こんにちは。藤松です。
寒くなってくると、あったかーいものが恋しくなりますよね。
しゃぶしゃぶ、どうですか。
しかもポン酢やごまだれじゃなくて、
アツアツお出汁にさっと具材をくぐらせるだけのやつ。
そんなお店が西院にできたんです。
西院はいま、若手料理人が続々お店をオープンさせている、京都のホットスポット。
このブログでもたくさんそんなお店を紹介していますが、
今日ご紹介する「京てんとう」さんも、西院に飛び込んだ実力派の一店です。
ではいつもどおりお店に行ってみましょう。
「こんにちはー」と引き戸を開けると、そこに広がるのは何というか、めちゃくちゃ昭和感(平成でもないよ)漂う空間。
しかしまさに塵ひとつないとはこのこと。
店内がきれいなことこの上ない。
古くとも塵一つなく清められた店内は、神々しいほどのすがすがしさ。
「丁稚(でっち)時代※からこれ(掃除)だけは仕込まれていますから」
と店主の打越さん。いやいや今の時代、すごく大事なことですよ!
※駆け出し時代を意味する打越さんの表現。
■塵一つない行き届いた店内
打越さんは長年にわたり祇園のしゃぶ禅さんで修行してこられました。
「途中、ほかのことをやりたくなって(しゃぶ禅を)出たこともあるんですが、最後は料理長を11年務めさせてもらいました」
その後、独立を果たしここに「京てんとう」をオープンしたわけです。
このレトロな店舗は居ぬきで、前の主(※注:うどん屋さんでした)から譲り受けたもの。
前の持ち主も、この店をまるごと預けられる人をちょうど探していたというから、タイミング絶妙!
■打越さん、人懐こいいい笑顔。ツキのよさも持っているようです。
いろいろお話を伺いながらも、目の前のしゃぶしゃぶが気になってしょうがない私。。。
「あの、そろそろ火、入れてもらってもいいですか」
思わず言ってしまってました。
■今日は「京都産 今日のもち豚しゃぶしゃぶ(1人前2,300円)」をいただきます!
ふつふつと沸き立つお出汁。温まるにつれ、昆布やかつおのまろやかな香りがふおわぁっと広がります。
めちゃくちゃ、いい匂い。
「出汁は毎日、こんぶとかつおで取っています。京もちぶたを使った豚しゃぶは、肉の部位によって甘みも違うので、出汁の味はちょっとずつ変えるんです」
“こんな感じで”と、熱が入って透き通った豚さんをさっそくいただきます!
■味付けされたお出汁がかなりいい感じ。
■2枚目はさっと出汁をくくぐらせたネギを巻いて!!
うまいなあ!
ポン酢やごまだれのしゃぶしゃぶももちろん大好きですが、「京てんとう」さんのお出汁でいただくしゃぶしゃぶは、あっさりしていて、飽きずにいくらでも食べられそうです。
食べ盛りのウチのスタッフなんかを連れてくると、果たしてどれくらい食べるのか、想像するとちょっと怖くなってきた。笑
■豚肉以外の付け合わせには、京ゆば、半兵衛麩の生麩、水菜や白菜、シイタケなどがついてきましたよ。
お次は柚子胡椒を入れていただきましたが…。これがとてもいい感じ(ごめん写真忘れた)。
柚子胡椒って、最近はよく使われますが個人的には結構難しい薬味だと思っています。でも「京てんとう」さんのしゃぶしゃぶは、柚子胡椒を使うと絶妙に「味変」!
柚子胡椒、出汁、素材、三者の強力なタッグが感じられて、うまみ倍増!
こりゃ、いいわ~。
「なにも特別なことはないんです。ただ、いつもどおりに出汁を取っているだけ」
それでも打越さん、昆布もかつおも、昔からお付き合いのあるところのものを使っています。
「“安いから”と仕入れ(先)を変えても、思ったとおりの出汁がとれないです」
なるほど理想の出汁は一日にしてならず。素材のクセをも知り尽くして、目指す出汁が取れるんですな。
そしてこの出汁がおいしいしゃぶしゃぶのお供はこちらのお酒! 奈良の「特別純米 辛口みむろ杉(900円)」です!
「みむろ杉」は、スキッとした辛口。だけど、それだけじゃない味わいです。
「日本酒と焼酎が好きなんで…」
打越さんが話すとおり、お店のメニューは「日本酒」や「焼酎」がずらり。日本酒好きなら「おおっ」と嬉しくなるラインナップではないでしょうか。
■「京てんとう」の店先に吊るされた「杉玉」。打越さん、開店にあたってぜひこれを吊るしたかったそう。
■こんなふうに枡にこぼしてくれるのも、日本酒好きには嬉しいのです。
そろそろ〆にはいります。
“〆の前にひと声かけてください”、と言われていたので声かけしたところ、打越さんが持って現れたのは、極細の“そうめん”。
「以前奈良で食べたことがあって、これは使えるなと」
鍋の〆と言えば、うどん、ラーメン、雑炊などが定番ですが、そうめんというのはなかなかない。と言いますか、私の中では人生初。
■まずは煮詰まって味の濃くなったしゃぶしゃぶの出汁を、味のついていないお出汁で再度のばします。それをもう一度煮立てて…。
■極細のそうめんは、出汁に放つとすぐにふわっと踊りはじめます。固めの食感が好みなら割とすぐに掬ってもおいしくいただけます。
そうめんも完食! 食べ終わったときには出汁もすっかりからっぽのなっていることが多いそうですが、そうなる気持ち、わかるわ~。
■こんなにお得なおまかせ献立もあるよ。
「京てんとう」さんには、しゃぶしゃぶ以外にも揚げ物、焼き物、温物、あてなど、おいしい居酒屋メニューが豊富にあります。
それにランチもなかなか人気です。
■おすすめメニューもだいたい月単位で変わります。
終わりに、打越さんからうかがった、店名「京てんとう」の由来を少しお聞かせしましょう。
ある日、姪御さんと散歩されていた打越さん。その指先にナナホシテントウが止まりました。指を持ち上げると、それがふわっと天に向かって飛んでいったそうです。
なにかの予兆を感じてテントウムシのことを調べたところ、テントウムシは漢字で「天道虫」と書かれ、下から上へ上へと飛んでいく縁起のよい虫とわかったそうです。
打越さんはそのとき、この小さな幸運の虫を店名にしようと決めました。
店内には姪御さんがその時の様子を描かれた、かわいい絵が飾ってあり、お店全体を見守っているようです。
■明るい色づかいが、姪御さんと打越さんの仲のよさを物語ってますねえ。
実は店の内外にテントウムシがいます。おいしいしゃぶしゃぶを食べつつ、ぜひ探してみてね!
※記事内の価格表示はすべて税込みです。
店舗・施設名 | うまい処 京てんとう |
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住所 | 京都市右京区西院矢掛町28-1 シンワ会館1-3 |
電話番号 | 075‐925-9155 |
営業時間 | ランチ 11:00~15:00 (L. O.14:00) ディナー 17:00~23:00 (L.in.22:00) 木曜日定休 |
交通 | 阪急電車 西院駅より徒歩約7分 |
駐車場 | なし |
ホームページ | https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260401/26034705/ |
Writer藤松幸一
Writer藤松幸一
南区の業務用酒販店・株式会社ふじまつの社長。 美味しい料理とお酒大好きな1975年生まれ。 『飲食店のトータルサポート』 をテーマに、ただ売るだけでなくお客様がご繁盛して頂ける環境づくりをお手伝います。 面白おかしく、たまには真面目に素敵なお店情報をお届けします。
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