グルメ・お土産

2020.12.23

 

ビーツのディープフライで驚かされるのが、調味料を全く使っていない点。「低温で揚げてゆっくりと芯まで火を通すと、とっても甘いでしょう? ビーツはミネラルが多いからか、塩けも感じるので、何も付けなくてもいいんです」とめぐみさんは話します。そうそう、ひとつ注意点が。「揚げたてはとても熱いので、ほどよく冷めてから、食べてくださいね」とも。冷めてもおいしく、彩りがよいので、お弁当に登場させたりもするそうですよ。

今回、お粥を盛り付けたのは、陶芸家・灘さとみさんの器。横長で、深さがあるので、カレー、シチュー、サラダなど、何とでも相性がよく、柔らかな触り心地も特徴です。ビーツを乗せた五角形のお皿は信楽の陶芸作家・小川記一さんのもの。シックな色みの鉄彩作品ながら、桔梗の花を思わせる五角形のフォルムが可愛く、お気に入りだといいます。「白竹のお箸は京都の『竹と木のお店 ばんてら』さんで、求めたものです。今回のビビッドな色のお料理には、クリーム色の白漆を塗ったお匙とこのお箸が合うと思い、添えました」(めぐみさん)

例年、この時期になるとわざわざ訪れてくれるお客さんがおられたり、パーティーをしたりと、「年末は少しお祭りのような気分にもなるし、皆さんに会いたいな、友達の顔が見たいなと思うシーズンですが、今年はなかなかそうもいかず、さみしいですね」とお二人。昨年の年越しのイベント時に市販のシュトーレンをふるまったところ好評だったので、今年は、せっかく時間もあるからと、自ら焼かれたそう。「うちからのあいさつ代わりになればと挑戦してみました」と、由香さんはにっこり。ただ、でもね…まさか、お二人がめいめいに作られていたとは~!!(笑)

素材にこだわり、子どもにも食べやすい少しふんわりとした食感を意識しつつも、やや挑戦的にいろいろ加えてみるめぐみさんに対し、まずは基本の〝ドイツのおばあちゃんのレシピ〟のようなシンプルなものを知りたい・作りたいという由香さん。それぞれの個性が出ますね。取材が一段落してから、皆でカットしたシュトーレンの味見をしましたが、ニコニコと口に運びながらもお二人は、味の研究に余念なし。さすが! 来年もますます、「まつは」のレシピが楽しみなのでした。

年末年始のお店の予定は、2020年12月24日から冬季休業に。通常営業の再開は、2021年1月12日(火)からです。

 

▲消化がよい「かぼちゃ粥」は、「胃を休めたい夜の食事などにもどうぞ」とお二人。ごちそう続きの年末年始にもいいかも!

 

▲この小川記一さんのお皿は、高台(こうだい)が付いていなくて、なめらかで手のひらにフィットするような形が魅力だとか

 

▲今年、初挑戦のシュトーレン。こちらはオーガニックの全粒粉にブランデー漬けプルーン、生クルミ、自家製マジパン、チョコレートチップなどが入った、めぐみさん作

 

▲シュトーレンのお相伴。今後、同店のイベントなどで味わうチャンスがあるかも。姉妹どちらの作も、それぞれ美味しかった~

 

 

―次回は〝小寒(しょうかん)〟をイメージしたお料理のレシピをお届けします

Information
店舗・施設名 まつは
住所 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671
電話番号 075-231-7712
営業時間 10:00~17:00(LOは16:30) ※17:00以降の利用については要相談。電話やメール(matuhairoiro@gmail.com)でお問い合わせください。
【日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり】
交通 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分
ホームページ https://www.matsuha225.com/

Writer市野亜由美

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Writer市野亜由美

京都のおいしいお店を訪ねるのが好きなライター。レシピ記事が得意。
今回は、自身のお気に入りのお店「まつは」の西村めぐみさん(写真向かって右側・姉)、西村由香さん(同左側・妹)の協力を得て、簡単に作れて、ワクワクするようなレシピを連載する夢が叶いました。 「お茶をするのも、お酒を飲むのも、ぼーっと過ごすのも好き」という西村姉妹が切り盛りする同店は、2020年2月で6周年。良い塩梅(あんばい)に、かしこまり過ぎず、丁寧につくられた食事やスイーツ、おつまみにファン多数。
WEB:https://www.matsuha225.com/

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