グルメ・お土産

2022.01.26

京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹。「食材の組み合わせが斬新! そしておいしい!!」と評判の料理を提供する二人が、二十四節気に合わせて考えてくれたおつまみを紹介します。なお、メイン食材は野菜。京都の京北町の農家さんから毎回、この季節の〝推し野菜〟のお題をもらう趣向です。

第20回は、「大寒(だいかん)」(今年は1月20日から2月3日まで)にぴったりな一品をどうぞ。

 

メインの材料は蕪(かぶら)オンリー。崩れ溶けた部分がソースのように絡んで美味!

「今回も非常に簡単すぎて、レシピといっていいのか。紹介するのを少しためらうほどです(笑)」とめぐみさん。

冬はお鍋など温まる料理に、コクのあるワイン、燗をした日本酒などをおいしくいただく機会が増えますが、たまにさっぱりとしたものが無性にほしくなる…そんなときをイメージした一品だといいます。「蕪は甘み・苦みがあって、香りも良くて、カレーと相性がぴったり。作るうちに蕪が少し崩れていって、まとわりつくのですが、それがまた、おいしい。一種の野菜だけで作っているとは思えない、味わいです」とのこと。また、いくつか異なる種類の蕪を使うのもおすすめ。今回は白いコカブと「あやめ雪かぶ」という品種のものを使用しています。一皿の中に、少し歯ごたえの残るもの、やわらかなものがあって、食感の違いが楽しめます。

合わせるお酒は、ライトなビール。今回は、手に入りやすいキリンの「ハートランド」で、すっきりといただきます。

ちなみに、本来は、蕪の葉っぱはグリルして付け合わせる予定が、この日はオーブン不調につき、フレッシュなまま飾っています。「グリルした蕪の葉は、激ウマなんです。燃えちゃっているじゃん、くらいの感じまで思い切って焼くといいですよ」(めぐみさん)

 

「蕪のカレー」の作り方

〈材料(2人分)〉

カブラ3個くらい カレースパイス大さじ1強 濃い口しょうゆ大さじ2 オイル(炒める用)適量

 

〈作り方〉

(1)カブラは葉を取って皮をむき、くし切りまたは乱切りにする

(2)取った葉は、オーブン(180℃)で20分くらいグリルしておく

(3)多めのオイルをフライパンで熱し(中火)、温まってきたらカレースパイスを投入する

(4)焦がさないよう炒め、スパイスの香りがたったら、(1)を加える。焼き色がついたら時々、ひっくり返し、混ぜる

(5)全体がくったりとした感じになったら、濃い口しょうゆをまわしかけてひと混ぜし、火からおろす。皿に盛り、(2)を飾る

※カブラは炒めているうちに、周りがくずれてやや小さくなるので、一口大より少し大きめにカットするとよい

※オイルは米油、オリーブオイル、ゴマ油など、好みのものでOK。ただ、オイルによって料理の味わい・香りが大きく変化するので、一番はじめに作るときは、プレーンな米油がいいかも

※カレースパイスは好みのもので。使い方に書かれている、二皿分くらいの分量を目安に使用

 

今回、使用したのは、「エヌ・ハーベスト(http://www.nharvestorganic.com/)」というブランドのスパイス。クミン、マスタード、フェヌグリーク、カレーリーフをブレンドしたものです

 

むいた皮も大切に取ってありました。「かわいいので、今回はこの形のまま、きんぴらにしようとたくらんでいるんです。ふふふ」ですって

 

この日は由香さんがお留守のため、めぐみさんが一人で担当です。「もともと濃厚なビールが好みでしたが、今はこういったライトなタイプのおいしさにも気付きました!」

 

「まつは」は現在、不定期営業。ケータリングやお弁当などの注文は要相談。営業スケジュールはホームページやSNS(facebook、Instagram)などで確認を。写真は、めぐみさんのお子さん・ほーちゃんが中庭の植物にお水やりをしているところ

 

☆ ☆ ☆

この季節の〝推し野菜〟メモ

日本書紀に登場するほど古くから日本で食べられている伝統的な野菜です。

長い歴史の中でさまざまな品種が育成されていて、「天王寺かぶ」など地名を冠したものや、赤や紫や黄色いもの、極小の「うぐいす菜」や5㎏近くになる「聖護院かぶ」、紫で細長い「日野菜かぶ」など、多様な色や形のかぶが全国各地にあります。京都で有名な「すぐき漬け」もかぶらの一種ですね。

かぶらは、煮ても焼いても生でも漬けても、と万能です。いろんな料理で食べてみてください。カレーに入れてもおいしいですよ。

解説・吉田修也さん(okulu株式会社/京農園よしだ )

 

―次回は「立春(りっしゅん)」のおつまみレシピをお届けします

Information
店舗・施設名 まつは
住所 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671
電話番号 075-231-7712
営業時間 10:00~17:00(LOは16:30) 
※17:00以降の利用については要相談。
電話やメールでお問い合わせください。

日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり
交通 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分
お問合せ先 matuhairoiro@gmail.com
ホームページ https://www.matsuha225.com/

Writer市野亜由美

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Writer市野亜由美

京都のおいしいお店を訪ねるのが好き。おすすめの手土産、ランチの行き先など、友人から尋ねられることもしばしば。仕事で、レシピの記事を担当できるのは幸せ。 食の世界の奥深さや、楽しいことへの興味が高じて、小さなイベントを自ら企画したりも。

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