京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹。「食材の組み合わせが斬新! そしておいしい!!」と評判の料理を提供する二人が、二十四節気に合わせて考えてくれたおつまみを紹介します。なお、メイン食材は野菜。京都の京北町の農家さんから毎回、この季節の〝推し野菜〟のお題をもらう趣向です。
第11回は、「白露(はくろ)」(2021年は9月7日~9月22日)にぴったりな一品をどうぞ。
「賀茂なすを田楽にするとおいしいことなんて皆さんご存知でしょうし、『今さら』なのでやめようかとも考えたんですけれど…やっぱり、外せないと思って」と、めぐみさん。そこで、この季節においしいイチジクを使ったフルーティーなソースをかけた一品を提案してくれるのが、さすが! です。「揚げたおなすのうまみに、練りごまのコクなどおいしさを乗せていく方向で、〝濃さを深めて〟みました」とのこと。また、賀茂なすを、丸ごとじっくりと素揚げにするのはなかなか時間がかかりますが、浅めのフライパンと少なめのオイルで調理するウラワザも教わりましたよ。
合わせたお酒は、埼玉県にあるクラフトビールメーカー「コエドブルワリー」の「紅赤 -Beniaka-」。赤みがかった琥珀色と香ばしい甘みが特徴のビールです(厳密にいうと、さつま芋を副原料とするため日本の酒税法上は「発泡酒」に分類されるそう。「オリジナル・エール」です)。
「この『紅赤 -Beniaka-』は、特有の華やかな香りがあるんですが、軽くはなく、どっしりとしたおいしいビールです。夏とは気分を変えて、秋の始まりらしくお酒とおつまみを楽しみたいなというときに、ぴったりだと選びました」(めぐみさん)
〈材料(1人分)〉
賀茂なす(横半分にカットしておく)…1個 イチジク…1個 砂糖…小さじ1 しょうゆ…小さじ2 白練りごま…大さじ3 揚げ油…適量
〈作り方〉
(1)フライパンに揚げ油を注ぎ(高さ5㎜~1㎝くらい)、中火にかける。油が温まったら賀茂なすを入れ、ひっくり返しながら揚げ焼きにする。表面がほどよい色になったら、キッチンペーパーに取り、油をきる
(2)イチジクは皮ごとざっくりと8等分くらいに切り、砂糖としょうゆをからめる。電子レンジ(600W)で40秒加熱し、冷ましておく
(3)耐熱容器に(1)を入れ、電子レンジ(600W)で1分加熱する
(4)お皿に(3)を盛り、(2)と白練りごまを合わせたソースをかける
※揚げ油は、「まつは」では米油を使用
※加熱したイチジクと白練りごまを合わせるときは、混ぜすぎないこと
屋外で楽しむときなどは、いちじくのソースを別添えし、食べる直前にかけてどうぞ。
京都御苑に足を伸ばし、屋外で撮影しました。由香さんは他の用事で欠席だったため、めぐみさんが孤軍奮闘。一息ついたところでの、この一杯は格別だったはず。
「まつは」は、現在、店内飲食をお休み中です。再開予定はホームページやSNS(facebook、Instagram)などに随時アップされますので確認を。
※毎月恒例の「おふく市」は9月24日(金)・25日(土)に開催予定とのこと
☆ ☆ ☆
この季節の〝推し野菜〟メモ
加茂なす
京野菜といえば賀茂なすをイメージする人も多い、丸くて大きな京都のナスです。
油との相性が抜群で、素揚げして出汁(だし)につける「揚げだし」などにすると、野菜だけとは思えないくらい、満足感のあるおいしさが楽しめます。
大きく育つにつれて、表面のツヤがなくなり、皮も固くなりますが、果肉の甘みとうまみは格段に増します。皮をむいて調理するなら、なるべく大きいものを選ぶのがおすすめです。
解説・吉田修也さん(okulu株式会社/京農園よしだ )
―次回は「秋分(しゅうぶん)」のおつまみレシピをお届けします
店舗・施設名 | まつは |
---|---|
住所 | 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671 |
電話番号 | 075-231-7712 |
営業時間 | 10:00~17:00(LOは16:30) ※17:00以降の利用については要相談。 電話やメールでお問い合わせください。 日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり |
交通 | 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分 |
お問合せ先 | matuhairoiro@gmail.com |
ホームページ | https://www.matsuha225.com/ |
Writer市野亜由美
Writer市野亜由美
京都のおいしいお店を訪ねるのが好き。おすすめの手土産、ランチの行き先など、友人から尋ねられることもしばしば。仕事で、レシピの記事を担当できるのは幸せ。 食の世界の奥深さや、楽しいことへの興味が高じて、小さなイベントを自ら企画したりも。