こんにちは。マツモトです。
フレンチ、お好きですか?
わたしは京都で(希望も含めて)行きたいお店はたくさんありますが、ジャンルがフレンチになると残念ながら、すぐに思いつきません。
しかし京都はいまもパンの消費量日本一。わたしもフランスパンは好物です。それが根拠というわけではありませんが、恐らくおいしいフレンチはたくさんあるはず!
ということで本日は、同じ部署の女子2名とともに、久々の女子会もかねて家庭的なフレンチが絶品と噂されるお店にやってきました。
ところは烏丸エリア。お店の名前は“薄皮つきのにんにく”を意味する、「アイアンシュミーズ」と言います。
東洞院通りを市場から北へ少し上がったビルの5階。ちょっぴりクラシックなビルのエレベーターをゆるゆるあがると…。カラフルでステキな空間が現れました!
パズルピースのようなモザイク柄の天井に、かたちもさまざまなアンティークチェア。
お店に入った時は、黒く塗った壁面に、ちょうど女性スタッフがチョークでゴッホの“夜のカフェテラス”を書いているところでした。
その腕前もなかなか!
「いらっしゃいませ」
と厨房から出てきてくれたのはフランスで修業経験もあるオーナーシェフの中長さん。
今日はよろしくお願いします!
着席すると、おんな3人はさっそくメニューチェックです。
「意外とお手頃!」
「これ、おいしそう」
あーだこーだと言いながら、まずひと品目をオーダー。
メニューの最初にあり、おトク感もありそうだった「ディナー・プレート(1800円)」をお願いします。
メインがプリフィクスになっている“夜ごはん”は、これだけでも十分満足できそう。
前菜は「パテ・ド・カンパーニュ」
わたしはとても好きな前菜です(お酒すすむのよね)。しかも「アイアンシュミーズ」さんのは、ざくざくのお肉やレバーにクルミも入っていて食感がとっても楽しい。
レバーは得手不得手がありますが、臭みがなくてとっても食べやすい。
さっぱりしたドレッシングがかかったサラダがよいアクセントで、これもよかった!
二品目のメインは「豚のスペアリブ」を。
ツヤのあるソースが絡んだスペアリブを分けようとナイフを入れると…。
するるるる、と骨から身が外れます!
今日の参加メンバー、実は誰もあまりスペアリブに好感を持っていません。だってバーベキューなどで骨とガッチリ密着したあの身を食いちぎる(?)さまといったら…。そりゃ百年の恋も冷めるでしょう。さらに手も口もべたべたになり、その上その手でつい服も汚して(もしくは汚されて)「嗚呼…、」となった経験があるなど、スペアリブにはよい思い出がないのです。
こんな素直な対応をされると「圧力鍋? さては圧力鍋か??」など、ついつい穿った推理を働かせてしまいます。
中長さーん。
シェフに「なぜこのスペアリブはこんなにやわらかいのか」と聞けば、答えは低温で気長に3時間ほど調理したのち、ローストしてあるとのこと。
圧力鍋で調理すると、時短にはなるけれどお肉のうま味を逃してしまうこともあるのよね。
でもこのスペアリブはぎゅーっとうまみが凝縮しているのに、身が柔らかい!
「ディナープレート」はこの後デザートでフィニッシュですが、勢いづいた私たちはほかのアラカルトメニューを追加することに。
まず「ベニエ・パリジャン」(600円)と「シュークルート」(1,000円)をオーダー。「ベニエ・パリジャン」フランス風の“鶏のからあげ”なのですが、今はもう、廃れてしまったレシピなのだとか。
から揚げが廃れる!?
私たち日本人のようにから揚げ好きな国民性からはとても考えられません。フランス人よ、なぜなのだ?
しかも私たちはあとでレモンを絞ったりしますが、鶏肉にレモンを包んで揚げる、というのが気になります。
やってきたから揚げは、とっても爽やかなレモンの香り。大ぶりのから揚げは卵白の衣が軽やかで揚げたてなこともあり、サックサク。
なぜこの料理が廃れたのか。フランス人、ますます謎だわ。
一方「シュークルート」はドイツ国境に近いアルザス地方の郷土料理。千切りキャベツの塩漬け(酸っぱい)と自家製ベーコンの煮込み。なんとなく素材からも“ドイツっぽさ”を感じます。
しっかり噛みごたえのベーコンが、酢の効いたキャベツによく合います。
自家製ベーコンは「アイアンシュミーズ」の自慢、とメニューにありましたが、その言葉に間違いない素朴で、しっかりした味。でもこの“自家製”ベーコンにとどまりません。
全粒粉のパンも、5種類以上のデザートも、「アイアンシュミーズ」でいただけるものは、ほぼこちらのお店で作られています。
そして「料理やデザートにお酒はほとんど使いません」とのことなので、お子さんがいる方にもとても嬉しいことなのでは。
ディナープレートからの逸脱は、さらに続き…。果てしなく盛り上がりそうでしたが今日は残念ながらウィークデ一。一旦次で打ち止めにします。
シメはやっぱりコメか麺! って、めっちゃ発想が日本人ですが、押し切ります。
お願いしたのは「なすと鯛のチーズリゾット」(メニューになし)。本当は季節限定の「ハマグリのリゾット」をお願いしようと思ったところ、今日はハマグリが切れているらしく、急遽アレンジしていただきました。
今日いただいたお料理は、と思ったので中長さんに伺うと…。
フランス料理はだいたい「北」と「南」にわかれるそうで、バターを使うことが多いのが「北」。
南はイタリアなどと同じく「オリーブオイル」を使うことが多いのだとか。ほー。
フランスの都市、リヨンで修業された中長さんは「南」で料理を学んだことになるそうで、
「なのでソースやドレッシングも軽やかなことが多いですね」。
とはいえフランス北東部の料理「シュークルート」がでてくるあたり、中長さんの探究心の旺盛さはすごい!
「昔の本を見ていると、冷蔵庫や電子レンジがない時代のレシピが載っていて面白いですよ。それを復活させたりすることもやっています」
と、紙の色も変色したフランスの古書を見せてくれました。
「Cuisine」(料理)とだけそっけなく背表紙に書かれた本。この本をみて「どんなレシピが載っている?」と手に取るなんて、中長さんはかなりの料理好き。って、プロの料理人でした。(笑)
先ほどの「ベニエ・パリジャン」もこうした本にある古いレシピの再現なのだそうです。
このほかにもフランス料理は煮込みが多いのは家に暖炉があることが多いから、とのこと。
暖炉の日の上にお鍋をかけて、じっくり調理する…。
フランスの生活リズムを知る中長さんは、色々な方法で、フランスの“家庭らしいおいしさ”を再現されようとしています。
そうそう、最後にデザートをいただかねば。
ディナープレートに含まれるデザートを、やっとお願いしました。
さすが「デザートを食べてほしい!」という中長シェフ自慢のデザート。
きれいに盛り付けられたのはシブーストというケーキとマカロン。シブースト、実は私の好物なのです。今日は中に入っているフルーツがさくらんぼでしたが、ほどよい甘みと、底にあるパイのサクサク感が超好み。
お料理はほんとうに丁寧に仕込まれていて、シェフのお人柄を感じさせます。なのにお値段はほんとうに良心的。これぞ「お値段以上!」ですぞ。
夜11時まで、カフェ利用もOKな「アイアンシュミーズ」さん。今度はこの近くで働く友人たちとも来たいな、と早くも思っています。
ごちそうさまでした!
店舗・施設名 | フレンチ カフェ&レストラン アイアンシュミーズ |
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住所 | 京都市中京区東洞院通四条上る阪東屋町670 共栄ビル5階 |
電話番号 | 075-256-0237 |
営業時間 | 火~日 11:30~17:00(L.O. 16:30) 火~土 17:30~23:00(L.O. 23:00) 店休日 月曜日 不定休 |
交通 | 市営地下鉄烏丸線 四条駅 阪急 烏丸駅 下車徒歩約3分 |
駐車場 | なし |
ホームページ | http://ail-en-chemise.com/ |
Writerデジスタイル京都スタッフ
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タカラサプライコミュニケーションズではたらく京都大好きメンバー。 定番から穴場まで、幅広いKYOTOの情報をお届けします!
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