ごきげんいかがですか。
あんこ好きライター、かがたにです。
いやはや。
突然ですが、思い込みって恐ろしいものですね。
まずは今回ご紹介するこちらの店名を声に出して読んでみてくださいな。
「Boulange JuriCoのお店(ブーランジェ ジュリコノオミセ)」さん。
どうやらご夫婦で営まれているご様子。
商店街のメインストリートから少しだけ住宅街に入った立地。
雑貨屋さんのようなアンティーク調のインテリア。
実際、雑貨屋さんと思って入ってこられるお客さんもいたそうです。
(いや、パンのいい香りがしているので気づくと思うのですが)
とにかく可愛らしい店内の様子に、私は安直にもこう思ったのです。
(これはシェフが愛する奥様のお名前を店名に入れたのに違いない…!)
そこで奥様に伺ってみたところ、
「実は、シェフがジュリコなんです(笑)」とのお返事。
えー!そっち?!なんでも、小学校時代からのあだ名だそうですよ。
しかも、イントネーションが予想外!
私は「トトロ」と同じイントネーションで読んでいたのですよ。
そしたら、実際は「政界の暴れん坊」の異名を持つ浜田幸一氏の愛称「ハマコー」のイントネーションやったとです…。
他になかったかしらと考えを巡らしましたら「悲しみは雪のように」のヒットでおなじみ浜田省吾氏の愛称「ハマショー」とも同じでした。
…って、浜田さんばっかりやないか!
なお、店主ご夫妻は「吉田さん」です。
それでは、誰もがウォオォウォオォォ〜っと、虜になっちゃう人気のあんぱんの紹介にうつりますね。
今回私が心を撃ち抜かれたのは、「かのこあんぱん」。
「かのこ」というのは、あんこ界では「小豆の蜜漬け」のこと。
元々は鹿の子の背にある斑紋をそう呼ぶのですが、同じく見た目が似ているものとして、着物の絞り柄やポロシャツなどの編み方が有名ですね。
表面は菓子パンらしい、すべすべでパツーンと張った薄皮に黒ごま。
(このパツーン!が個人的に超理想的でした)
手に持つと、ふわふわの生地越しにあんこのずしりとした重量感が伝わってきます。
いかにも王道のあんぱんといった表情ですが、割ってみるとご覧の通り!
具のつぶあんとは別に、生地の中に「かのこ」が入っているのがわかりますでしょうか。
ちょうど割ったところに入っているのが見えると、フランスの伝統菓子ガレット・デ・ロワのフェーヴの「当たり」のようで、なんとも嬉しくなってしまいます。
フェーヴは1ホールに1つですが、こちらの「かのこ」は1つのパンにいくつも入っているので、「あ!またあった〜♫」と何度も楽しめるのがいいですね。
かのことつぶあんとは食感が全く違うので、おそらく目をつぶって食べていても気づけるのではないでしょうか。
今までにあってもよさそうなのにあまり見かけないのは、やはり手間がかかるからでは、とシェフ。
お店がオープンするときに応援に駆けつけてくれた修行先の社長さんからも「お前、また手間のかかるパンにして〜」と苦笑されたのだとか。
パン生地とあんこのバランスを伺ったところ、
「50gのパン生地に10gのかのこを混ぜて、60gのつぶあんを包んでいます」とのこと。
生地よりあんこの総量の方が多いですが、甘さ控えめなつぶあんと、ほんのり甘いふわふわ生地、そしてホクッと楽しいかのこの組み合わせの妙で、あっという間にペロリでした。
他にも、中華の胡麻団子をイメージして作ったという大きな「胡麻あんドーナツ」や季節限定の「桜道明寺あんぱん」など、
シェフのパン作りのモットーである「ひと手間、ひと工夫」が光るパンがいろいろと並んでいますので、ぜひそちらも楽しみに訪れてみてはいかがでしょうか。
店舗・施設名 | Boulange JuriCoのお店 |
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住所 | 京都市伏見区深草枯木町41-8 |
電話番号 | 075-643-3933 |
営業時間 | 7:00〜19:00 日・祝休とたまに不定休 |
交通 | 京阪 藤森駅より徒歩5分 |
Writerかがたにのりこ
Writerかがたにのりこ
あんこをこよなく愛し、月に2回は自宅で餡炊きをするフリーライター。 元・漉し餡党、現在はあんこ博愛主義者。