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こんにちは! デジスタイル京都のマツモトです。
西陣織といえば、555年にわたり京都で育まれてきた伝統的な絹織物です。和装の帯はもちろんですが、近年は住宅や車などの内装用素材などとしても注目を集めています。
今日は西陣織に新素材を用いた織物ブランドが誕生したと伺い、その発表会に行ってきました。
新たに誕生した織物は、再生ペットボトル繊維を利用しており「リペリック(R)」と命名されています。
「リ」サイクル「ペ」ットボトル ファブ「リック」から“リペリック(R)”。
世界に発信するときに、わかりやすく説明できることを意識してこの名前になりました。
もともとペットボトルだったものが、西陣織になるとどうなるのでしょうか? 早速会場で実物を見てみましょう。
会場は二条城 清流園内の香雲亭です。香雲亭は旧角倉了以屋敷から移築したもので、通常は非公開となっています。ふだんは外観しか見られない建物の室内が開放され、リペリック(R)のお披露目会場となりました。
建物内に入ると、室内の真ん中に今回の実行委員長である有限会社フクオカ機業さんが織った、リペリックの織物が広げられていました。
浮き出した文様が美しい再生ペットボトル繊維織物「リペリック(R)」
織で表された文様は、スパッジオワークスのデザイナー・鈴木尚和さんによるデザインです。テキスタイルは光沢があり、絹糸で織られた織物と見た目は何ら変わりがありません。触れてみるとしなやかで、言われない限りペットボトルから生まれた織物と気づく人は少ないのではないでしょうか。
フクオカ機業の福岡社長によると、再生ペットポトル繊維を使った織物には7~8年前から取り組んでいたとのことです。
「世の中の役に立つものを作りたいという思いでしたが、なかなか評価されず、時期尚早という感じでした」
と福岡社長は再生ペットボトル繊維を織り始めた当初を振り返ります。
しかし3~4年前からはSDGsなどで世界全体が環境問題を意識し始めたこともあり、まず海外で関心が高まりました。その後日本での反応にも変化が現れ、今日のブランド化につながったのです。
「取り組み始めた当初と比べて、今は手ごたえが全然違います」と福岡社長。
この日の発表会ではリペリック(R)のプロジェクトに賛同した多くの企業が、リペリック(R)を用い意匠を凝らした自社製品を展示しています。
中でも目を引いたのが、会場入り口付近に展示された、MK株式会社のグランドハイヤー。
こちらはトヨタ自動車株式会社との合同プロジェクトで製作したハイヤーで、内装にリペリック(R)を利用しています。
こちらが特別仕様の「GRAND HIRE KYOTO PROJECT」の車両。
車両の内装に使われているリペリック(R)。
織で表現された文様は、MK株式会社のオリジナルです。
また、金戒光明寺の伊藤英亮さんは、この日リペリック(R)で作った袈裟を着てご登場されました。
「袈裟はもともと古い布などを縫いつないで作っていました。リサイクルの繊維を使って作ったリペリック(R)は、袈裟本来の意味にもつながります」
金戒光明寺では、伊藤さん以外の方も、リペリック(R)で作られた袈裟を着用されているそうです。
柔らかく光沢があり、着心地もよいというリペリック(R)の袈裟。
会場ではそのほかにもさまざまな企業がリペリック(R)を用いた製品を紹介していました。
最後に、デザインを担当されたスパッジオワークスのデザイナー・鈴木尚和さんに、リペリック(R)の柄について伺いました。
「リペリック(R)はペットボトルを再生して生まれた繊維から織られています。一つのものが違うものへと再生されるということを柄で表現しました。かたちは無限(∞)に似ていますが、これは人と人が手をつないでいく、いろんな人とつながっていく、という意味も込めています」
リペリック(R)は始まり。この先をみんなで考えたいと話す鈴木さん。
西陣織は先染めの絹織物が定義です。しかし絹織物だけにとらわれず、さまざまな繊維を織って西陣織の技術を次世代にも残したいという、フクオカ機業の福岡社長の思いも込められています。
再生資源といえば“ダサく”て“垢抜けない”というのがこれまでのイメージです。しかしリペリック(R)は、そんな既存の概念など吹き飛ばす美しさがあります。
これからの“リサイクル”製品の開発は、リペリック(R)をきっかけに根本から変わっていくのではないでしょうか。
次世代に向けてさまざまなメッセージを発信するリペリック(R)。今後、どのように発展していくのか、いまからとても楽しみです。
有限会社フクオカ機業
〒602-8471京都市上京区浄福寺通五辻東入一色町35-7
075-441-0235
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Writerデジスタイル京都スタッフ
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