京都在住の外国の方に、「どうして京都へ⁉」「京都のどこが好き??」など京都尽くしのインタビューを実施し、異文化視点から京都の魅力を再発見することを試みるコーナー【YOUは何しに京都へ?】。
第7回目のゲストは、インド人のhegde(ヘガデ)さん。日本語学習歴1年で、驚くほど流ちょうに日本語を話すITエンジニアの男性です。
ヘガデさんのご出身は、インドの南西部に位置するバンガロール(ベンガルール)。一年を通して温暖な気候で非常に過ごしやすいことから「インドの軽井沢」とも呼ばれる街です。IT都市としても知られており「インドのシリコンバレー」と表現されることも。ヘガデさんもバンガロールでIT技術を身につけ、親戚の方のススメもあり日本での就職を目指しました。ビジネストリップで日本をよく訪れる叔父さんの「日本は安全で快適だよ」という言葉がヘガデさんの背中を押したそう。
九州の日本語学校に通学し、アルバイトをしながら1年間日本語を学びました。その後、就職活動をして京都のIT企業に就職。ちなみに、その時の日本語学校の仲間で、日本で就職できたのはヘガデさんだけだったとのこと。とっても優秀です!
インドで使われている言葉は、200以上と言われています。ヘガデさんの母国語は、カンナダ語というカルナータカ州の公用語ですが、小学校から授業は英語で受けており、英語も母国語のように話せます。複数言語を操るのが当たり前の環境で育ったヘガデさんにとって、日本語でしかコミュニケーションが取れない日本の状況はとても衝撃的だったそう。日本に住むなら、日本語をしっかり話せることはとても大切だと強く思ったと話してくれました。
その他、日本での暮らしで印象的だったのは物価の高さ。九州で暮らし始めた時、モノを買うのも、髪を切るのも、車の免許を取るのも「なにもかもが高い!」と驚愕。その後就職で京都に転居してきて「京都はさらに高い!」とびっくり。カルチャーショックを受けました。そして更に印象的だったのは、街にいる人の数。人の数がとにかく「少ない」と感じたそう。コロナ禍の影響もあるかもしれませんが、インド第3の人口を誇るバンガロールご出身ならではの感想ですね。通勤では毎日電車を利用していますが、日本人が乗車前に自然に列を作って電車待っている光景は、日本のいいところだと思うと笑顔で語ってくれました。
京都にはインド料理店がたくさんあり、多くの外国人スタッフさんが働いています。しかし、そのほとんどはインド人ではなくパキスタン人の方。ヘガデさんは、京都では本格的なインド料理店が、なかなか見つけられないと言います。インド料理店のほとんどでは、ホンモノのインド料理を出していないと感じるので(これは、海外在住の日本人が和食のお店で出されるお料理を「なんちゃって日本食」と感じるのと同じですね)、インド料理は基本的に自炊。
インターネットで食材を揃えて、自宅でカレーを作る日々を送っています。とは言えヘガデさんは、日本食が大好き。鶏の唐揚げ、とんかつ…と好物がたくさんある中で、お気に入りは京都北白川 ラーメン魁力屋。2005年に北白川で産声を上げ、創業からわずか15年で総店舗数100店舗を達成している人気店です。大豆の旨味が引き出された特製醤油がベースのスープは、インド人のヘガデさんのお口にもよく合うようです。
京都に住み始めてからまだ1年も経っておらず、コロナ禍の影響もあり思うように出かけられない日々を送るヘガデさんですが、この秋は嵯峨嵐山や貴船神社などで、紅葉を楽しみました。京都の観光地は、英語の案内があるので困ることはほとんどないと言います。これからもっと、京都の観光地を訪れたいと思う一方、広島や長崎にも興味があるそう。学生時にインドで世界史を学んだ際に、日本の広島や長崎の戦後の復興について触れたので、いつかは自分の目で、今の広島や長崎の姿を見たいとこれからの夢を語ってくれました。
店舗・施設名 | 京都北白川 ラーメン魁力屋 丹波口店 |
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住所 | 京都市下京区中堂寺北町15-1 |
電話番号 | 075-874-4499 |
交通 | JR山陰本線 丹波口駅すぐ |
ホームページ | https://www.kairikiya.co.jp/ |
Writerみやはら由惟
Writerみやはら由惟
京都在住のフリーライター・編集者。
約6年間の東南アジア生活を経て本帰国。異国の地で日本を感じるポイントに出会える度に嬉しかった気持ちが忘れられず、今は京都の中の異国を探す日々。
目指すは、美味しいもの・人との出会いを通して、京都の中で世界一周旅行!