ロケ地としては、先日18日に公開したばかりの『のみとり侍』をはじめ、『本能寺ホテル』『舞妓はレディ』『蝉しぐれ』『最後の忠臣蔵』『十三人の刺客』などなどなど、数多くの映画撮影に協力されている隨心院。
現在撮影中の某監督最新作の某時代劇からも撮影依頼書が届いておりました。この作品、情報解禁前ゆえ詳しいことはお教えできないのですが、わたくしにとってはかなりウハウハ♫なキャスティング! しれっとロケに紛れ込むべく、その日だけ出家させていただけないかしら……。捨て去れ!煩悩!!
ここ数年で撮影数が急激に増えた隨心院ですが、要望が集中するのは主に3か所。
まずは、こちら! しょっちゅう本能寺に見立てられる立派な門構えの「薬医門」です。
「敵は、本能寺にありー!!!」の言葉で、どどーんと開く門でございますよ。再来年の大河での登場も期待せずにはおれません。
次に、『るろうに剣心』で薫(武井咲)が主人公・剣心(佐藤健)を探しに来ていた土塀&竹林。
「この間、松岡さんが走ってらっしゃったような……」と、案内しながら記憶をたどってらっしゃったのは窓口担当の高倉さん。
「松岡さん、『るろうに剣心』に出てました?」
「……もしかして、必殺シリーズでは??」
「あー、それかな?」
なんて、苦笑する高倉さんは佐賀県出身。曰く、「撮影が多くなると、どの作品をどこで撮ったか分からなくなるんですよ。最初は有名人に会えることがうれしかったんですが、もう慣れてしまいました(笑) 一番緊張したのは、北川景子さん。『みをつくし料理帖』のときでした。『本能寺ホテル』の綾瀬さんも美人でしたね。でも、それより興奮したのは、中井貴一さんや役所広司さんといった方々でした」
そんな高倉さん、実はNHKプレミアムドラマ「平成細雪」のラストシーンで、美人四姉妹(中山美穂、高岡早紀、伊藤歩、中村ゆり)と共演されているのです! ええ、ええ、わたくし覚えておりますとも。
ドラマではもちろん袈裟を身につけてらっしゃいましたが、まさに!この角度から!!登場されていたのです。
そう、人気の撮影スポット3か所目は、この書院。
ドラマをご覧になった方は思い出されるかもしれませんが、この襖の絵!そのまま映っておりました。
多くは大名屋敷として使用される空間だそうで、最近では薩摩藩邸の内部としても頻出度が高い場所。普段は撮影禁止ですが、この日は特別に高倉さん入りで撮らせていただきました。役得\(^▽^\)(/^▽^)/
役得といえば……、書院近くには控え室として利用できる部屋がいくつかあり、それも隨心院がロケ地として重宝される理由のひとつかと思われるのですが、数々の大物俳優たちが腰掛けたであろう椅子に座らせていただき、まさに夢心地でございました。
最後に、撮影秘話をひとつ。
いままで一切撮影不可だった本堂ですが、『関ヶ原』でのみ撮影が許可されました。その理由が、「うちの責任者が、原作者である司馬遼太郎さんの大ファンで……(苦笑)」、まさに鶴の一声。さすが、司馬……未だその威力は侮れません。本堂前の庭には月に見立てた巨大な白い球体がクレーンで吊られ、「あんなに大がかりな撮影は後にも先にもないと思います。丸3日かけて撮られて、出演者やエキストラの数でも最大級でした」。
▲「もっと近づいてください」と旦那さまからのダメ出しを受けつつ、先の前撮りカップルと同じ角度から新郎新婦ごっこ写真を撮ってもらっていたら、「こないだ本物撮ったばかりじゃないですか~」とカメラマンさん。え? 高倉さん新婚さんなんですか!ちっ……どうぞどうぞ末永くお幸せに(かなり棒読み)。
店舗・施設名 | 隨心院 |
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住所 | 京都市山科区小野御霊町35 |
電話番号 | 075-571-0025 |
営業時間 | 9:00~16:30 |
交通 | 地下鉄小野駅より徒歩5分 |
駐車場 | あり(30台) 無料 |
料金 | 500円 |
ホームページ | http://www.zuishinin.or.jp/ |
Writer椿屋 山田涼子
Writer椿屋 山田涼子
京都拠点の映画ライター、グルメライター。合言葉は「映画はひとりで、劇場で」。試写とは別に、年間200本以上の作品を映画館で観るシネマ好き。加えて、原作となる漫画や小説、テレビドラマや深夜アニメまでをも網羅する。最近Netflixにまで手を出してしまい、1日24時間では到底足りないと思っている。
Twitter:@tsubakiyagekijo