京都在住の外国の方に、「どうして京都へ⁉」「京都のどこが好き??」など京都尽くしのインタビューを実施し、異文化視点から京都の魅力を再発見することを試みるコーナー【YOUは何しに京都へ?】。
第8回目のゲストは、イタリア人のMatteo(マッテーオ)さん。日本の漫画が大好きで、日本のサブカルチャーをユニークな視点で分析をする、話題豊富で話し上手な男性です。
イタリア出身のマッテーオさん。英語の勉強をするために、24歳の時にイギリスのカーディフに引っ越し、大学に通いました。イタリアで過ごした子ども時代、たくさんの日本のアニメを見て育ったこともあり、日本語に興味を持っていましたが、イタリアでは日本語を学ぶ機会に恵まれず、カーディフで英語とスペイン語そして日本語を履修。
日本語を学ぶうちに、一度日本を訪れてみたいという熱い想いに駆られ、千葉県のオーガニックファームにショートステイ。それを手配してくれたのが、当時カーディフでエージェントをしていた今の奥さんです。ふたりは、3年間の国際恋愛の末にご結婚。最初はカーディフに居を構えましたが、奥さんのために京都に引っ越してきました。
イタリアやイギリスで過ごしたこともあるマッテーオさんが、京都のすごくいい点だと思うところは、ずばり治安の良さ。「ヨーロッパでは、子どもが一人で外で遊ぶことはできません。それはイタリアでもカーディフでも一緒です。でも日本は、地域のみんなで子どもを見守っていると感じます」と話してくれました。
一方で、京都の気候はクレイジーだ!と笑います。今はすっかり慣れましたが、住み始めた時は「死んでしまう…」と思ったそう。「サラリーマンが真夏の炎天下の下、スーツを着ているのは信じられなかったし、例えば、先週は半そでを着ていたけれど、今週はコートを着るなど気温の変化が激しいのは面白い」と語ります。
これは京都に限ったことではないけれど、と前置きがありつつ「イタリアと日本では家族を大切にするところが共通点だと思う。」と話してくれました。例えば、子どもの寝かしつけについて。自身も息子さんの子育てに奮闘中のカーディフさんは「子どもはいつか、自分で一人で寝たいという日が必ず来る。だからその時を待つ。これはイタリア流。日本も一緒です。でもイギリスではどんなに子どもが泣いても、子どもは一人で寝かせる。僕は日本の家族観に親近感を覚える」と話してくれました。
また「日本は家で家族そろって食事をすることを大切にしているけれど、これもイタリアと同じ」と微笑みます。「外で食事をする、買ってくる方がもちろん簡単だけれど、イタリアでは家で食事を作ることがとても重要視される。だから、母親は子どもの好物や味の好みをちゃんと把握している。これは「把握している」ということに意味があるんだ。日本人も似た感覚を持っていると感じます」と感想を教えてくれました。
マッテーオさんが「毎日通い詰めてしまう」と照れ笑いするのは、BOOKOFF 京都太秦店。マッテーオさんにとって、ブックオフは、「本屋さんでもない、セカンドハンドショップ(中古店)でもない、不思議な空間。」とのこと。イギリスでは基本的に書店で立ち読みすることができないそう。
でもブックオフでは立ち読みOK、本の内容を知るその場でしっかり確認するとこができます。マッテーオさんにとってブックオフは、「書店と図書館が一緒になったような感覚」になるそうで「とてもユニークで大好きだけれど、どうしてこのようなシステムが成り立つのかわからない。」と首をかしげるシーンもありました。
日本語の漫画やゲームの翻訳も手掛けるマッテーオさんは、日本のアニメや漫画が世界で受け入れられることは、日本にとってとてもいいことだと感じています。例えば、ドラえもん。マッテーオさんは子どもの頃「どうして彼らはナイフとフォークを使わないの?」と疑問に感じたそう。
さらにお金持ちのスネ夫と平均的な家庭に育つのび太が同じ学校に通い、遊び友達であるのがとても新鮮だったそう。「自分にとって新しい文化に触れた時、人は『もっと知りたい』と思う。それが大事。その時に大切なのはその答を知ることではなく、相手に興味を持つこと。
異文化交流の基本は、相手に興味を持つことなんだ。それがお互いの理解に繋がっていく」と熱く語ってくれました。蹴上にある国際交流会館にも足繁く通い、様々な年代の京都の人々と交流を深めているというマッテーオさん。これからも、イタリア・イギリスのカルチャーを京都にどんどん発信し、日本のアニメやゲームの世界進出を支えてくださることでしょう!
店舗・施設名 | BOOKOFF 京都太秦店 |
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住所 | 京都市右京区常盤一ノ井町5-1 |
電話番号 | 075-873-2770 |
交通 | JR花園駅から新丸太町沿通り沿いに西(嵐山方面)へ。徒歩10分。車3分。 |
Writerみやはら由惟
Writerみやはら由惟
京都在住のフリーライター・編集者。
約6年間の東南アジア生活を経て本帰国。異国の地で日本を感じるポイントに出会える度に嬉しかった気持ちが忘れられず、今は京都の中の異国を探す日々。
目指すは、美味しいもの・人との出会いを通して、京都の中で世界一周旅行!