こんにちは!イタクラです。
前回からスタートした、子育てにやさしい街・深草で、育児中のみなさんを応援されている方々の思いをご紹介するシリーズ。
2回目の今回は、「布おもちゃTA-TAN(たぁたん)」の大江委久子さんにお会いしてきました。
「布おもちゃTA-TAN(たぁたん)」の教室の前で。
※「たぁたん」は赤ちゃんが最初にお母さんやお父さんを呼ぶ片言のことばからきているんですって。
大江さんは、さまざまなオリジナルの布おもちゃを考案・制作されていて、ご自宅で教室を開かれているほか、自治体の子育て支援講座などの出前教室でも講師を務めておられます。
材料キットも準備されていて、初めての方でも作りやすい!と人気です。
こちらが、TA-TANの布おもちゃたち。
私が今回お話をお聞きして、「ぜひみなさんにお伝えしたい!」と思ったのは、大江さんはいわゆる作家さんとも、手芸の先生ともちょっと違うということ。
もちろん両方の要素はお持ちなのですが、“自分で手作りしたおもちゃで赤ちゃんと一緒に遊ぶシアワセ”を伝えていこうとされているんだなと感じました。
まさに、子育て応援サポーター的な存在なんですよね。
布おもちゃは、月齢や年齢ごとに、赤ちゃんが興味を持つことに合わせて考えられていて、教室では作り方だけでなく、赤ちゃんに気持ちを向けて一緒に遊ぶ大切さ、楽しさも伝えておられます。
布おもちゃの例をいくつかご紹介すると…
まずは、輪っかを引っ張るとやわらかい鈴の音が響く「くまさんガラガラ」。
生まれてしばらくの、目で見るものよりも音が鳴るものを喜ぶ月齢の頃にピッタリです。ちっちゃい手で力まかせ(笑)に引っ張るだけの単純さも、赤ちゃんにとってうれしいポイントですよね♪
そして、1歳になると「いないいないばぁ」が楽しくなるのだそう。
「かくれていることを理解し、期待していた通りに出てくるのがうれしいんですね」と大江さん。
「いないいな~い……ばぁっ!」と遊ぶことができます。
そして、2歳になると握力が付いてきて、洗濯ばさみが面白くなってくるんだそうです。
そういえば、前回のふかふか家さんでも、子どもたちに竿ばさみが大人気でした~!
この「つかまえタマトリオ」は、中に洗濯ばさみが入っていて、お尻をつまむと前足が開き、前のネコのしっぽをつかむことができます。
追いかけっこしているなど、ストーリー仕立てで見せてあげると楽しいですね。
次は、卵をひっくり返すとひよこが生まれます!
卵とひよこをリバーシブルに縫ってあるシンプルなつくりなのですが、子どもには手品みたいな不思議さがあります。
そして、みんな大好き、皮をむくのが楽しいバナナ。手先を思うように動かせるようになってきた頃にいいですね。
どれも、大江さんの愛情いっぱいのアイデアが詰まっていて、心和みます。型紙を写した布地など必要な材料と作り方解説が揃ったキットになっているのもうれしいですね。
縫い物って生地を買いに行ったり型紙を写したりがハードル高くて、生地も余ったりするので、ありがたいです。大江さんの、「初めてでも大丈夫。縫い目がゆがんでしまっても、込められた思いは赤ちゃんにまっすぐ伝わりますよ」の言葉が心に響きました。
また、布絵本も数多く手掛けられています。こちらは「2018 岐阜女子大学手作り絵本コンテスト一般の部」で優秀賞を受賞された作品。
赤ちゃんが大好きなティッシュケースやスリッパ、キーケースなどのモチーフが好きなだけ触れるようになっていて、最後の赤ちゃんを抱いている大人は、あえて男女や年齢を特定しない印象に仕上げられています。
そして、こちらは、視覚障害のある子どもたちも、感触を楽しみながら一緒に遊べる布絵本で、京都市中央図書館の蔵書として製作中です。こうしたインクルーシブ教育の分野でも、役立っていければと話されていました。
その他にも、布おもちゃの作り方の著書を数々出版されており、子育て雑誌やカタログ通販、学校教材にもデザインを提供されています。
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いろいろと展開されている出前教室も大人気(写真は以前の教室の様子です)
手芸は子どもの頃から好きだったという大江さん。通学バッグには、フエルトで作ったマスコットを付けていて、友だちの誕生日にもよく作ってあげていたそうです。
大人になり結婚して、2歳違いの2人のお子さんを育てる慌ただしい毎日の中で、「子どもたちが今一番必要としているのは私だと分かっているけれど、世の中ともつながっていたい」という両方の気持ちの葛藤があったといいます。
そこで、「今自分にできることは何だろう」と、それまでやってきたことをリストアップ。その中で、“今すぐできて、子どもも喜ぶこと”として残ったのが、針と糸で何かを作ることだったそうです。
「作るなら一緒に遊べるおもちゃだなと。仕事になるかどうか分からなかったけれど、自分が好きなことを一生懸命にやって、子どもも楽しめたら最高やん!」と方向が定まります。
その後、作品をお店などで販売するうちに、作り方を教える機会があり、予想以上にうれしい反響があったのだとか。「みなさん自身が自分の手で作ることで、あったかい気持ちになれて、それが子どもさんの喜びにもつながり、子育ての励みになるんやなぁって気が付いたんです」と振り返られます。
子どもの幸せのためには、親である自分が幸せでいることが大切。まずは自分を見つめ直すことが第一歩なんですね。
「私の場合は布おもちゃでしたけど、自分が好きなことで、子どもといかに楽しく時間を共有できるかを考えてみるといいと思います。絵本でも、散歩でも、何でもいいんです」とも話されます。そして、「子どもがどんなことで目を輝かせるのか、よく観察してみて」とも。
確かに、自分と子どもの楽しいことが掛け合わされば、満ち足りた心で親子の時間を楽しめそうです!
大江さんの布おもちゃづくりの始まりは、1人目のお子さんがお腹の中にいる時から。それが今ではお孫さんに作っているとか。
飾らない人柄もあって、お話していると肩の力が抜けていくような安心感があり、子育ての先輩、人生の先輩として頼りたくなります。
「実のお母さんや義理のお母さん以外で、ちょっと話せる相手って意外と貴重でしょ?」と笑顔の大江さん。確かにお母さん’sの孫への熱量が強すぎる時ありますもんね。。。
最後に子育て中の方へのメッセージを伺うと、「子育てに関して悩みがあるっていうだけで、もうみなさんは充分に『いいお母さん』やと思うよ。『ボチボチやりやあ』って声かけてあげたいですね」と温かい言葉が返ってきました。
店舗・施設名 | 布おもちゃTA-TAN(たぁたん) |
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住所 | 京都市伏見区深草西浦町 |
電話番号 | 075-646-5165 |
交通 | 地下鉄烏丸線くいな橋駅下車徒歩10分、京阪本線藤森駅下車徒歩13分 |
お問合せ先 | 自宅の教室やキット販売、出前教室のお問い合わせはホームページから |
ホームページ | https://60003240ba640.site123.me/ |
Writerデジスタイル京都スタッフ
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