京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹。「食材の組み合わせが斬新! そしておいしい!!」と評判の料理を提供する二人が、二十四節気に合わせて考えてくれたおつまみを紹介します。なお、メイン食材は野菜。京都の京北町の農家さんから毎回、この季節の〝推し野菜〟のお題をもらう趣向です。
第10回は、「処暑(しょしょ)」(2021年は8月23日~9月6日)にぴったりな一品をどうぞ。
「ピーマン、大好きなんです。実家の家庭菜園で作っています。一番、好きなのは天ぷら。塩を添えても、天つゆでもおいしいですよね。ピーマン嫌いの子が、天ぷらにすると食べられるようになった奇跡(笑!)もあるんですよ~」と、〝ピーマン愛〟を語ったら止まらないめぐみさん。
今回は大好きなピーマンを、余すところなくいただける、丸ごと煮た一品を紹介してくれました。合わせたお酒は、北海道にあるワイナリー「Vina de oro bodega(ヴィニャ デ オロ ボデガ)」のスパークリングワイン「The day Sparkling 2020」。花や香水に例えられるような芳香を持つという「リースリング」という葡萄を使った微発泡の白ワインです。
「このお料理は日本酒にも合うんですが、ピーマンのジューシーな甘さに、ジューシーな甘みのワインとで、〝甘さに甘さを重ねる〟感じの組み合わせです」(めぐみさん)
さらに、ピーマン独特の苦みがフルーティーなぶどうの香りと、「とても合うんです!」とも。まだまだキリッと冷やしたワインがおいしいこの季節に、試してみたくなる一品です。
〈材料(作りやすい分量)〉
ピーマン…3個 A(だし汁…200cc 砂糖…小さじ1 酒、しょうゆ…各50cc ショウガ…1かけ) スダチ…1個 ちりめんじゃこ、刻みねぎ…いずれも適量
〈作り方〉
(1)小鍋にAを入れ、沸騰させる
(2)中火にし、ピーマンを丸ごとのまま入れて煮る。やわらかくなったら火からおろし、そのまま冷ます
(3)冷蔵庫でよく冷やす
(4)器に盛り、ちりめんじゃこと刻みねぎを乗せる。半分に切ったスダチを飾る(もう半分は、しぼって果汁をかける)
※だし汁は、昆布とカツオの一番だしを使用
仕上げにスダチをキュッとしぼると、味が引き締まります
この日の取材は京都御苑にて。由香さんは他の用事があり取材は欠席。一人でワインボトルを持っての撮影に、ちょっと照れるめぐみさん(可愛らしい~)
「まつは」は、現在、店内飲食をお休み中です。再開予定はホームページやSNS(facebook、Instagram)などに随時アップされますので確認を。
☆ ☆ ☆
この季節の〝推し野菜〟メモ
ピーマン
一口にピーマンといってもその種類は多く、シシトウや万願寺とうがらしなどの細長いものから、パプリカのようなカラフルで肉厚なものなど、さまざまな形や色、大きさのものがあります。
緑のピーマンは苦い野菜の代名詞のようになっていますが、じつは収穫のタイミングによって味が大きく変わります。十分に大きく熟したピーマンは苦味が減り、爽やかな甘さや酸味が出てくるので、お店で買うときに意識するのも面白いかもしれません。また、育てやすい野菜ですので、来年、家庭菜園でチャレンジしてみては(植え付けは5~6月)。
解説・吉田修也さん(okulu株式会社/京農園よしだ )
―次回は「白露(はくろ)」のおつまみレシピをお届けします
店舗・施設名 | まつは |
---|---|
住所 | 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671 |
電話番号 | 075-231-7712 |
営業時間 | 10:00~17:00(LOは16:30) ※17:00以降の利用については要相談。 電話やメールでお問い合わせください。 日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり |
交通 | 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分 |
お問合せ先 | matuhairoiro@gmail.com |
ホームページ | https://www.matsuha225.com/ |
Writer市野亜由美
Writer市野亜由美
京都のおいしいお店を訪ねるのが好き。おすすめの手土産、ランチの行き先など、友人から尋ねられることもしばしば。仕事で、レシピの記事を担当できるのは幸せ。 食の世界の奥深さや、楽しいことへの興味が高じて、小さなイベントを自ら企画したりも。