ごきげんいかがですか。
あんこ好きライター、かがたにです。
過日、行きつけの和食店のカウンターで大将が「最近、あんこの方はどうなの?」と聞いてくるので、今度は何処其処に取材に行く予定で…などと話していたら、同じくカウンターに座っていたお客さんが興味を持ってくださったので、この連載を紹介させていただきました。
ありがたいことに、その場ですぐスマホから見てくださり、しばしワァワァとお連れさんと盛り上がっておられたのですが、私のプロフィール文をご覧になって一言。
「えっ!すごい!自宅で月に2回も餅を搗いているんですか…!」
・・・って、どんだけおめでたい家族だよ!!!
かがたに、餅は搗いておりません。
(実際には、月に2回「餅を搗く」ではなく「餡を炊く」です)
そんなわけで(?)、今回はもちもちの求肥が全てをやさしく包んでくれる大福の出番です。
「養老軒」さんは西大路四条の交差点から、東へ一筋越えた南側、阪急西院駅と、嵐電西院駅のちょうど間にあります。
水無月などの伝統的な商品も素晴らしいのですが、クリームチーズなどを使った創作系の「わくわく大福」(税込260円〜)や季節の果実がごろりと入った「フレッシュフルーツ大福」(税込270円〜)がとにかく人気!!
さらに今回は大福と「ある飲み物」とのペアリングをご提案いただきますよ!
お店は四条通りに面して間口も広いので、ふらりと立ち寄りやすい雰囲気。
大福のケースの隣には、要予約の紅白饅頭やおはぎの見本、詰め合わせに重宝する焼き菓子などが並びます。
その間には「和菓子製造技能士之章」が鎮座ましましており、親しみやすさの中にも京都の和菓子屋さんらしい匠感が漂います。
ふと壁側の棚に目を移すと、同店の看板娘であり職人でもある本田順子さんが平成23年に京都府から授与された「明日の名工」の盾が飾ってありました。
なんと順子さんは女性で初めて「明日の名工」に選ばれた実力者!
※「明日の名工」とは・・・京都府青年優秀技能者。「京の名工」の対象となる伝統産業を除く府内の産業に携わり、10年以上の経験を持つ35歳以下の優れた技能者を表彰。
そして、その横には「ワインエキスパート認定証」。
え?!和菓子屋さんなのに、なんでワイン?って思いますよね。
実は冒頭で「ある飲み物」と伏せていたのは、ワインなのです。
見よ!この和菓子屋らしからぬ光景を!!!
ちなみに和菓子屋さんでワインを売るためには、わざわざ酒販資格を取得しなければなりません。
そうまでして、一緒に提供したいと思われたワケを順子さんにうかがいました。
「趣味でワインの勉強を始めた頃、ワインとお料理には、海の物には海のある地域のワイン、山の物には山に近い地域のワインといったように、地の物に合わせるペアリングの楽しさを知ったんです。それで、私にとって“地の物”って和菓子だなって思って、色々試してみたんですね」
そんな試行錯誤の日々の中、出合ったのがこのワイン。
Fattoria Le Sorgenti Respiro Chianti
ファットーリア・ル・ソルジェンティ レスピーロ キアンティ
「ウチのモンブラン大福と一緒に味わった時に、他の飲み物では感じられない味の広がりを感じて、“これだ!”と思いました」
しかもこのワイン、順子さんが惚れ込んで、販売元の社長に直談判して取り扱い許可をもらったというから驚きです。
「京都では、JR京都伊勢丹さんとウチでしか販売していない商品なんです。あとはいくつかのイタリア料理店で飲めるぐらいかな?社長さんにもモンブラン大福を一緒に食べていただいて、情熱をお伝えしました」
そうは言っても、ネットで買えたりするんじゃないの?とお思いの、そこのアナタ!
疑り深いワタクシも、そう考えてAmazonや楽天市場で検索してみましたよ(したのかよ)。
・・・マジでした。1件もヒットしませんでした。
つまり・・・
本田順子先生の大福とレスピーロキアンティが一緒に買えるのは養老軒だけぇぇぇ!!!!
ってことです。
この運命のマリアージュを皮切りに、養老軒さんでは大福とワインのペアリングが次々と誕生。
今回は、手土産人気の高い「みかん大福」(税込350円)と「いちごあんクリームチーズ大福」(税込280円)に合うワインを教えていただきました。
>甘口の微発泡がフルーツの酸味、クリームチーズのコクに合う!
店舗・施設名 | 養老軒 |
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住所 | 京都市中京区四条通西大路東入ル南側 |
電話番号 | 075-311-3405 |
営業時間 | 10:00~18:00 水・木休 |
交通 | 阪急・嵐電「西院」駅下車すぐ |
Writerかがたにのりこ
Writerかがたにのりこ
あんこをこよなく愛し、月に2回は自宅で餡炊きをするフリーライター。 元・漉し餡党、現在はあんこ博愛主義者。