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2020.03.17

環境的なことは、何かやっているんですか?

 

アオイ:銭本さん、でもヤマモトホールディングスさんは清掃の会社でしょ? だから絶対、環境的なことも取り組んでると思うんですけど。

銭本さん:そうですね。その一つとして紹介したいのは、“みつばちプロジェクト”かな?

アオイ:ミツバチ?? ハチを飼ってるんですか? ハチミツ取るの?

銭本さん:ハチミツも採っていますよ(笑) 最初は私たちの同業者が始めたのに倣ったんですが、きっかけは、「ミツバチが全滅すると、数年後には人間も生きていけなくなる」、ということばを聞いたことなんです。それくらいミツバチは、私たちの生活の大事なファクターを握っています。

アオイ:なんでミツバチがそんなに重要なの…?

銭本さん:アオイちゃん、受粉ってわかりますか。野菜なども含めて世の中の植物の8割は、受粉が必要なんです。その受粉活動の大半を担っているのがミツバチなんですね。

アオイ:そうか。だからミツバチがいなくなっちゃうと、私たち(人間やネコ)が食べるものも、採れなくなっちゃうんだニャ…。

銭本さん:それに、もうひとつ面白いことがあるんです。ミツバチから採取したハチミツの成分を分析すると、どうなると思いますか?

アオイ: それってもしかして…。

銭本さん:分析して、つまり食べても大丈夫かどうか調べるんですが、全然問題がないんです。もしや重金属とか公害に該当する成分が入っているのでは、と思うかもしれませんが、まったく何も出てきません。

アオイ:そうなんだ。いまの環境にはいろいろ心配なことが多いけれど、大丈夫なところもあるんだニャー。よかった!

銭本さん:でも実は去年、越冬に失敗してミツバチが全滅しちゃったんですよ…。

アオイ:ええっ! 銭本さん、それじゃ今年はハチミツ採れないじゃないですか。

銭本さん:……残念ながら。でも今後は、京丹波にあるグループ事業所の京丹波ウエスの近くに障がい者の方が畑づくりをしているNPOさんがあるので、そちらとコラボレートして、“みつばちプロジェクト”を再開、維持していこうと考えています。

アオイ:ミツバチさんが死んじゃったのは残念だけど、別の地域でパートナーと一緒にプロジェクトを再開させるんですね。実現できたらSDGsの17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」ということに、つながりそうだニャ~!

 

“ごみ”の現状を知ってもらうための取り組み

 

銭本さん:アオイちゃん、ところで京都市のごみが減っているのを知ってますか?

アオイ:知ってますよ~。年々、ゴミの量が減ってるグラフを見たことありますもん。

銭本さん:では質問です。アオイちゃんの家から出るごみも、毎年毎年、減っていますか?

アオイ:え? えーと…。あれれ? そんなに減っていないかも…。

銭本さん:京都市のごみが毎年減っているように見えるのは、実は市のクリーンセンターに持ちこまれるごみの量が減っているからなんです。

アオイ:じゃあ、減ってないごみはどこに…?

銭本さん:そういうゴミが、うちのような業者に持ち込まれているんですね。ここに入ってくるものは、木くずは木くず、金属くず、廃プラなどですが、全部“リサイクルできるもの”としてやってきます。だから私たちの工場は「どこまでリサイクル率を上げられるか」がミッションになります。

100トンのごみを、どれだけリサイクルに回せるか。当然、そんなことも問われていると思っています。ヤマモトホールディングスは中間処理を担当している会社なので、ここで仕分けられたものは、さらにリサイクルが得意な工場に持っていきます。

立場としては、何がどこにどういう風にして流れていったのか、それをちゃんと把握し開示するのも私たちの責務だと思うんです。

アオイ:そうやって今の状況を正しく伝えることが、環境を守ることにつながるってことなんですね。


■ヤマモトホールディングスさんの工場の様子。ゴミはここで丁寧に分別され、さらなるリサイクル工場に持っていかれます。

銭本さん:集めたゴミは、こうやって人の手を経てリサイクルしていることときちんと伝えたら、誰もムチャはしないと思いますね。

むしろ「いらないものを買わないようにしなきゃアカンな、とか、ちゃんとリサイクルできるように分けなアカンな」と考えてくれるようになるんじゃないでしょうか。

アオイ:そうか~。みんなが出したごみが、どこに流れていくのか、もっと伝えていきたいですね。 こんなに色んなことに取り組んでいるヤマモトホールディングスさん、社員のみなさんは、自社のSDGsの取り組みについて、どんなふうに感じているんですか?

銭本さん:そこはまだまだこれからですね。私もいろんな研修やセミナーに参加していますが、SDGsは目標に対して、どうやって到達するのかも考えるべきものだと思っていますから。

たとえばこれまでは、お金をどこかに寄付するだけでも“社会貢献しています”、と言えました。でもこれからは、途上国に寄付したお金で学校給食が賄われたとしても、その国の子どものお腹を満たすだけではダメ。その子たちが勉強し次のステップに進めたら、もっと社会がよくなるということまで考えておかないと。

そうするためにはやはり、目標や目的にちゃんとお金が使われたかどうかも検証しないといけないと思うんです。SDGsの取り組みは、そこまできちんと考えて取り組んでいかなくてはならないと思っています。

アオイ:じゃあ、ヤマモトホールディングスさんとしては、最終的にどういう目標をめざすのか、これからも考えていくんですね。

銭本さん:そうですね、難しいし複雑になりますが、状況としてはそういうところです。


■SDGsでどんな未来をめざすのか。それを具体的にを考えて取り組むものという考えを示してくれた銭本さん。考えさせられます。

★今回のアオイのまなび★

自社の事業を通じて、これまでもCSRや環境配慮に取り組んできたヤマモトホールディングスさん。SDGsの目標と直結しやすい事業だからこそ、深く考えて向き合おうとされていると感じました。ゴミを減らせる生活を、心がけるにゃ。

Information
店舗・施設名 株式会社ヤマモトホールディングス
住所 京都市伏見区横大路千両松町196-1
ホームページ https://www.yamamoto-hd.jp/corporate_profile/index.html

Writer猫のアオイ

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Writer猫のアオイ

タカラサプライコミュニケーションズのそばを流れる高瀬川の土手でひなたぼっこしていたところ、デジスタイル京都のスタッフと出会う。人間のことばがわかることと、猫であることを買われ(?)、デジスタイル京都のライターとして抜擢される。好きなものは(普通すぎですが)マタタビ。

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