京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹。「食材の組み合わせが斬新! そしておいしい!!」と評判の料理を提供する二人が、二十四節気に合わせて考えてくれたおつまみを紹介します。なお、メイン食材は野菜。京都の京北町の農家さんから毎回、この季節の〝推し野菜〟のお題をもらう趣向です。
第7回は、「小暑(しょうしょ)」(2021年は7月7日~7月21日)にぴったりな一品をどうぞ。
ガスパチョはスペインに伝わる、野菜を使った冷たいスープ。「キュウリって、そのまま塩をつけて食べてもおいしいですが、ちょっと気分を変えたいときにおすすめです」と、めぐみさんは話します。
「まつは」のお店でも、夏場にキュウリを使った和風のすりながしを出すことがよくあるそうですが、お酒を合わせることを考えて、ニンニクを加えたガスパチョに。また、お酢を加えることで、キュッと味が引き締まるのもポイントだといいます。
今回のお酒は、サントリーの「ROKU」というジャパニーズクラフトジン。
「ジュニパーベリーのとてもよい香りが印象的なお酒です。キュウリとジンは、すごく相性がいいんです。このガスパチョに隠し味として加えても、ぴったり。ただ、今回は、あえて分けて、キュウリの独特な〝青い香り〟とみずみずしさをダイレクトに味わってもらえるようにしました」(めぐみさん)
〈材料(作りやすい分量)〉
キュウリ(大きめのもの)…2本 バゲット(水にひたして軽くしぼる)…一切れ ニンニク(芯を取り除いて)…1かけ ヨーグルト…大さじ3 酢、オリーブオイル…各大さじ2
<2種のトッピング(例)>
・稚鮎の素揚げ:稚鮎に薄力粉を軽くはたいて、オリーブオイルでカリッと揚げ焼きにする
・クスクス&キヌアのサラダ:ゆでたクスクスとキヌア、みじん切りのタマネギ、大葉(ミントやパセリなどでも)を、塩とビネガーであえる
〈作り方〉
(1)キュウリは皮をむき、乱切りにする。バゲットは親指くらいのサイズにちぎる
(2)ミキサーに(1)とそのほかの材料全てを入れ、スープ状になるまで攪拌(かくはん)する
(3)塩とホワイトペッパー(いずれも分量外)で味を調える
(4)器に移し、好みのトッピングをする
※酢は酸味のマイルドなものがおすすめ。まつはでは、きび酢を使用。白ワインビネガーや玄米酢などでも。酸っぱいものが苦手な人は加える量を減らすとよい
※ミキサーにかけたとき、キュウリの水分量によっては仕上がりが濃すぎることも。その場合は、水を加えて調整を(あまりにも薄めると、おいしくなくなるので注意)
やっぱり、キュウリとジンの相性は最高! 「引き立て合う」「いろんなジンと合わせてみてもいいなぁ」とお二人。このガスパチョにパンを添えて、軽い食事にしてもお洒落ですね
ジンを注ぐグラスも可愛らしい!
「まつは」は7月13日(火)から、店内での飲食再開を予定。なお、当面のあいだ、予約は受けないかたちでの営業になるそう。営業時間やメニューなどの詳細はホームページやSNS(facebook、Instagram)に随時アップされるので確認を。
「ティースクール(毎月第3日曜の午後2時~4時、手作りのお菓子4種付き)」や「おふく市(毎月最終金曜・土曜)」などのイベントは実施されます。
写真は、ほーちゃん(めぐみさんのお子さん)も取材にちょっぴり参加中の様子
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この季節の〝推し野菜〟メモ
キュウリ
一般的に流通するキュウリは、見た目がよいとされるブルームレスという品種がメインですが、最近は、表面に白い粉を吹いたようなブルーム系も皮が薄く味がよいので再評価されてきています。また、トゲトゲした形とパリッとした食感が特徴の四葉胡瓜(スーヨーキュウリ)や親指サイズで香りのいいミニキュウリなど、味の良さを前面に出した品種も多く見かけるようになりました。
意外かもしれませんが、キュウリは収穫せずに置いておくと50㎝くらいまで大きく育ち、香りも甘みも増します(家庭菜園で育てている方は試してみてください。おすすめです)。巨大化して黄色くなったものを「いたちきゅうり」と呼んで、冬瓜のように皮をむいて出汁(だし)で煮て食べる地域もあり、キュウリは加熱してもおいしい野菜です。
解説・吉田修也さん(okulu株式会社/京農園よしだ )
―次回は「大暑(たいしょ)」のおつまみレシピをお届けします
店舗・施設名 | まつは |
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住所 | 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671 |
電話番号 | 075-231-7712 |
営業時間 | 10:00~17:00(LOは16:30) ※17:00以降の利用については要相談。 電話やメールでお問い合わせください。 日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり |
交通 | 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分 |
お問合せ先 | matuhairoiro@gmail.com |
ホームページ | https://www.matsuha225.com/ |
Writer市野亜由美
Writer市野亜由美
京都のおいしいお店を訪ねるのが好き。おすすめの手土産、ランチの行き先など、友人から尋ねられることもしばしば。仕事で、レシピの記事を担当できるのは幸せ。 食の世界の奥深さや、楽しいことへの興味が高じて、小さなイベントを自ら企画したりも。