グルメ・お土産

2021.10.27

 

ライターのCozueです。

一年のなかで、もっとも好きな季節「秋」の気配を胃袋で感じている今日この頃。

秋が深まってくると温かいものが恋しくなり、鍋物や煮込み料理の立ち上がる湯気に幸せを感じてしまいます。

店頭にずらりと並ぶ秋の味覚に喜びを感じつつ、台所を担うものにとってはやはり”毎日の献立”が最大の悩み。

そんなお悩みに、パッとひとふりするだけでお料理がワンランクアップする魔法の調味料を見つけてきました!

 

今回は、京都の観光スポットといえば必ず上位ランキングされている嵐山に暖簾をかかげる「京都嵯峨(さが)嵐山 かみ舎楽(しゃらく)」さんをご紹介します。

京都嵯峨嵐山 かみ舎楽さんは、2019年7月8日創業。

店主のご実家をリノベーションし、天然素材の香り・うま味・彩りを楽しむことに、とことんこだわったという薬味をメインとした専門店です。

竹林の小径の近くにある店舗は、高級料亭のような店構えと落ち着きある日本庭園に癒しを感じる

 

京都駅からJR嵯峨野線に乗車し「嵯峨嵐山駅」にて下車、徒歩12分。かみ舎楽さんの店舗近くには、日常の喧騒を忘れゆっくりと時が流れるような「竹林の小径」があります。

 

亡き父の想いと継承の重みをバネにして、楽しみながら新たな息吹をもたらす 

お話をお伺いしたのは、かみ舎楽の店主 神舎(かんじゃ)佳代子さんです。

二足のわらじを履きこなすという神舎さんは、あるときはかみ舎楽の店主として、またあるときは非常用の電源装置などを取り扱う「京都電業株式会社」の代表取締役として日々アクティブにお仕事をされています。

京都電業株式会社は、神舎さんの実父が昭和27年10月創業。高齢になった父の後を急遽引き継ぎ、会社改革に取り組まれました。

 

そのころ、ご実家(現店舗)では家人不在の状態が続き、実父の自慢の庭は雑草が生い茂り完全にジャングル化していたといわれます。

このまま実家を所有するか否か悩まれていた時もあったとか。

店舗へと続く階段には打ち水がまかれており、この日の暑さがふっとやわらぐ

 

京都の嵐山といえば名だたる観光地。当時、実家の前には国内外の観光客を乗せた人力車が竹林の小径を幾度となく駆け抜けていくという立地。

コロナ禍前の嵐山は、とにかく人、人、人に埋め尽くされていたと語られます。

以前より神舎さんは、友人との試みで商いをスタートしておりこのタイミングで実家を「店舗」として復活させ、新しい息吹を感じさせる空間を完成させました。

 

「小さく」「軽く」「日持ちが良い」という薬味・塩・山椒などは、和の調味料であり国内外問わず”お土産として最適である”と語られる神舎さん。

かみ舎楽の工房では厳選された素材にこだわり、スタッフが1つ1つ丁寧に心をこめて取り組んでおられます。

話をお聞きしていて驚いたのが、薬味や塩に使用するゆず、清見オレンジ・青れもん・夏みかんなどの皮はスタッフ全員で1つずつ手で剥くという大変な作業をこなしているということ!! (特に、青れもんの皮が固くて大変だとか)

パッケージデザインの可愛さに海外のお客様にもご購入していただいている

 

神舎さんをはじめスタッフ一同が『かみ舎楽の調味料を愛してくださるお客様が待っていてくださる』という熱い想いとこだわりを常に大切にしているからこそ出来ることではないでしょうか。

そして、前々から気になっていた店名の由来をお聞きしました。

店主の苗字である神舎(かんじゃ)のルーツは実父の出身地(広島)であり、その苗字を店名にしたものだとか。ただ漢字で”神”と付くと若干かた苦しく感じるのではと思い、神をひらがなに変え、舎はそのままで楽しいとの想いから「かみ舎楽」。

“神舎は楽しい” という意味がこめられているといいます。

 

手作りにこだわり「香り」「うま味」「彩り」を命とする心を食卓へ届ける

「陳皮ちんぴ」作りは、かみ舎楽さんにとって”命”だと力強く明言される店主の神舎さん。

低温でじっくり時間をかけ乾燥したという陳皮は、素材に近い発色を残しつつきれいに仕上がるといいます。高温かつ短時間で乾燥してしまうと、果実の皮は見た目も悪く茶色で果実特有の香りも飛び燻製された状態になってしまいます。

自社工房スタッフは試行錯誤を重ね、香り・うま味・彩りを損なわせないという「かみ舎楽」さんでしか出せないオンリーワンな薬味を作り上げました。

もともとリビングだった壁を撤去しリノベーション、開放的となった店内は土足で入店OK!

 

使用する果実(ゆず・清見オレンジ・青れもん・夏みかん)は産地により、香りもそれぞれ異なるとのこと。

ゆずに関しては自社商品と大変相性が良く、香りがダイレクトに伝わる九州や四国のものをセレクト。

ただ、ゆずの使用量が大量なので数カ所のゆず農家さんから集めて送ってもらうのだといわれます。11月〜12月頃には、スタッフ総出で一斉に皮むき作業がはじまり工房一面には爽やかなゆずの香りがたちこめるそう。

また陳皮の製造(乾燥)をしている間、乾燥機からゆずの香りがもれてその爽やかな香りにつられてお客様が来店されるという効果も!!

柚子七味は、寒くなってくる季節の定番人気商品。

たくさんのファンに愛され、ひたすら「柚子七味」だけをお買い求めに来店されるお客様もおられるのだとか。

 

国産唐辛子は特有のキレのある辛さ、辛味だけでなく甘くてやさしい香りと旨味もあり、香り高いゴマや国産のあおさのり、ぶどう山椒などをブレンドしています。シンプルに”薬味をひとふり”することで日々の料理をワンランク上げてくれるのがかみ舎楽の目指すところ。

また自社工房スタッフが、一味・七味に使用する唐辛子は絶対的に国産にこだわっているというのも、かみ舎楽の薬味ファンが愛してやまない理由なのだと思いました。

陳皮の香りを嗅がせてもらったが、乾燥したものとは思えないギュッと凝縮された香り

 

アルミタイプの(チャック付)袋に入っており、柚子の彩りも香りも損なわず防湿性にも優れている

京都嵯峨 嵐山 かみ舎楽 「柚子七味 14g」    (756円税込)

 

今後の気になる新商品(薬味)の発売は??

新商品の開発はありますか?の問いに「現段階では試作を重ねていますが、新商品発売はあります!」とワクワクさせてくれるお言葉をいただきました。

次回の気になる調味料は、大人向けに仕上げる「ワイン塩」を現在試作中!!

神舎さんいわく、もう味は赤ワインそのもの。試食していた神舎さんも酔ってしまいそうな目を惹くワイン感。

アルコール分を十分感じることができるので揚げ物、チーズにも添えてもよいとのこと!

そして何よりワイン塩に一番合うのは、お肉料理(特に牛肉)ですと断言されていました。

グリルした肉料理に、ワイン塩をひと加えすることで香りがたちワインの甘酸っぱいコクと風味が楽しめるとか。

また今後は、洋菓子分野にも薬味などを使用したお菓子の企画も取り入れ拡大していきたいと考えているそう。

神舎さんの飽くなき探求心・追求心はとどまること知らず、更なる調味料(薬味・塩・山椒)の美味しさを目指しています。

実父のお気に入りだったお茶室はほぼそのままに。書を嗜み自慢の庭の手入れをよくされていたという

 

かみ舎楽さんがオススメする「柚子七味」の食べ方や料理は?

店主の神舎さんに、七味を活かしたオススメな食べ方をお聞きしてみました。

「柚子七味にオススメなのは、ギョーザです。ギョーザのたれに七味をひとふりすると七味の辛みとゆずの爽やかな香りがふわりとただよい格別なうまさ」に変身するそう。

あとは、汁系でいえば京都では馴染み深い”粕汁”や”豚汁”にもひとふりすると味にコクと深みがでます。

七味にマヨネーズを和えるとピリッとした大人のおつまみ系にも相性が良く、麺類やタレ系にも足していただくと味変するので気になる方はぜひ試してみる価値あり!

『薬味はアレンジすることによって和・洋・中・お菓子までできる日本古来の調味料、もっと身近に親しんで欲しい。そして、まず薬味を入れることによって、”味変”を楽しんでいただきたい』と語られます。

また現状として急速な食生活の変化により、日本古来の調味料を使う家庭がだんだんと減ってきているということも否めません。ですが緊急事態宣言によって厳しい状況が続きましたが、悪いことばかりではないと前向きに語られる神舎さん。

おうち時間が増えたことによって自宅で料理をされる機会も増え、高価であっても良い調味料をお求めになられるお客様も増えたそうです。

醍醐天皇にも小倉山の美しい紅葉を見せてあげたい・・という藤原忠平の思いを詠んだ歌

 

調味料は決して派手さはないけれど、知れば知るほど奥深いもの。

脇役ですが食卓に取り入れることによって、味覚や嗜好を形成し食への好奇心を育てる大切な要素とお客様に寄り添う心もきっと入っているに違いありません。

 

 

我が家の食いしん坊レシピは、「柚子七味」を使った「里芋の包み揚げまんじゅう 柚子七味添え」をご紹介します!

さすがに11月ともなると、朝晩の冷えに身震いしてしまいますね。

「柚子」と「七味」のダブル温熱作用とで、からだの中からぽかぽかと温まりましょう!

 

【材料】2個分

・里芋・・・・・・・・・・・5個くらい

<中に入れる具材>

・鶏ひき肉・・・・・・・・・60g

◎ レンコン(みじん切り)・・少々

◎ 椎茸(みじん切り)・・・・1個

◎ 人参(みじん切り)・・・・1/3

◎ 枝豆・・・・・・・・・お好みの量で

◎ 塩 ・・・・・・・・・ひとつまみ

◎ おろししょうが(チューブ可)・・少々

・片栗粉(まぶす用)・・・・・・・・ 適量

 

(餡)

・お好みの麺つゆ・・・大さじ2

・水・・・・・・・・120ml

☆ 水溶き片栗粉・・・・適量

 

・ サラダ油(揚げ用)・・・適量

 

【作り方】

1.里芋を電子レンジで、竹串をさして柔らかくなるまで加熱。

2.◎の具材を全部混ぜ合わせる

3.里芋が温かいうちにマッシュし(潰すこと)、塩を入れて混ぜる。

4.粗熱がとれたら里芋をお好みの大きさに分け、具材(鶏ひき肉混ぜ合わせたもの)を入れて包みこむ。

5.丸くこねたら、片栗粉を薄くまぶす。

6.180度のサラダ油で、きつね色になるまで揚げる。

7.餡の材料を混ぜ合わせ、直前に餡を沸騰させてから水溶き片栗粉を入れる。

8.器に揚げた里芋を入れ、上から餡を流し入れる。柚子七味をお好みの量をふりかけ出来上がり!

 

 

写真では里芋の揚げまんじゅうの上に”柚子七味”を添えていますが、個人的には餡と柚子七味を混ぜ合わせ上からトロ〜リとかけていただくと見た目と香りも華やかに。

ゆず特有の爽やかさと優しい香りに包まれ、明日への活力にも繋がりますね。

Information
店舗・施設名 京都嵯峨 嵐山 かみ舎楽
住所 京都市右京区嵯峨小倉山堂ノ前町1
電話番号 075-881-1500
営業時間 10:00〜17:30
定休日 : 水曜日
交通 嵐電「嵐山駅」徒歩10分
JR「嵯峨嵐山駅」徒歩12分
阪急電車「嵐山駅」徒歩20分
市バス、京都バス「嵯峨小学校前」徒歩5分
駐車場 専用駐車場なし(近隣のコインパーキングをご利用ください)
ホームページ https://kamisharaku.com/

WriterCozue

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WriterCozue

福岡出身、京都在住。 中学生の頃、修学旅行で訪れた京都に「運命」を感じる。夢にみた京都暮らしが現実になり、専業主婦からライターの名をもつ兼業主婦に。 旅先の地元スーパーや道の駅などで、面白い、珍しいご当地の調味料探しにハマっている。書店巡りも大好きで最高の癒しスポット。 少しずつ身についてきた京都弁、たまに飛び出す福岡弁の方言MIXも気に入っている。

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