「一煎目はぬるめの60℃くらいで、1分ほど蒸らします。」
「よく、熱湯をそのまま注いで長時間蒸らしてしまう方がいらっしゃいますが、そうすると渋みが初めから出てしまい、苦くて飲みにくいお茶になってしまうんです。」
な、なんと。一煎目に沸かしたてのお湯を注いでしまうのはあまりお勧めできないようです。
「どうぞ見てください。これが一煎目の茶葉の開き具合です。まだ完全には開ききってないでしょう。」
おっしゃる通り。
まずはこの状態で注ぎます。
片方の手で蓋を押さえて、両手で注ぐ方法もありますが、このように片手で注ぐ方法もあるそうです。
美しく透き通った黄緑色。早速いただきます。
「ああ…ふんわり、何だか広がっていく感じがします!!」
「そうなんですよ。渋みがないでしょう。ほんのり甘くて。」
今まで味わったことのないような香り高さ。日本茶でこんなに心が満たされるなんて。
「二煎目は温度を上げて20秒ほど蒸らします。すでに茶葉が少し広がっているので、短時間でいいんです。どうぞ、さっきの茶葉と比べて違うのがわかりますよ。」
本当に!さっきよりもしっかりと茶葉が広がって、浸透しているのがわかります。
色もさっきの一煎目と比べて、はっきりとした黄緑色に変わっています。
苦味や渋みもより深く感じられます!
「二煎目なのでカテキンやカフェインが出てくるんですよ。この成分が苦味、渋みを感じさせているんです。」
煎茶道、奥深し…。感激しております。
「三煎目の前に、ここでお菓子を召し上がっていただきますね。」
と出してくださったのはこちら!!
篁庵(たかむらあん)さんの薯蕷(上用)饅頭「早蕨(さわらび)」。
芽を出したばかりの蕨。まさに春を予感させるお菓子です。
お茶の苦味に引き立つ和菓子の上品な甘さ。
餡もしっとりと滑らかで、とっても美味しい!
凡そ半月前に、月替わりで季節のお菓子を別注しています。
「お抹茶の場合、先にお菓子をいただきますが、煎茶ではお茶の本来の味を楽しんでからお菓子をいただきます。」
なるほど!
お茶の甘みと渋みを堪能してから、お菓子をいただき、再び煎茶に帰ることでいろんな味わいを楽しめるということですね。う〜ん、ますます奥が深い煎茶道。
最後に、四煎目は熱湯を入れていただきます。
何度か抽出した段階のお茶は、苦味も渋みもまろやかに変わって、とっても飲みやすいお味になっています。
店舗・施設名 | 茶亭楓庵(ちゃていふうあん) |
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住所 | 長岡京市長岡一丁目2-18 |
電話番号 | 075-951-6798 |
営業時間 | 営業時間:10:00~18:00 (最終注文17:30) 定休日:月曜日 第1日曜日 |
交通 | 阪急長岡天神駅下車徒歩約3分 |
ホームページ | http://www.xn--l8jh4lwe.com/ |
Writerあかり
Writerあかり
神戸在住の現役女子大学生。
京都に住んでいた母に連れられ、何度も訪れるうちに、いつのまにか京都大好き娘に…!抹茶が好きすぎて、大学では茶道部に入部。毎週、お茶を立てて和菓子と一緒にいただくことが私の楽しみです♪