御苑の寺町御門から徒歩3分のところにあります。
開業は2010年。西陣に店舗兼工場を構えて、和菓子「落雁」の製造販売を行っています。
※現在、西陣の店舗は閉店しています。
取材で伺った寺町本店は2014年にオープンし、2024年3月6日にリニューアルオープンしました。
暖簾をくぐり、中に入ると木のいい香りが。入口の大きな窓から光が入り、明るく気持ちのよい空間が広がり、思わず深呼吸をしたくなりました。
店の左手の販売カウンターには、カラフルな和菓子が並んでいます。
中央には実演スペースがあり、リニューアルオープンの時には目の前で落雁作りを見ることができたそう。
左手は喫茶スペースとなっていて、おしるこやパフェ、花見だんごが食べられます。お買い物のついでにではなく、カフェ目当てで行きたい喫茶メニューです。
落雁とはお茶菓子やお供え物としてよく見かける、日本の伝統菓子です。米や大麦などの穀粉に、砂糖や水飴などを入れて練り、木型に押して乾燥させて作ります。
『UCHU wagashi』では、代表でありグラフィックデザイナーの木本さんが、ふるさと京都で、伝統的な和菓子・落雁をこれまでにない形で表現しています。和菓子だけでなく、パッケージデザインやお店のロゴなども手掛けているそうです。
通常、落雁にはつなぎのために片栗粉を入れていることが多いのですが、こちらの落雁にはつなぎが入っていません。つなぎなしで和三盆を固めるため、崩れにくいかたちにデザインし、職人さんに木型を発注しています。
昔ながらの方法で和三盆糖を木型に指でぎゅっぎゅっと押し込みますが、柄のデザインによっては壊れやすかったり、欠けやすかったりするそうです。また、とても力がいる作業で、腱鞘炎になることもあるそう。
こうして作られた繊細な商品のひとつが、「fukiyose KIT(フキヨセ キット)」(1,386円)です。
キュートなイラストがデザインされた箱を開けると、感嘆の声があがるはず。落雁と金平糖がセットになっていて、食べるのがもったいないかわいさ。
落雁は女の子や男の子の顔、きのこ、音符、てんとう虫など全24種類の中からランダムに12種類入っています。どんな色のどんな柄が入っているかは、箱を開けるまでのお楽しみ。
口に入れると一瞬でとけるような繊細さで、和三盆の優しく、まろやかな甘さに思わず笑みがこぼれました。
金平糖は白、黄緑、ピンク、水色で、それぞれ味が異なります。
店内は「ただいま」と言いたくなるほど落ち着けて、オーダーしたというイスは座り心地抜群で、初めてリラックスした気分で取材ができました。日々の疲れも癒してくれる和菓子屋です。
※全て税込み価格
店舗・施設名 | UCHU wagashi寺町本店 |
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住所 | 京都市上京区寺町通丸太町上ル信富町307 |
電話番号 | 075-744-6287 |
営業時間 | 10:00~17:00 定休日:火曜日 |
交通 | 京阪「神宮丸太町駅」より徒歩10分 |
ホームページ | http://uchu-wagashi.jp/ |
Writer小澤まみ
Writer小澤まみ
読み手よし、書き手よし、世間よしの「三方よし」のライターになりたいと日々精進中。文房具、コーヒー、お花、神社、サッカー好きの1児の母。
書いて縁を結ぶ「京都書縁」で、日々ブログを書いています。
WEB:https://kyotoshoen.com/