京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹。「食材の組み合わせが斬新! そしておいしい!!」と評判の料理を提供する二人が、二十四節気に合わせて考えてくれたおつまみを紹介します。なお、メイン食材は野菜。京都の京北町の農家さんから毎回、この季節の〝推し野菜〟のお題をもらう趣向です。
第2回は、「穀雨(こくう)」(2021年は4月20日~5月4日)にぴったりな一品をどうぞ。
「スナップエンドウは家族そろって大好物。ゆでて食卓に出すと、息子がいくらでもパクパク食べるんです」とめぐみさん。今回、紹介する酢みそ和えは、〝さや〟の食感もしっかりと味わえるのがいいと話します。「オリーブオイルと塩で食べたりするのも好きですが、オイリーなものを合わせると表面がツルツルになり過ぎると感じるときも。この一品は、酢みそが部分的にかかっていなかったりする〝まだら〟なところを楽しめるのも魅力ですね」
合わせるのは、兵庫県・山名酒造の「奥丹波 春霞み」という日本酒。「酢みそのしっかりとした酸味、コクを受け止めてくれる生酒です。辛口といってもすいすいと飲める、若々しい感じのお酒。冷やしていたのが常温に近いくらいになった頃合いに飲んでもまたおいしいので、屋外でゆっくりと飲むときにもぴったりです」(由香さん)
〈材料(作りやすい分量)〉
スナップエンドウ…10本くらい みそ(合わせみそ)…大さじ2 酢(純米酢)…大さじ1 塩…ひとつまみ
〈作り方〉
(1)スナップエンドウのすじを取る
(2)鍋にスナップエンドウがかぶるくらいの量の水と塩を入れて沸騰させる
(3)強火で(1)を約1分ゆで、ザルにあげてそのまま冷ます
(4)みそと酢を混ぜて、酢みそを作る。食べる直前に(3)を加えて和える
ゆでた野菜は自然に冷ますのが〝まつは流〟。「今まであまりお互いの料理の手順を気にしていませんでしたが、今回、確認したら一緒でした」とめぐみさん。「水にさらすと味が抜けてしまう気がして。アクとか余熱での色の変化なども含めて、おいしく育った野菜を余すところなく楽しみたいんです」と由香さんも話します
この日の取材は鴨川にて
「奥丹波 春霞み」は〝極薄にごり〟ですが、お二人はまず上澄みを味わってから、濁りを混ぜてほのかな苦味や口触りを楽しむといいます(おすすめの飲み方だそう)。お酒への愛情、やっぱりすごい!
鴨川からの帰り道、「荒神口ひろば」のモッコウバラが満開でした。「ここ、ほんとお気に入りなんです」とお二人。現在、「まつは」は長期のお休み中ですが、お弁当の予約などについては要相談。詳細はメールで問い合わせを
☆ ☆ ☆
この季節の〝推し野菜〟メモ
スナップエンドウ
スナップエンドウは豆なので、鮮度が命! 収穫後はどんどん味が落ちるので買ったらすぐに調理して。ちなみに葉っぱもツルもスナップエンドウの味がします。中国料理ではツル先を豆苗と呼び、高級食材とされているんですよ。
焼き目がつくと香ばしさに香りが負けてしまうため、新鮮なスナップエンドウならではの風味を楽しむなら、ゆでるか軽く炒めるのがおすすめです。
解説・吉田修也さん(okulu株式会社/京農園よしだ )
―次回は「立夏(りっか)」のおつまみレシピをお届けします
店舗・施設名 | まつは |
---|---|
住所 | 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671 |
電話番号 | 075-231-7712 |
営業時間 | 10:00~17:00(LOは16:30) ※17:00以降の利用については要相談。 電話やメールでお問い合わせください。 日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり |
交通 | 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分 |
お問合せ先 | matuhairoiro@gmail.com |
ホームページ | https://www.matsuha225.com/ |
Writer市野亜由美
Writer市野亜由美
京都のおいしいお店を訪ねるのが好き。おすすめの手土産、ランチの行き先など、友人から尋ねられることもしばしば。仕事で、レシピの記事を担当できるのは幸せ。 食の世界の奥深さや、楽しいことへの興味が高じて、小さなイベントを自ら企画したりも。