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こんにちは!クッキー缶が大好きなライター太田かおりです。
最近、色々なお店で新たにクッキー缶が登場していて、人気の高まりを嬉しく感じています。「買いたいリスト」がどんどん増えて、食べるのが追いつきません!(嬉)
さて今回は、そんな新しいクッキー缶を作る際、菓子職人たちから「お手本にしたい」と言われる、レジェンド的存在「村上開新堂」のクッキー缶をご紹介します!昭和から愛され続け、今も注文から数ヶ月待ちの人気を誇る名作です。
明治40年創業の京都最古の洋菓子店、村上開新堂。場所は御所の南、伝統的な店が軒を連ねる寺町二条にあります。レトロな洋風建築は昭和初期に建てられたものです。
一歩足を踏み入れると、そこは和洋折衷の昭和モダンの世界。当時から変わらないショーケースや大理石の柱、タイル張りの床など「タイムスリップできる空間」と老若男女から人気を集めています。
クッキーよりソフトな生地の「ロシアケーキ」
取り扱っているのは主に焼き菓子。昔はバタークリームのケーキやシュークリームなどの生菓子も扱っていましたが、昭和50年代頃から焼き菓子中心の販売となったそう。
奥には2017年にオープンしたカフェも。ここでしか食べられないスイーツが人気
大缶(6,980円)、小缶(5,400円)(税抜価格)
いました、クッキー缶!種類は「大缶」と「小缶」の2種類です。こちらショーケースには並んでいますが、予約制のためすぐに買って帰ることはできません。人気なので注文から手元に届くまでは、常に「数ヶ月待ち」の状態なんです。
ショーケースの横には測り売りの名残が!
このクッキー缶が誕生したのは、昭和40年代。今回お話を伺った4代目店主の村上彰一さんの叔父が、親戚関係にあたる東京の村上開新堂に修行に行き、持ち帰ってきたものだそう。東京の村上開新堂といえば、紹介制でしか買えない人気のクッキー缶を作る名店です。
現在クッキーは缶の詰め合わせのみの販売ですが、当初は缶のほか、測り売りも行っていました。
作っているのは、お店の奥にある工房です。驚くことに、クッキーのレシピは当初からほぼ変わっていないんだとか!最近はバターの分量が多いクッキーが流行りですが、ここのクッキーは小麦粉をしっかり感じられる、シンプルで懐かしい味。 変わらない「村上開新堂の味」を守り続けています。
この日は人気の「ロシアケーキ」を焼いていました
店主の村上さんは「注文からお待たせしてしまいますが、待つ時間、開ける瞬間、食べる時間、全てのストーリーを楽しんで欲しい」とおっしゃっていたので、今回は注文から食べるまでのストーリーを6つに分けてご紹介します!
まずは注文から。方法は、店頭か電話の2つです。ネットで気軽に注文ができる時代ですが、「顔を見て、声を聞いて届けたい」という村上開新堂らしい、こだわりです。受取は店頭か宅配便かを選ぶことができますよ!
注文時に「受取は約○ヶ月後」と伝えてくれるので、楽しみに待ちましょう!現在(2021年3月)は、約4ヶ月待ち。これまでの最長は6ヶ月なんだそう!
写真は「小缶」です
待ち望んだ時がやってきました。待った分、嬉しさ倍増です!手に持つと、ずっしり重い!たくさんのクッキーが詰まっているんだなぁと期待が膨らみます。
さっそく開けてみましょう。昭和の時代より変わらない包装紙と掛紙から、お店を訪れていない方もレトロな雰囲気を感じることができますよね。缶はシンプルな長方形のシルバー色です。
さぁ、心ときめく瞬間です!
蓋を開けると広がる、香ばしい香り。茶色一色のクラシカルな佇まいが、とても上品な印象です。
なんと言っても、見よ!このぎっしり隙間なく並べられたクッキーたちを!お話によると、クッキーを詰める順番は決まっているものの、総数は決まっていないので「完成形は数ではなく、ギチギチであること」!!缶を振ってカタカタ鳴ると、やり直しなんだそう。職人技ですね〜!
種類ごとに違うクッキーの形や、表面の模様を眺めるのも楽しい
クッキーは11種類。どのクッキーから食べようかとワクワクしちゃいますね。
1つのクッキー生地を元にアレンジして全種類が作られているそうで、味の統一感もばっちりです。「小麦粉の分量が多いクッキーなので、香ばしい小麦粉の風味を味わってもらいたい」と、しっかり焼き目がついているのも特徴です。
まだ食べる前なのに、こんなにも楽しめるなんて贅沢…!注文から食べるまで、どのストーリーもじっくり感じて楽しんでくださいね。
お好きなドリンクを用意して、ティータイムを始めましょう!
今回は、歴史あるクッキー缶のクラシカルな雰囲気に合わせて、アンティークの器をセレクトしました。白い器に茶色のクッキーがよく映えて、クッキーの形も一つ一つ楽しむことができますね。飲み物は紅茶のストレートを準備しました。
見た目もレトロでかわいいクッキーたちにメロメロ
左上の「シトロンクリームサンド」は人気の種類の1つ。クッキーはサクサク、クリームは濃厚な甘さの懐かしい味わいで、食べ応えがある1枚です。
そのお隣、お花のようなかわいい形の「チョコレートサブレ」は私のお気に入り。しっかり硬めに焼いている生地はサクッと軽く、何枚でも食べられそうなほど。
全体的に、次から次へと手が伸びてしまうシンプルな美味しさです。その上11種類の味と食感のバリエーションが豊かなので、飽きがこない魅力もあります。どこか懐かしさを感じる、この香ばしい味わいが「変わらない村上開新堂の味」なんですね〜。
おさらいになりますが、予約注文は店頭か電話での受付です。
「美味しさ」だけでなく、お店の歴史や唯一無二の存在感、口に入れるまでのストーリーなど、すべてをじっくり感じて欲しい村上開新堂のクッキー。ぜひ、京都の地で守り続けられている味を堪能してください!
店舗・施設名 | 村上開新堂 |
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住所 | 京都市中京区寺町通二条上ル東側 |
電話番号 | 075-231-1058 |
営業時間 | 10:00~18:00 (日曜・祝日・第3月曜 定休日) |
交通 | 京都市営地下鉄 東西線『京都市役所前』駅 11番出口 徒歩4分 |
ホームページ | http://www.murakami-kaishindo.jp |
Writer太田かおり
Writer太田かおり
京都のおいしいものを巡るのが大好きなライター・撮影スタイリスト。特におやつ好き。得意なテーブルコーディネートをいかして、日々「おうちカフェ」を楽しんでいる。
WEB:https://www.instagram.com/hanah_iraku/