ごきげんいかがですか。
あんこ好きライター、かがたにです。
これまで、私がこのカミングアウトをすると「えー!意外ですねー!」と言われ続けてきたことのひとつが、
和菓子作りの体験をまともにやったことがない…!
ということ。
今回ご紹介する「菓寮 伊藤軒」さんは、1864年に瓦煎餅を製造販売するお店としてスタートした老舗の菓子屋さん。こちらのモダンでスタイリッシュな店舗は2015年に移転オープンしました。
広い敷地の店内には、和菓子と洋菓子の両方が揃う物販エリア、ゆったりと過ごせるカフェの他、完全予約制の和菓子作り体験ができる工房があると聞きつけ、やってきた次第です。
いざ、おたのみもーーーす!
って、あらやだ!間違って洋菓子体験のお部屋にきちゃった?!と一瞬焦りましたが、そもそも洋菓子体験はやっておられませんし、ここが和菓子体験のお部屋で正解なんです(10名以上は別室)。
おしゃれー!
テーブルには私のための材料が準備されています。
体験で使うあんこも店頭売りの上生菓子と全く同じものだそうです。
体験には所要時間60分の「上生菓子体験」コースと、所要時間30分の「おてがる体験」コースがあります。
どちらのコースでも自分で作る和菓子は2種類ですが、上生菓子コースは難易度がちょっと高い工程を含む生菓子が作れたり、職人さんが作った生菓子も持ち帰れるのが喜ばれているのだそう。
和菓子作り体験初心者でビビりの私は「おてがる体験」でお願いしました!
伊藤軒さんで日々和菓子を作っている本職の職人さん数名が日替わりで講師を担当されているのですが、今回ご指導いただくのは、なんと伊藤軒さんで一番のベテラン職人・鎌谷昌太郎さん。
「今日は、白あんに小麦粉を加えて蒸し、砂糖を加えた『こなし』と呼ばれる生地を使って桜のお菓子を作っていきましょう。生地に触る時はアルコールや濡れ布巾で手や箸を湿らせるのを忘れずにね」
まずは、すでに小豆のこしあんが包まれたこなしの玉を小包装用のカップに収まるように、少しだけ平らに手のひらで押しつぶします。
続いて、ピンクと白を重ねた生地を桜の形の「抜型」で5枚抜いていきます。
裏側からお箸の天で押すと、愛らしい桜の花がポコッと現れました。
お次は黄色に着色されたあんを「通し」と呼ばれる濾し器に押し付けて桜の花芯となる部分を作ります。
「きんとんなどのそぼろ状のあんを作りたいときは、今とは反対側からあんを通してトントンと下に落としますが、花芯のように向きが揃っている方が美しい場合は、こうやって網に留めるようにするといいんです」
おお!プロの技…!
と思っていたら、本当のプロの技はこの先でした。
箸先を濡らして少しずつ取ろうとするのですが、これが思うようにはいかず。
いい感じの分量が取れても、桜の真ん中にきれいに置くのが、また難しい…!
鎌谷さんは淀みなくスッスッスッスッス…と5つの桜を仕上げていきます。
雌しべの繊維っぽさが潰れないように息を止めて悪戦苦闘している私を見て、涼しい顔で鎌谷さんが一言。
「そこは全集中、和菓子の呼吸で」
ちょっと!笑かさんといてくださいよ!
いい感じに緊張がほぐれたところで、2品目に取り掛かります。
2品目は深草地域のマスコットキャラクター深草うずらの「吉兆(きっちょう)くん」です。
ココア入りのこなし生地に、くちばしや目をつけていく工程は小さなお子さんでも楽しくできそうです。
うずらは鳴き声が「キッチョー」と聞こえることから、古くより縁起の良い鳥として親しまれている幸せの運び手。
吉兆くんのチャームポイントであるピンク色のほっぺには恋愛成就のパワーがあるという噂も!
普段はレパートリーに入っていない吉兆くんの手作り体験ですが、
「デジスタイル京都を見ました!吉兆くんお願いします」
と予約の際に言っていただくと、2点のうち1点を吉兆くんに変更していただけるそうなので、ぜひトライしてみてくださいね(※2021年4月末までにご予約いただく、ご来店日が5月末迄の体験を対象とします)。
季節に合わせて和菓子の種類やデザインが変わるため、リピートするファンも多いというのも納得の体験でした。
30分でも大満足でしたが、私も次回は60分コースを楽しみたいと思います。
それにしても、和菓子を2品プロの職人さんに指導してもらい、お持ち帰りのきれいな箱にも入れてもらえて1,080円て…!どうかしてますよね(白目)。
特に今は体験が大人気とのことなので、必ず予約をして行かれてくださいね!
店舗・施設名 | 菓寮 伊藤軒 |
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住所 | 京都市伏見区深草谷口町28−1 |
電話番号 | 0120-929-110 |
営業時間 | 10:00〜18:00 原則水曜休 |
交通 | 京阪 藤森駅より徒歩15分 |
駐車場 | あり |
ホームページ | https://www.kyoto-itoken.co.jp/ |
Writerかがたにのりこ
Writerかがたにのりこ
あんこをこよなく愛し、月に2回は自宅で餡炊きをするフリーライター。 元・漉し餡党、現在はあんこ博愛主義者。