実はアイシングを使ったお菓子は甘すぎて、あまり好みではないというお二人。でも、この柑橘を使ったものはさわやかで、お気に入りだそう。「ユズのほか、ライムで作ってもおいしかったです」(由香さん)
また、リンゴを煮るときは、水分が少ないのではと不安になるかもしれませんが、だいじょうぶ。めぐみさんいわく、「洗い物などをしながら、気長に待ちましょう。途中、あまり、かき混ぜたりもしません。むしろ、均一に色づかなくてもいいんです」とのことですよ。
「りんごの赤ワイン煮くず湯仕立て」を盛り付けたのは、石川県の粉引きの大きめの汲み出し茶碗。「ティーカップではない、紅茶を飲むのにぴったりな器をずっと探していたんです。このお茶碗は手のひらにおさまる大きさで、薄すぎないのでホットドリンクを入れても熱くなく、重宝しています」(めぐみさん)
手前の緑のお皿は清水焼の作家さんのものらしい、とのこと。鮮やかな色合いながら、乗せたものが何でも映えて、きれいに見えるといいます。そうそう、そっと添えられたカリンの木の手彫りのスプーンは開店当初から気に入って使っているものだそう。「コーヒーのお砂糖やミルクを混ぜるときなどにお出ししているのですが、使う頻度が高くて木の油分が抜けていたのを、漆作家・後藤政弘さんが拭き漆でお直ししてくださって」「かすかすだったから、きっと見るに見かねてだよ(笑)」と言いながら、「それにしても木の道具は手入れすると、長く使えるんだね~」と頷きあうめぐみさんと由香さん。このスプーンの温かみのある雰囲気も、今回の冬の昼下がりらしいコーディネートの要になってくれている気がします。
現在、「まつは」は火曜・水曜の週2回というかたちで営業されています。午前10時~午後3時の間、お食事とドリンクのオーダー可能。電話には営業時間内のみ対応です。お問い合わせなどは、できれば余裕をもってメール(matuhairoiro@gmail.com)でどうぞ。
▲粉引きの汲み出し茶碗は、とってもなめらかな手触り
▲拭き漆で艶がよみがえった、手彫りのカリンの木のスプーン
▲「落っことさないよう必死で、変な表情になっちゃった(笑)」と由香さん。撮影時の、なんだか可愛い一枚
▲10月末に結婚式を行った由香さん。その際、ご両親に渡す花束を作ってもらった花屋さんから頂いたという菊の花が、庭を明るく彩っていました
―次回は〝小雪(しょうせつ)〟をイメージしたお料理のレシピをお届けします
店舗・施設名 | まつは |
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住所 | 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671 |
電話番号 | 075-231-7712 |
営業時間 | 10:00~17:00(LOは16:30) ※17:00以降の利用については要相談。電話やメール(matuhairoiro@gmail.com)でお問い合わせください。 【日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり】 |
交通 | 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分 |
ホームページ | https://www.matsuha225.com/ |
Writer市野亜由美
Writer市野亜由美
京都のおいしいお店を訪ねるのが好きなライター。レシピ記事が得意。
今回は、自身のお気に入りのお店「まつは」の西村めぐみさん(写真向かって右側・姉)、西村由香さん(同左側・妹)の協力を得て、簡単に作れて、ワクワクするようなレシピを連載する夢が叶いました。
「お茶をするのも、お酒を飲むのも、ぼーっと過ごすのも好き」という西村姉妹が切り盛りする同店は、2020年2月で6周年。良い塩梅(あんばい)に、かしこまり過ぎず、丁寧につくられた食事やスイーツ、おつまみにファン多数。
WEB:https://www.matsuha225.com/