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2020.11.16

京都在住の外国の方に、「どうして京都へ⁉」「京都のどこが好き??」など京都尽くしのインタビューを実施し、異文化視点から京都の魅力を再発見することを試みるコーナー【YOUは何しに京都へ?】。

第6回目のゲストは、中国人のYang(ヨウ)さん。

 

「学ぶことが大好き」と公言し、驚くほど行動力のある女性です。

 

 

心の安らぎを感じて京都へ

京都は観光スポットとして世界中から根強い人気がありますが、それは北京でも同様。今回ご紹介する楊さんは、北京に住んでいた頃はずっとインターネットで京都の紅葉に関する情報収集をして京都に想いを馳せていたそう。旅行で京都を訪れた際には、「北京では感じられないような穏やかな気持ちを感じた」とのことで、まず北京で3か月間、日本語を勉強。その後、2年間京都の日本語学校に通いました。在学中は、大原の温泉旅館やお寺でアルバイトをし、そのままアルバイト先に就職。京都で生活を送りながら、これまでに40以上の都道府県を訪れています。

 

 

芸術の街、京都を満喫

もともと美術に興味があり、日本各地へ出掛け美術館などを訪れている楊さん。「京都には、京都国立近代美術館のような大きいところだけではなく、福田美術館、細見美術館など、本当に素敵な美術館がたくさんあります」と笑顔で話します。「美術館に行くと、最低でも3~4時間、長い時には1日中いれる」と言い切り「とにかく飽きがこない。何度でも通ってしまう」とのこと。また、樂美術館や野村美術館など陶芸に関するところにも足繁く通ううち、日本の陶芸品の魅力に心を奪われるようになりました。陶芸については「ただ見るだけ、使うだけでなく、深く理解したいです」と語り、陶芸に関する日本語の本をできるだけ読むようにしています。今、楊さんのご自宅には、たくさんのコレクションが飾られ、3日に1度は自分でお抹茶を点て、お気に入りの器でお茶を楽しんでいるそう。

 

 

名店の甘い誘惑は、万国共通⁉

中国料理は世界3大料理のひとつと言われ、京都にも名店がたくさんありますが、楊さんは日本食がとてもヘルシーだと考えており、中華料理屋さんに行かないそうです。食事はほとんど自炊。そんな楊さんを虜にしたのが、マールブランシュ京都北山本店。高い天井に大きな窓、そしてホワイトを基調とした洗練された空間で、絶品スイーツがいただけるこちらは、美味しいもの好きであれば誰もが一度は訪れたいと憧れる人気店です。楊さんは多い時には週に1度お店を訪れ、今では馴染みの店員さんもいるほど。気候の良いときにはテイクアウトして、すぐそばの植物園で青空の下、ゆっくりケーキを味わっているのだとか。

 

 

 

京都は第二の故郷

日本文化のルーツの多くは中国にあります。楊さんは京都の至る所で故郷の中国を感じるそう。その影響の強さは、楊さんの想像以上でとても驚いたようです。中でも印象的だったのは、萬福寺に行った時。萬福寺の玄関には天王殿が設けられており、総門は中央の屋根を高くし、左右を一段低くした中国門の牌楼(ぱいろう)式が用いられています。楊さんは、その全景を目にした時「あぁ、中国のお寺と同じだ」と思ったそうです。

心から京都の暮らしを満喫する楊さんですが、なかなか京都人のお友達ができないので少し寂しいと漏らします。京都には、多くの外国人の方が暮らしていますが、その多くの方が同じ悩みを抱えているそう。それでも「京都は第二の故郷です」と語るほど、京都を愛している楊さん。「京都や日本語、日本の美術について学ぶことはとても楽しい」ととても勉強熱心です。宿坊で観光客の対応をしている際は、観光客にお勧めしたいスポットがありすぎて、困ってしまうほどだとか。母国語の中国語はもちろん、流ちょうな英語と日本語、そして最近学び始めたスペイン語で、楊さんが観光客に伝える京都の魅力は、これから先もきっと多くの人々の心に届くのでしょう!

 

Information
店舗・施設名 マールブランシュ京都北山本店
住所 京都市北区北山通植物園北山門前
電話番号 075-722-3399
交通 地下鉄烏丸線北山駅4番出口から徒歩3分

Writerみやはら由惟

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Writerみやはら由惟

京都在住のフリーライター・編集者。
約6年間の東南アジア生活を経て本帰国。異国の地で日本を感じるポイントに出会える度に嬉しかった気持ちが忘れられず、今は京都の中の異国を探す日々。
目指すは、美味しいもの・人との出会いを通して、京都の中で世界一周旅行!

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