こんにちは。既に暑くて夜中に目が覚め、しっかり寝られていないライターの津田壮章です。
家に帰ったら冷蔵庫で冷やしたお茶を一気に飲みたい季節になりました。
お茶を作る時には、茶葉をそのまま使います。水に溶けて直接口に入るものだからこそ、無農薬のお茶を飲みたいところ。
今回ご紹介させていただくのは、木津川市で宇治茶を生産から販売までされている森井ファームさんです。
2014年から無農薬栽培を始め、2016年から全てのお茶を無農薬で栽培しています。
ひいお爺ちゃんの代からお茶農家という森井正和さんは、周囲で無農薬栽培をしているお茶農家がほとんど無い中、「だめだったとしても諦める覚悟で無農薬を始めたら、意外と大丈夫だった」と言います。
森井ファームでは、あえて夏に収穫する紅茶用の畑以外では、味・香り共に良い一番茶しか作っていません。一番茶の収穫時期はまだ涼しい4,5月なので、無農薬でも害虫は発生しなかったのです。
6月から7月の二番茶の時期になると害虫が出てきますが、森井ファームでは「一番おいしいお茶を飲んでほしい」との想いで二番茶を作らず夏前に葉を刈り落とすため、丁寧に手入れをしていれば、無農薬でも害虫の被害はあまりないそうです。むしろ、無農薬を始めてから増えたミミズを食べにイノシシが現れるようになり、畑に穴を掘られてしまうのが今の悩みとのこと。
以前は全て市場に卸していたという森井ファームのお茶。入札はファックスでキロ当たり何円と通知が来るだけで、これは良い出来だと思ったお茶が高くつかない時もあったようです。
また、通常は、宇治茶として販売されるまでに複数のお茶をブレンドして味を調整するため、「自分の作ったお茶が何になるのか知らない」状態だったといいます。
2012年3月から、「自分のお茶を直接お客さんに飲んでもらいたい」と、京都の手作り市で直売を始めました。
今では、知恩寺や上賀茂神社、梅小路公園等の手作り市に出店し、直接販売されています。直接販売をすることで販売価格を抑えられるだけでなく、お客さんとの距離が近くなり、飲んだ人の声を直接聞けることも生産者としては大きなメリットだったそうです。
木津川市にある森井ファームさんのお茶畑を見に行ってきました。
急斜面から池の近くの畑まで、作るお茶によって栽培する区画が細かく分けられています。
農薬・除草剤を使わないので、雑草が生えていたり、害虫が付いていないかのチェックが欠かせません。
落ち葉や枝を集め、肥料を作っています。掘り起こせば1年以上前に仕込んだ肥料が出てくるそうです。
ミミズや蜘蛛といった益虫が至る所に見られるのも、無農薬ならではの光景です。森井友美さんは、「お茶は飲み物だからこそ、自然に負荷のかからない作り方で、おいしいものを作りたい」と語ります。
将来は、「お茶畑に小屋を建てて、お客さんが畑と池を眺めながらお茶を飲める空間にしたい」と語る森井さん。
ホームページやお茶のパッケージ、ラベルに始まり、自宅も5年かけてセルフビルドで作るなど、至る所に手作りへのこだわりが。元々、バックパッカーで世界を旅していたことがあり、最近も、台湾やネパールへお茶の調査へ行くなど、品質向上への努力を欠かさない姿勢が、おいしさの秘訣です。
森井ファームでは、区画や収穫時期、製法によって、多くの種類のお茶を販売されています。
・月の雫(緑茶)
一番手に取りやすいリーズナブルな宇治茶。この価格でも無農薬です。
小(100g)550円
大(300g)1100円
・葉月(特上かぶせ 深蒸し新茶)
飲んだ瞬間に広がる一番茶の甘みと旨味を実感できます。
小(50g) 550円
中(105g)1100円
大(170g)1650円
・千年翠(特上緑茶)
持続可能な農法で千年後もみどりが栄えてほしいという願いをこめて名づけられた緑茶です。
中(80g)1100円
・月光陽光(特上煎茶)
立春から88日目に当たる八十八夜(5月2日)に一芯二葉摘みをした贅沢な煎茶です。本当にお茶だけなのかと驚くほどの甘みと深みをぜひ実感してみてください。
小(65g)1100円
・太陽(ほうじ茶)
上質な緑茶にできる一番茶を利用したほうじ茶なので、香ばしさの中にお茶の甘みが生きています。
小(100g)550円
中(210g)1100円
大(500g)2200円
・琥珀(浅炒りほうじ茶)
こちらも一番茶を利用し浅煎りに。香りはほうじ茶、味は緑茶という独特な風味です。
小(90g)550円
中(185g)1100円
大(400g)2200円
・風花(紅茶)
渋みのある二番茶を紅茶にすると旨味に変わることから、紅茶用の区画で栽培した二番茶を使用しています。
小(50g) 550円
中(105g) 1100円
大(170g) 1650円
小サイズ4個で1650円のお試しセットもあります。
どれも味や香りに個性があるこだわりの宇治茶です。全てのお茶が試飲できますので、お気に入りのお茶を探してみてください。
※この他に、期間限定商品や数量限定の特上茶も販売されています。
無農薬だからこそ安心な水出し冷茶の作り方を教えて頂きました。水に茶葉を入れるだけという簡単な方法ながら、雑味がなく甘みと旨味がはっきり出る、忙しい方にもお勧めの抽出方法です。寝る前に仕込んで朝の目覚めの1杯にしたり、朝に仕込んで帰宅した時に疲れを癒す1杯にもなります。
<用意するもの>
・冷水ポット
・お茶
・水
①冷水ポットに茶葉をそのまま入れます。水1ℓに対し、茶葉10~15g程度が目安ですが、濃い方が好みの方は多めに入れるとしっかり味が出ます。
※お茶パックや水出し用に作られた容器でも可
②冷水ポットに水を入れます。浄水器を通した水かミネラルウォーター、時間があれば一度沸騰させて冷ました水を使うのがお勧めです。
③冷水ポットを冷蔵庫に入れ、4時間以上待ちます。
④最後に茶こしで濾過すれば完成です。
※お茶パックに茶葉を入れれば濾過する手間が省けますが、茶葉は水に入れると5倍にふくらみ、水の中で泳いでいたほうが成分が良く出るため、このひと手間でおいしくなります。
⑤水出し冷茶でも、急須と同じように2煎目、3煎目が作れます。
⑥残った茶葉を捨てるなんてもったいない。茶殻にはまだまだ栄養成分が残っています。
茶殻をおひたしにしておいしく食べてしまいましょう。
<用意するもの>
・茶殻
・しょうゆ(ポン酢等でも可)
・かつお節
・ごま
作り方は簡単。キッチンペーパーなどで茶殻の水分を絞り、しょうゆやポン酢で味付けし、かつお節とごまをかけたら完成です。
・森井ファーム twitterアカウント
店舗・施設名 | 森井ファーム |
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住所 | 販売場所 手作り市 出店情報は下記ツイッターで要確認 |
電話番号 | 0774-34-4354 |
ホームページ | https://moriifarm.buyshop.jp/ |
Writer津田壮章
Writer津田壮章
珍しい食べもの、刺激的な調味料、素材の味が生きている食材等々を見つけたら、つい買いあさってしまう京都在住フリーライター。写真も撮ります。 最近は、うまいコーヒーを飲むためにコーヒーの焙煎機を購入し、生豆から日々焙煎中。
WEB:https://htbtp777.wixsite.com/photo-takeaki-tsuda
Twitter:@tsudasousou