全くのゼロからスタートだった日本産のジン作り。
前例がないことはとても大変なことのように感じますが、「自由でいいですね、なんでも出来ますから。ある意味ではすごくラッキー。」とデービットさん。
誰も考えたことのないジャパニーズジンを作ることを決め、試行錯誤を繰り返す日々。
それは、まさに面白い旅。わくわくするような冒険の中で作り上げてきたものだとデービットさんはいいます。
-デービットさん
趣味ではないですが、やりたいから、やります。やらなきゃではなく。「やりたいから、やりましょう!」という情熱をチームみんなが持っている。良いものを作りたいんですね。だからいつも新しいアイディアがチームのメンバーから湧き上がってきます。とてもいい環境ですね。
チームメンバーのバックグラウンドが多彩なことも良い環境を作りあげている要因の一つであるともいいます。
お話を伺っている時のお二人のフラットな雰囲気や蒸溜所内で感じた自由さは、本当に楽しんでジン作りをされていることを感じました。
ヘッドディスティラーのアレックス・デービスさんと佐久間さん。アレックスさんは、イギリスのコッツウォルズ蒸溜所を経て京都蒸溜所に参画。
日本語と英語が混ざり合うとってもグローバルな雰囲気。国籍や年齢など関係なく、皆さん仲が良さそう。
また、素材は自然の産物。旬の時期が違い、収穫年によって素材自体の味わいも微妙に変わってくる。そのまま前年と同じレシピで作ると違う味わいになってしまう可能性があります。そこにも、季の美の繊細な味を常に同じクオリティで表現するための強いこだわりが。
ドイツにあるクリスチャン・カール社に依頼したハイブリット蒸溜器。
―佐久間さん
季の美は、ずっと完璧に同じ味ではなくても同じような味を作りたいんです。
“クラフト”という言い訳で生産ごとに味が違ったり、ぶれることはなるべく避けたい。しかし、その年によって素材の味が違うので、多少の味の揺らぎはあるのかなと思います。
日本の人は特に味覚が鋭い方が多いんです。そこで、「なんとなく違うかな」というくらいであれば、そこは面白みになると思いますが、季の美というラインをできるだけ堅持する。 揺らぎは付随していくけれど、いつも同じような味わいを追求して。もし、官能豊かな人が違いを感じたら、ぶれではなく“揺らぎ”として感じてもらいたい。
店舗・施設名 | 京都蒸溜所 |
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住所 | 京都市南区吉祥院嶋野間詰町15 |
ホームページ | https://kyotodistillery.jp/ |
Writer鈴木あみ
Writer鈴木あみ
旅とお酒と音楽と自然が大好きな旅人ライター。
現在、京都でお酒の修行中。