こんにちは。デジスタイル京都スタッフのイタクラです。
2016年に開催された際も、長蛇の列ができるほど大盛況だった細見美術館の「春画展」。
今回は、春画に妖怪画も加わった充実の内容で、本日(10月16日)よりスタートしています!
日本よりも、海外で日本独自の芸術や文化として高く評価されてきた春画。
国内では、まだまだ、まとまった数の作品を鑑賞する機会があまりないのが実情です。
それゆえ、貴重な今回の展覧会。この秋、ぜひとも要チェックです!
昨日、内覧会にて見どころなどを伺ってきましたので、一部をご紹介しますね。
まず、この展覧会はすべて国際日本文化研究センター(日文研)が所蔵するコレクションによるもので、今回が初公開なのです!
日文研が創立初期より収集・保存している春画と妖怪画750余点より、よりすぐりの約150点が並びます。
そのなかには、なんと世界初の公開作品も!それがこちらです。
磯田湖龍斎 「俳諧女夫まねへもん 九」国際日本文化研究センター蔵
全24図の組物なのですが、所在が分からないものが多く、今回、初めて所在が明らかになった3図を含む4図が展示されています(会期を分けて展示)。
これは、浮世草子・浮世絵の題材・画題として描かれてきた「豆男もの」というジャンルの作品で、仙薬などで体の小さくなった人が、寝室をのぞいてその道の修行をする趣向で描かれたものなのだそう。
赤い矢印の先の小さい女性がそれです!
なんか、意外とお行儀よくまじめに見学してます。
そしてめちゃ近い!!
武家の女性の嫁入り道具には春画があったと言われるように、写真や映像のなかった当時では貴重な情報源&予習材料だったのかもしれません。
玖村政信 伊勢物語俳諧まめ男/夢想頭巾 国際日本文化研究センター蔵
こんなふうに本になったものもあり、頭巾をかぶった男性が部屋の片隅にそしらぬ感じでいるのが、かわいくさえあります。
もちろん、もっと艶めかしい作品も多数展示されていましたよ。
エロティックな面もおおいにあるのですが、誇張されすぎていたり、奇想天外だったりするあまり、なんとなく微笑ましくなったりも。
そして、「こんなに一生懸命描かなくても」というぐらい、細密に表現されているもの(特に局所)が多く、当時の人たちの好奇心とまじめさに日本人の国民性なのかしら?と妙に感心してしまいました。
肉筆画はもちろんのこと、版木に彫って刷るとなると、大変な技術が必要とされるわけですから、その点も見どころです。
また、妖怪画はこれまでそれほど評価・注目されてこなかった分野ですが、このところちょっとしたブームにもなっていますね。
こちらも、日文研では、日本文化研究の基礎資料として積極的に集めておられ、そのエッセンスを一覧することができます!
例えば、こんな感じ。化け物がお見合いをして、婚礼、出産、初宮参りをするまでを描いた作品です。
貉穴住 「化物婚礼絵巻(部分)」 国際日本文化研究センター蔵
妖怪のキャラクターが個性的。そして、人間と同じように結構保守的に人生を歩んでいる様子もユーモラスです。
歌川芳幾 百もの語 牡丹灯籠 国際日本文化研究センター蔵
こういった有名な幽霊ものもあります。
幽霊にしろ、妖怪にしろ、その物語性や奇想天外な姿かたちなど
「昔の人の想像力と創造力ってここまで広がっていたんだなぁ」と感心することしきり。
会場は、「生、性、死」「復讐する幽霊/退治される妖怪」「おおらかな信仰」など7つのコーナーで構成され、日本人の精神性や文化について多面的に考える手がかりともなっています。
展覧会名にもなっている、「わらい」と「こわい」。
この秋はぜひ、このかけ離れた二つの感覚がつながりあっていく不思議な感覚を味わってみませんか?
店舗・施設名 | 細見美術館 |
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住所 | 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 |
電話番号 | 細見美術館 075-752-5555 |
営業時間 | 2018/10/16(火)~12/09(月) 10:00~18:00(毎週土曜日は20:00まで) 18歳未満は入館不可(美術館・ショップ) 受付にて、年齢のわかるものをご提示いただく 場合があります。 |
交通 | 地下鉄東西線「東山駅」2番出口より徒歩約7分 市バス 31・201・202・203・206系統「東山二条・岡崎公園口」下車、東へ徒歩約3分 市バス 5・32・46・洛バス100系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車、西へ徒歩7分 |
駐車場 | 近隣に市営駐車場、私営駐車場あり(ともに有料) |
料金 | 1,500円(1,400円) ※()内は20名様以上の団体料金もしくは障がい者の方は、障がい者手帳などのご提示でご優待 一般1,500円(1,400円) 18歳未満は入館不可(美術館・ショップ) 受付にて、年齢のわかるものをご提示いただく 場合があります。 ※会期は1期から4期まであり、展示替あり ※再入場不可・入館は閉館の60分前まで |
Writerデジスタイル京都スタッフ
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