グルメ・お土産

2022.02.21

京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹。「食材の組み合わせが斬新! そしておいしい!!」と評判の料理を提供する二人が、二十四節気に合わせて考えてくれたおつまみを紹介します。なお、メイン食材は野菜。京都の京北町の農家さんから毎回、この季節の〝推し野菜〟のお題をもらう趣向です。

第22回は、「雨水(うすい)」(今年は2月19日から3月4日まで)にぴったりな一品をどうぞ。

 

オードブル感覚でいただくミックスバター ふきのとうのほろ苦さが、バターのこくとマッチ

「ふきのとうは、地元・長野では家の近くで採れるので、子どもの頃から春になるとよく食べていました」と、めぐみさん。

この「ふきのとうバター」は、定番のふきのとう味噌のほかに、おいしい食べ方はないかと思いついた一品だとか。「ハーブバターに着想を得て、ちょうど『まつは』を始めたころから作っています。お店でケーキを焼くためバターを常備しているので、いつでも身近にある材料で、パパッと完成するのもいいところです」と話します。確かに、材料3つでできるのはありがたい!!

お店のメニューとして出したことはないそうですが、おつまみとしてそのまま食べてよし、朝食のトーストに使ってよし、肉や魚のソテーなどに添えてもよし、と重宝するとのこと。

合わせるお酒はウイスキー。埼玉県・秩父に蒸留所がある「株式会社ベンチャーウイスキー」の、「Ichiro’s Malt Double Distilleries(イチローズモルト ダブルディスティラリーズ)」は2つの蒸留所のモルト原酒をブレンドした、まろやかさと複雑さを合わせもつウイスキーです。

「今回は、コクと甘みのあるリッチなおつまみを用意したので、それと同じくらいコクとリッチさのあるお酒でバランスを取る組み合わせにしました。どちらも一気に大量に摂取するものではないので、夜遅めの時間にゆったりと味わう…というイメージです」(めぐみさん)

 

「ふきのとうバター」の作り方

〈材料(2人分)〉

ふきのとう4個(小ぶりのもの。大きいものなら2個) 有塩バター50g きび砂糖大さじ2

 

〈作り方〉

(1)有塩バターは室温に戻して、やわらかくしておく

(2)ふきのとうはよく洗い、泥やほこりを取り除く。熱湯でゆでてアクをぬき、ザルに上げる

(3)(2)の水分をしっかりとしぼって、粗めのみじん切りにする

(4)ボウルにきび砂糖と(1)と(3)を入れ、よく混ぜる

(5)ハードクッキー(ちょっと甘みのあるクラッカーなどでも。分量外)に乗せて、皿に盛る

※バターがやわらかいままでも、冷蔵庫で冷やして固めても、どちらもおいしい

※多めに作る場合は、深さのある器に入れて表面が空気に触れないようぴったりとラップをかけて冷蔵庫で保存を。1週間ほど日持ちする

 

「たっぷりのバターは罪の意識もありますが(笑)、たまには、それは忘れてどうぞ」とめぐみさん

 

今回使用したハードクッキーはこちら。柑橘ピール入りのものもあり、そちらもふきのとうバターと合うとのこと。いろいろなクッキーやクラッカーと合わせてみるのも楽しそう

 

取材時は肌寒かったけれど、お店の中庭に小さな葉っぱが芽吹いていたり、少しずつ春めいてきました

 

「まつは」は現在、不定期営業。ケータリングやお弁当などの注文は要相談。営業スケジュールはホームページやSNS(facebook、Instagram)などで確認を

 

☆ ☆ ☆

この季節の〝推し野菜〟メモ

ふきのとう

まだ寒い冬の時期に、最初に春を感じさせてくれる山菜ですね。

あの独特の香りと苦みがおいしく感じられるようになったら、人は大人になるのかもしれません。

一般的にはツボミが開く前の丸いものを食べますが、トウが立って花が咲いても茎や葉はおいしく食べることができます。大きくなったふきのとうは見つけやすく採る人も少ないので、遅めのシーズンにふきのとうを目当てに山菜採りに出かけるのもおすすめですよ。

解説・吉田修也さん(okulu株式会社/京農園よしだ )

 

―次回は「啓蟄(けいちつ)」のおつまみレシピをお届けします

Information
店舗・施設名 まつは
住所 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671
電話番号 075-231-7712
営業時間 10:00~17:00(LOは16:30) 
※17:00以降の利用については要相談。
電話やメールでお問い合わせください。

日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり
交通 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分
お問合せ先 matuhairoiro@gmail.com
ホームページ https://www.matsuha225.com/

Writer市野亜由美

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Writer市野亜由美

京都のおいしいお店を訪ねるのが好き。おすすめの手土産、ランチの行き先など、友人から尋ねられることもしばしば。仕事で、レシピの記事を担当できるのは幸せ。 食の世界の奥深さや、楽しいことへの興味が高じて、小さなイベントを自ら企画したりも。

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