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ライターのCozueです。
青い空、眩しい陽射し、夏空に現れるモコモコした入道雲、忙しないセミの合唱が夏の暑さをより盛り上げてくれるように感じます。
我が家も、日常の静けさから一気に家の中も忙しくなる夏休み(魔の41日間ともいう)に突入・・はぁ〜(深くため息)。
夏休みに入る前から「夏休みが早く終わらないかなぁ」なんて、毎年願うのは私だけでしょうか。
そんな時は自然豊かな山並みと澄んだ空気、ゆるやかに流れる時間に心とカラダを元気にさせてくれる場所で気分転換するのも良いかもしれませんね。
今回は京都市左京区の北東部に位置する、日本の美しい情景が残る大原に訪れました。
京都市内からバスで揺られること約1時間、流れる風景をみながらバスは終点「大原」に到着。大自然の空気を胸いっぱいに吸い込み、山から吹き下ろす爽やかな風を感じながら取材先へと向かいます。
大原バスターミナル バス停の裏道から、寂光院を抜ける大原女(おおはらめ)の小径の川沿いを進むと大きな古民家の「大原リバーサイドカフェ 来隣(きりん)」さんが見えてきました。
大原の旬の野菜がふんだんに使われたおばんざいビュッフェが人気
お話をお伺いしたのは、オーナーシェフであり野菜ソムリエの資格を持つ中山寿士さん。
最近では、すべての料理の味の要となるソルト(塩)コーディネーターの資格も取得されたといわれます。
以前は、京都市の「美しいまちづくり重点地区」に指定された木屋町(きやまち)で、新鮮な野菜が味わえる来恩(らいおん)という居酒屋を営まれていました。
2013年4月、「木屋町の隣の町まで来てください」という意味を込めて、来隣(きりん)と名付けられたこの風光明媚な大原にてお店をオープン。
“居酒屋を営んでいた頃から、野菜にこだわりをもっていたので産地の近い場所、そして何より大原のおいしい野菜に惚れ込みました”と語られる中山さん。
野菜を収穫した場所でお店をオープンしたいという想いが、”大原”という場所を選んだ第一の理由だといわれます。
何かひとつ極めたいという知的好奇心を掻き立てられたのが「野菜」だったという
また町中で食べる野菜よりも、同じ食事であれば大自然の環境の中で食べた方が圧倒的に美味しいというのが第二の理由だそうです。
清らかに流れる湧き水、澄んだ空気、のどかでどこか懐かしさの残る”大原”。
個人的にも、季節を変えて何度も訪れたい場所のひとつになりました。
シェフであり野菜ソムリエの資格を持つ中山さんだが、子供時代は野菜嫌いだったそう。
大人が好むような野菜(シソ・ネギ・ピーマンなど)、酸味、苦味、辛みなどがあるクセの強い野菜は本当に苦手だったと話されます。
(野菜嫌いだったのに、どうして野菜を克服できたのか母親として一番お聞きしたい部分)
中山さんも子供時代には、親から「色々と食べてみてごらんなさい」と言われた記憶があり自分が食べてみたいと思わない限り口にはしなかったそう。
そんな中山さんが、某中華料理チェーン店のチンジャオロースのピーマンを食べたことがキッカケで徐々に野菜嫌いを克服していったのだとか。
『それと同じで、無理して食べさせようとするのではなく子供の「味覚と経験」がともなってきた時にタイミングを作ってあげるのがいいかと思います。
無理強いをして嫌いになるよりも、味覚と経験を育てていった方がいつか食べやすくなるのではないか。”食べてみたい”と思うことが、まず大事なんです』と語られます。
厨房には、山盛りの新鮮な野菜と彩り豊かな野菜たっぷりのTAKE OUTランチも。
野菜嫌いからはじまり、ひょんなことから野菜嫌いを克服、そこから料理の道へ。
色んな野菜に出会って勉強していくうちに、大原の大地が育むおいしい野菜に感動を覚えたという中山さん。
とくに大原の冬の根菜類「大根」の甘みとみずみずしさには衝撃をうけたといいます。
もっと知りたいという気持ちから紐づき、野菜嫌いだったことやなぜ野菜が食べれなかったのか明確になっていったそうです。
収穫されたばかりの野菜は、まだ生きていて呼吸をしている新鮮な状態。
採れた場所で食べることは、栄養が一番多く含まれており何より美味しく味わい深いのです。
メニューを考えた時に「サラダをモリモリたくさん食べてほしい」という想いがあり、野菜本来の味だけで食べられるようなものをと考えたのがドレッシングだったそう。
市販のドレッシングは、醤油ベースやオイルベース(フレンチ・イタリアン)なものが多い。
中山さんの考える子供から大人まで食べられるドレッシングをカタチにしたのが日本っぽく”素材ベース”を重点においたドレッシング。
以前、イタリアンのお店にいた頃に作られていたというドレッシングレシピを中山さんのカスタマイズレシピから誕生した「中山ドレッシング Apple & celery 」。
分量は変えず、調味料頼りで味付けをするのではなく、セロリのさわやかな風味とリンゴの素材の甘みを存分に活かし塩・オイル・ビネガーで食べやすいように仕上げられています。
暑い季節にはピッタリのさわやかな風味に仕上がっており、生野菜にたっぷりかけていただきたい
素材ベースを重点に作られた「中山ドレッシング Apple &celery(820円税込)」
※オンラインショップでも、各種ドレッシングがお買い求めいただけます !!
京都藤原納豆×来隣さんのコラボドレッシング(右)もかなり気になる商品
また塩にもこだわっており、高知県産のフルール・ド・セル(フランス語で塩の華を意味する)を使用。良質の塩田から取れる大粒の天日塩だといわれる。
Apple & celeryのドレッシングの他にも、玉ねぎと人参ドレッシング・納豆ドレッシングなどこだわりがたっぷり詰まったドレッシングたち。
ドレッシングは全て手作りなので、自然の甘さやコクが感じられ野菜サラダの美味しさをより一層楽しめるに違いありません。
「約半年か、一年前くらいでしょうか。タヒニドレッシング(890円税込)というのが、すでに出来上がっているんです」と語られる中山さん。
タヒニとは、生の胡麻をペースト状にしたもので中東料理や地中海料理によく使用されているのだとか(日本では、練り胡麻に近いかも)
タヒニソースといって中東などでは、胡麻、ニンニク、レモンなどを使ったポピュラーなソースを来隣さんではドレッシング仕様にしたそうです。
中山さんいわく、タヒニソースは何年も前から食べられていたそうで分量などを調整し、ドレッシングにすると乙な味わいに仕上がったのだとか。
ゴマを使用しているので、日本人には馴染みやすい味なのかもしれません。
天井が高く、木の温もりにホッとできる雰囲気の店内、窓はすべてフルオープンとなっている
またドレッシングの他にも、別の調味料の発売など視野に入れていますかの問いに・・。
現在商品化はしていないが、料理の際に使用しているスパイス塩があるのだとか。
使用している塩にもこだわりがあり、ソルトコーディネーターの資格を取得されているのでオリジナルソルトの商品化もあるのか?と思いきや。
商品化となると色々と時間を要することもあり、具体的な商品化は未定とのこと。
料理で使われているスパイス塩が、お客様からの熱いご要望がたくさん続くならば、もしかしたら商品化の可能性もあるかも!!
ドレッシング自体は甘めでお子様からお年寄りまで好まれる優しい味つけ。またリンゴの甘さも相まって、甘さと爽やかさのあるドレッシングに仕上がっています。
レタスだけにかけることも勿論アリですが、あえてこの甘さと正反対の味(苦味野菜など)に対比させることでグッと美味しさもアップするのだとか。
肉みそピーマンが絶品! 生ピーマンは苦味を全然感じる事なく、思わずおかわりしてしまう
シーズンにもよるが、夏・冬はほぼ大原で採れた野菜をふんだんに使用している
例えば、少しピリッとするような辛味のあるトレビス、ルッコラ、コリアンダー、わさび、からし菜、水菜などの組み合わせたサラダなどにもOK!
来隣さんのお店まで続く道を、夏の元気印”ひまわり”がお出迎えしてくれる
シンプルに、トマト×玉ねぎとApple & celeryのドレッシングの組み合わせは、味が合わないはずがないと”美味しさの公言” をしているという中山さん。
野菜の生産者さんの努力と野菜本来の味を大切にしようとする志が、ほんまもんの美味しさの相乗効果を生み出しているのではないでしょうか。
今回の食いしん坊な我が家の「中山ドレッシング Apple &celery 」のいただき方をご紹介。
夏の定番である「そうめん」を使って、暑い夏を少しでも涼しく、そして見た目も美味しく食べたいレシピです! (今回は、めっちゃ簡単に調理できました)
夏の食卓も、華やぐ「Apple & celeryつゆドレでいただくカラフルそうめん」
左から、柚子素麺×ミョウガ ・ 桜素麺×オクラ ・ 抹茶素麺×オレンジトマト
【 材料 】一人分
・カラフルそうめん・・・3束 (ふつうのそうめんでもOKです)
・トッピング(オクラ・トマト・ミョウガ)
☆つゆドレ
・めんつゆ ・・・大さじ2
・Apple & celeryドレッシング・・・大さじ3(よく振ってからお使いください)
【作り方】
個人的には、さわやかな苦味のあるミョウガのトッピングがお気に入り。
夏に旬の野菜や果物を摂ることで、夏バテ防止にもつながるので積極的に食卓に取り入れこの暑い夏を乗り切りたいですね!
店舗・施設名 | 大原リバーサイドカフェ 来隣(きりん) |
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住所 | 京都市左京区大原来迎院町114 |
電話番号 | 075-744-2239 |
営業時間 | 11:30〜16:00 定休日 : 火曜日 |
交通 | 京都市営バス「大原ターミナル」より徒歩5分 |
駐車場 | なし (周辺にある観光用の大きな駐車場(有料)をご利用ください) |
ホームページ | https://www.ohara-kirin.com/ |
WriterCozue
WriterCozue
福岡出身、京都在住。 中学生の頃、修学旅行で訪れた京都に「運命」を感じる。夢にみた京都暮らしが現実になり、専業主婦からライターの名をもつ兼業主婦に。 旅先の地元スーパーや道の駅などで、面白い、珍しいご当地の調味料探しにハマっている。書店巡りも大好きで最高の癒しスポット。 少しずつ身についてきた京都弁、たまに飛び出す福岡弁の方言MIXも気に入っている。