京都・二条富小路にある京町家カフェ「まつは」。同店を営む西村めぐみさん、由香さん姉妹が提供するお料理には、優しい味わいと斬新なアイデアが両立しています。今回、紹介してくれたイチジクを使った田楽も、お店の食事やケータリングに登場する一品なのだとか。フルーツに砂糖じょうゆの甘辛ミックス風味が合うのに驚かされますよ。
連載第6回を迎える今回は、初の屋外取材です。朝に、「鴨川で、いかがでしょうか?」とご連絡があり、即決! お茶の道具などを携えて、のんびりと歩く道中もいい感じ。
まつは姉妹のお二人には、鴨川べりにいくつかお気に入りのスポットがあるそう。この日は、二条通りを少し北上した辺りの木陰で撮影を行いました。
〝夏至〟は「夏に至る」と書くとおり、暦の上ではこの日を境に本格的な夏に向かうとされ、今年は6月21日です。一般的には、1年で最も昼の時間が長い日と説明されますが、日本の多くの地域では梅雨の真っ盛り。長雨が続くため、昼間の長さには、やや気付きにくい時期ですが、晴れた日には夏らしい空が広がります。
少し話は変わりますが、冬至にはカボチャが食卓につきもの。では、夏至は? …実は、決まった何かを食べる全国的な風習はあまりないようです。強いていうなら京都では、6月30日に「水無月(みなづき)」という小豆の乗ったういろうのお菓子を食べて無病息災を祈る風習があり、それで初夏を感じる人が多いかもしれません。
「『無花果の田楽』は、京都に来て初めて懐石料理などでイチジクを使ったお料理に出合って、おいしくて作るようになりました」とめぐみさん。地元・長野県ではあまりイチジクが出回らないのか、自身の家族があまり食べなかったのか、定かではないそうですが、今は大好物だとか。「田楽といいつつ、今回、ご紹介するレシピでは炙ったりしないんです。
丁寧に下ごしらえをしてつくる甲斐もある『無花果の田楽』ですが、簡単にフレッシュに仕上げてもまた楽しくおいしいです。手軽につくれる、元気の出るメニューとしておすすめです」
もうひとつの「夏至の白茶」は、まさかの自家製。「まつは」の庭には、お茶の木をプランターに植えてあるそう。生の茶葉を日陰で、半日ほど干して作るのですが、「夏至のころだと日が長いので、昼頃に葉を摘んでも夜、飲めるんですよ」とのこと。この時季にぴったりな作業も合わせて楽しんでみては、
店舗・施設名 | まつは |
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住所 | 京都市中京区二条通富小路東入ル晴明町671 |
電話番号 | 075-231-7712 |
営業時間 | 10:00~17:00(LOは16:30) ※17:00以降の利用については要相談。電話やメール(matuhairoiro@gmail.com)でお問い合わせください。 【日曜・月曜休。都合により臨時休業、長期休暇あり】 |
交通 | 地下鉄「京都市役所前」駅から徒歩約6分 |
ホームページ | https://www.matsuha225.com/ |
Writer市野亜由美
Writer市野亜由美
京都のおいしいお店を訪ねるのが好きなライター。レシピ記事が得意。
今回は、自身のお気に入りのお店「まつは」の西村めぐみさん(写真向かって右側・姉)、西村由香さん(同左側・妹)の協力を得て、簡単に作れて、ワクワクするようなレシピを連載する夢が叶いました。
「お茶をするのも、お酒を飲むのも、ぼーっと過ごすのも好き」という西村姉妹が切り盛りする同店は、2020年2月で6周年。良い塩梅(あんばい)に、かしこまり過ぎず、丁寧につくられた食事やスイーツ、おつまみにファン多数。
WEB:https://www.matsuha225.com/