こんにちは!深草もっとひろげ隊のシマです。
今回は、伏見稲荷大社近くにあるお煎餅屋さん「おせんの里 松屋」に伺いました!
このお店は、3代続く創業91年目の伝統あるお煎餅屋さん。
昭和の初め頃、初代である松久良三さんは、味噌入り煎餅で有名な岐阜県のお店で5年間修業をされた後、独立にあたって親方と相談をされています。
当時、伏見稲荷大社の周辺にお土産屋さんはあったものの、お煎餅のお土産を売る店はありませんでした。そこで、「全国の稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社にふさわしい門前のお菓子を」との思いで、伏見稲荷でお煎餅屋さんを始められました。
岐阜ではお煎餅の材料に麹味噌を使用していましたが、地元京都の西京味噌を使用し、伏見稲荷の名物 稲荷煎餅が誕生したのです。
「おせんの里 松屋」では、今も初代の技を受け継ぎ、誇りを持って守り続けておられます。
まず、機械を使わず、昔ながらの製法で、1枚1枚丁寧に手焼きをされています。
稲荷煎餅は生地を型に流し込んで焼いていくのですが、「おせんの里 松屋」では真鍮の型を使用されています。
真鍮の型は鉄などに比べると重く扱いづらいため、現在は一般的にあまり使われなくなったのですが、柔らかいため模様を繊細に表現できます。さらに、サンドペーパーをかけて型を丹念に磨き上げ、お煎餅の表面をなめらかにしています。美しさをどこまでも追求されていることが伝わってきます。
また、焼く時には油を使用されていません。
前日までに、型に油を塗って焼き付けることで、油の膜をつくる作業を行われています。
これによって、焼く時には油が不要で風味を損なわず、キレイな『つや』も与えてくれるのです。
ツヤツヤです!
こちらのお煎餅は、初代が伏見稲荷で初めて作った稲荷煎餅です。稲荷煎餅の誕生の証として、きつねが鳥居で鎮座しているロゴを刻印されました。「おせんの里 松屋」でしか、目にすることができないお煎餅です!
きつねちゃん(右)・子ぎつねちゃん(左)
「おせんの里 松屋」のオリジナル商品で、きつねのお面の型をしたお煎餅「きつねちゃん」「子ぎつねちゃん」です。
立体的でツヤツヤでお煎餅とは思えない美しさです。
元々はリアルな表情のきつねちゃんの大と小のお煎餅しかなく、子どもたちが怖がってしまうということがありました。そこで2代目がデザインをかわいくした子ぎつねちゃんを誕生させました。
きつねちゃんを作っておられるところです。
聞いていたとおり、本当に全て手作業です。焼き付けの際の油の塗り方により生地がくっついてしまうことがあるそうで、職人さんの技ですね!
以前は7キロ以上もある型を手で扱いながらお煎餅を作っておられました。重い型を使用しての、長時間の製造は体への負担が大きく、よくしてくれていた大工さんが、動画に写っている、椅子に座ることができる焼き場を提供してくれたそうです。
型を持たせてもらいましたが、とても重く、これでお煎餅1枚、1枚作られていたなんてびっくりしました!!
以前からインスタグラムは活用されていましたが、2020年2月から「#旅するきつねちゃん」をシリーズものとして投稿することで、ブランディングに力を入れておられます。きつねちゃんがいろんな場所に訪れている写真が投稿されています。
ただ商品を宣伝するのではなく、京都の歴史や良いところを、お煎餅を通して知ってもらいたいという思いで発信されています。
「#旅するきつねちゃん」を始めて2年目に入り、フォロワーが少しずつ増えて、ダイレクトメッセージが届いたり、電話がかかってきたりするようになったそうです。
「受け継いできた稲荷煎餅の技と味をもっと多くの人に知ってもらいたい」という思いが、インスタグラム以外にも、様々な人との縁を生み出し、現在はハンドメイド展や百貨店、遠方にも活動の場を広げておられます。
また、「ぜひ出店をと、呼ばれる存在になれるように」と、お煎餅の技術についても現状に満足せずに常に上を目指して日々取り組んでおられます。
稲荷煎餅が一般的に知られるようになったきっかけの一つに、随筆家の大村しげさんが「京のおばんざい」についての著述の中で「おせんの里 松屋」を紹介されたことがあるのだとか。「このご恩を忘れずに良いものを作っていきたい」というご縁を大切にされているエピソードもお聞きすることができました。
・桜せんべい
10枚入り 400円(季節限定・税込)
こちらは季節のお煎餅で、桜の花びらがお煎餅に入っています。押し花が入っているようでとてもきれいです。桜の花びらがお煎餅の中に入り込んでしまうと花びらが埋まってしまうため、花びらがきれいに出るように工夫されています。桜の花びらは塩漬け等もされており、とても手が込んでいます。
・辻占入り 鈴せんべい
5個入り 450円(税込)
カラカラという音が聞こえますでしょうか。辻占い入り 鈴せんべいを振って聞こえてくる音です。お煎餅の中に大豆が入っており、音が鳴っています。
・あまから
12枚入り 350円(税込)
柿の種が入った玉子煎餅です。
あまからが誕生するきっかけは、2代目の奥さんが柿の種が好きで、お煎餅に混ぜてみたことだそうです。
・鈴やき
108グラム 351円(税込)
お煎餅屋さんの鈴カステラ
玉子煎餅と同じ生地を使用していますが、型の違いでふんわりした食感を出されています。
1枚1枚心のこもったお煎餅を食べてみてください。
この機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
店舗・施設名 | おせんの里 松屋 |
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住所 | 京都市伏見区深草一ノ坪町27 |
電話番号 | 075-641-1906 |
営業時間 | 8:00~18:00 不定休 |
交通 | 京阪伏見稲荷駅から稲荷大社の方向へ徒歩1分 JR稲荷駅から徒歩3分 |
ホームページ | https://www.k-matsuya.jp/ |
Writer深草もっとひろげ隊
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深草地域ではたらく職員みんなでとっておきの情報をお届けします。
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